東京すみっこごはん 雷親父とオムライス 成田名璃子 328頁
を読みました(*ゝω・)ノ 156冊目 ★★★
すみっこごはんシリーズの二冊目。
一作目の唐揚げでは宮下奈都さん風の声優を目指す女友達同士の話。
二作目は筑前煮では奥さんに先立たれた孤独な頑固爺さんの話。
三作目はこの爺さんと優等生の小学生のオムライスをめぐる友情。
そして四作目は大規模開発に狙われたすみっこごはんの地上げの
危機に常連の世話焼きおばさんがシルバー探偵に扮して事件解決に
大活躍します。
このようにこの本ではみんなのすみっこごはんが地上げで消滅の
危機に陥ってしまいますが、そこはお約束。
安心してハラハラしながら?顛末を楽しめます。
成田さんのこれらのおはなしは、しっかりと手をかけて作られた
料理は人の心やこわばりをほぐし、家族や親友のように
親愛の情に人同士を包み込むことが出来るという基本的な理念が
底流に流れています。
この基本構造は実に大したもので、美味しんぼや食べ物小説も
殆ど全てこのテーゼとバリエーションで物語を成立させることが
できます。逆に半端にドラマや物語性を乗せようとすると微妙に
無理矢理感が気になってしまうのです。
今回もその点から言うとやや頑固爺さんのおはなしは盛り過ぎの
印象を受けてしまったのですが、それでも悪人も不幸になる人も
出てこない食べ物小説、というのはやはり心の何処かで強く
希求するものがあるんだなあ、としみじみ思うところがあるので
僕は好きな小説ですし更に続編を希望します。( ^ω^ )
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