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#夏の漫画 ①
「小夜の縫うゆかた」(トーマの心臓3に収録)萩尾望都
望都サンの傑作と言えばトーマの心臓、でありますが、
昔のコミック本にはこっそりと本の後ろにページ数の都合でしょうか
数作の短編が収録されていることがありました。
この作品と僕とはそんな出会いでトーマの心臓の3巻で読みました。
本編ももちろん素晴らしいのですが、最近なぜかこの16ページほどの
短編作品がふとした折に思い浮かびます。
ためしに検索してみると意外に多くの方がこの作品を愛していることが
わかりました。
数年前に母親を亡くした14歳の少女が、この夏は自分でゆかたを縫う
ことを決心して、ゆかたを縫いながら母親に想い出を語りかけるといった
お話しです。
この頃の望都サンのやや太目のペン先で漫画的でありながら
少女の瑞々しい美しさを表現する画面はとても忘れがたいものがあります。
初読時にはとんぼ柄のゆかたって、なにも考えずに赤トンボかあ・・と
思い込んでいたのですが、調べてみるとゆかた柄ではいろいろな色があることが
わかりました。
初夏にゆかたを仕立てるこの設定だと、紺や蒼のこのような生地なんだ、なるほど
これなら良いゆかたになるだろうなあ・・・と今更気付くに至りました。
今年の夏はどこかのお祭りでトンボ柄のゆかたの少女に出会えるでしょうか・・・?
楽しみがまた一つ増えました。
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