日本酒ピンバッジ倶楽部

日本酒ピンバッジ倶楽部で活動、2024年に解散。日本酒ピンバッジのコレクター・プロデュースもしています。

千代酒造㈱「篠峯」日本酒ピンバッジ倶楽部

2022-12-01 18:05:33 | 奈良の酒

 千代酒造の堺社長と初めてお会いしたのは、大阪梅田にある浅野日本酒店のイベントです。

 まだ、日本酒ピンバッジ倶楽部の夜明け前、私が個人的に日本酒ピンバッジを探していた頃に、話を聞いて下さり、その場であの井上陽水に似た顔で「なるほど、では当蔵で日本酒ピンバッジを作ります。」と即断して頂いたのでした。

 その時、私の横には当倶楽部の会員であるAさんが飲んでいたので、彼は当倶楽部の生まれる前夜の歴史を目撃した生き証人です(笑)。

 

 千代酒造さんが作られたピンバッジは「櫛羅」のボトルタイプと「篠峯」の田圃ラベルです。

出来上がったこの二種類のピンバッジは、様々なイベントで配られ、在庫がなくなったようで、今回第二弾として作る際に、「篠峯」を私たち日本酒ピンバッジ倶楽部にお声かけ頂いたのでした。

 

 日本の山岳信仰である修験道の開祖と言われ、天狗ともいわれる役小角(役行者、役優婆塞)の生まれた地、葛城山の麓、奈良県御所市に千代酒造さんがあります。

 千代酒造さんは、日本酒は”米の酒”であると同時に”水の酒”であるという蔵のこだわりがあり、良い酒を造るためには、まずは良い米を使うところから始め、そんな願いから1996年酒蔵の周りで自作の山田錦を育て始めたそうです。

 また、葛城山の恵みである地下水を汲み上げ、仕込み水に、この土地の恵みを生かす酒造りを続けていきたいと願っていることです。

 

 良い日本酒は、美味しく、心地よい酔いが人の心身を癒し、そして和らいだ心持ちになると、人と人との良い『縁』を育みます。お酒造りは、人の手仕事によるものでありながら、微生物の力で醸されています。従って、自然と同じく人間の都合でコントロールできるものではなく、だからこそ、千代酒造はそこに浪漫を感じているのだそうです。

 現代の醸造技術は、人の力でほぼ思い通りの酒を造れる領域にまで到達しつつあり、それゆえに、絶えず進化し続けながら、自然の力を生かした農業と醸造に千代酒造は取り組んでいきたいと考えているのだそうです。

 

 さて、「篠峯」の由来ですが、貝原益軒の『南遊紀行』では現在の葛城山をさして「葛城(金剛山)の北にある大山をかい那が嶽といふ、河内にては篠峰と号す、篠峰を葛木といふはあやまりなり、葛城は金剛の峰なり」とあります。

 また、貝原益軒は『和州巡覧記』では葛城山について「篠峰の南にあり。篠峰より猶高き大山也。是金剛山也。山上に葛城の神社あり。山上より一町西の方に金剛山の寺あり。転法輪寺と云。六坊有。山上は大和なり。寺は河内に属せり。婦人は此山による事をゆるさず」と記しており、当時は、葛城山は今の金剛山を指し、現在の大和葛城山は、大和国では戒那(かいな )山、天神山あるいは鴨山と呼ばれ、河内国では篠峰(しのがみね)と呼ばれていたようです。

 

 「篠峯」ブランドのお酒は、売り急がなくて良いお酒を造ろうというコンセプトで2000年に発売されました。熟成しないとダメなお酒では無くて、熟成しても良いお酒。熟成して良い状態になるお酒を醸すために、酒米の中でも古典的な品種に信頼を置いて醸し、雄町、山田錦、愛山、伊勢錦、八反、そして酒造好適米ではないものの、熟成を経て魅力が増す亀ノ尾、栽培することが容易ではないお米こそ熟成して晴れやかな味わいになってくれると考え、『篠峯』を醸しているそうです。

ピンバッジ:千代酒造「篠峯 純米大吟醸 雄町」のラベルをそのままピンバッジにしました。

 

堺社長からは直接「デザインに関しては一任致しますので、宜しくお願い致します。」とのメッセージを頂きましたので、黒のラベルをベースにカッコイイをテーマにデザインいたしました。男のジャケットに黒ベースの銀のバッジが渋く光ります。

 

出典、参考文献・HP

千代酒造 HP

貝原益軒『南遊紀行』『和州巡覧記』

pins-kのブログ「日本酒・酒蔵のピンバッジ(その6)」

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 

 

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喜多酒造「御代菊」日本酒ピンバッジ倶楽部

2022-03-26 11:58:58 | 奈良の酒

 喜多酒造さんは、1718年(享保3年)に創業され、初代の利兵衛さんは自身が納得いくまで水と米を選りすぐり、大和御坊村(現橿原市)で酒造業を始めたこだわりの強いお方だったそうです。

 代表銘柄「御代菊」は、1959年(昭和34年)に商標登録され、喜多酒造株式会社は、1961年(昭和36年)に設立されました。

 ピンバッジのデザインは、喜多由佳 常務さんのご意向で、20数年前に変更された御代菊ラベルと家紋「丸に三つ丁子(みつちょうじ)」を組み合わせたデザインとなりました。

 正暦寺で平安から室町時代に完成したとされる古式製法、水酛仕込み(菩提酛仕込みともいう)から、奈良は清酒発祥の地と言われますが、その正暦寺境内で採れた酵母「奈良うるはし」と、酒の神を祀る大神神社神域に咲くササユリから採取した「山乃かみ」酵母を使用し、菩提酛乳酸菌を用い、奈良県産米のヒノヒカリや露葉風を使う「御代菊」は、伝統と喜びを伝える大和の美酒として、ひと手間、ふた手間かかるとも、初代の利兵衛さんの遺志を受け継ぎ、奈良ならではのうま酒にこだわり尽くしています。

 御代菊の銘の由緒は、不明の様ですが、御代とは、天皇の在位期間であり、菊は、パスポートの表紙に「十六一重表菊」をデザイン化したものが使われていますが、1926年(大正15年)に皇室儀制令12条で菊花紋章「十六葉八重表菊」を皇室の紋章と定められています。

 

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梅乃宿酒造㈱「純米大吟醸 備前雄町」日本酒ピンバッジ俱楽部

2021-09-05 11:33:34 | 奈良の酒

1893年(明治26年)奈良の葛城山の麓の地で吉田熊太郎が蔵を構えた「吉田熊太郎商店」、蔵の庭先の樹齢約300年の梅の古木から、『梅乃宿』銘柄が生まれ、1950年(昭和25年)三代目の吉田武司により、「梅乃宿酒造株式会社」の社名となります。

三代目は、戦後すぐの酒が売れた時期に、今後の酒造業界での生残りに、良品質・個性の酒が必要と考え、新銘柄『天下一』を展開し、地元銘柄酒として人気を博し1960年(昭和35年)には、3500石を売り上げます。

しかし、高度経済成長期には、灘や伏見の大手銘柄がもてはやされるようになり、大手酒造への「桶売り」にかじを切ります。

やがて、1976年(昭和51年)にピークを迎えた日本の清酒製造は、販売量が下降し、大手酒造の桶買いに依存していた中小の蔵は相次いで廃業していきます。

 このとき、三代目の養子として吉田家に入り、のちに四代目となる吉田 暁 氏は、「たたむかと思った蔵なら、俺にやらせてくれ」と苦境に陥った梅乃宿を継ぎ、「桶売り」から「自社ブランドへ」の回帰が必要であると考え、1979年(昭和54年)に、岡山産の「備前雄町」での「吟醸酒造り」をはじめ、雑誌『特選街』に「新進気鋭の吟醸蔵」として取り上げられ、東京進出と共に急激なブームとなったそうです。

梅乃宿酒造㈱の純米大吟醸 備前雄町は、全国の日本酒ファンに梅乃宿の名を知らしめた逸品で、2020年4月1日より商品リニューアルしたそうです。

幻の酒米とも言われる「備前雄町」を100%使用し、雄町米ならではの柔らかで落ち着きのある香り、米本来の旨みをしっかり引き出したお酒で、きりりと冷やして純米大吟醸ならではの贅沢な味が楽しめます。

ピンバッジはこのラベルを参考にデザインされました。

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風の森 白 油長酒造㈱  日本酒ピンバッジ

2021-05-19 17:12:19 | 奈良の酒

 日本酒のピンバッジの収集をしています。

 そんなことを酒場や呑み仲間、酒屋さんでお話ししていると少しづつ周りに興味を示してくださる方々が増え聞きます。

 今回はその中の一人、梅田の浅野日本酒店で働くM君が、油長酒造で研修した時に入手したものを私にプレゼントしてくれたものです。

有難う、M君!

 

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“ALPHA 風の森 TYPE 2-K”この上なき華 笊籬採り 油長酒造㈱ 日本酒ピンバッジ

2021-03-15 16:53:28 | 奈良の酒

昨日は、大阪は堂島で開催された「風の森を楽しむ会」に参加しました。

油長酒造の山本社長から「日本清酒発祥の地」奈良のお酒の歴史、「風の森」のお話などを風の森を呑みながらお聞かせいただき、目と耳と舌で楽しむ時間を過ごしました。

油長酒造は、十二代 山本長兵衛が金剛山の奈良県側山麓、御所市鴨神の風の森の飯米「秋津穂」を使用して無濾過無加水生酒を「風の森」として製造開始されたそうです。

油長酒造の風の森ピンバッジです。

紫色は、「ALPHA風の森TYPE 2-K この上なき華 笊籬採り」のノベルティでした。

 

ALPHA風の森は「秋津穂」を原料米とし、「TYPE2この上なき華」は、22%精米、笊籬(いかき)採り(上槽時に酸素に触れる事が少ない技術)で、生酒の飲み頃期間を長くする限定発売のお酒です。

「風の森を楽しむ会」での山本社長の説明の中で、何度か香りを色で表現されていました(例えば、グリーン:メロンやマスカット、イエロー:バナナ、ピンク:ベリー系、ホワイト:ピーチなどをイメージしているとの事でした)ので、「風の森ピンバッジはカラフルなものが多いので、そのカラーと関連しているのですか?」とお聞きしたところ、残念ながら関連性はないとの事でした。コレクターとしては、そのお酒の香りと、ノベルティのピンバッジの色に意味があると面白いと思ったのですが・・・。

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