1年生のS君
数字も文字もとても綺麗で、優秀な子です。
そろばんもとてもしっかりがんばれます。
でも自分で何をしていいのかがわかりません。
彼にはお姉ちゃんが一人います。
いつもはこのしっかりもののお姉ちゃんがお世話してくれます。
でも近頃お姉ちゃんは部活で忙しくて、一緒に来ることができません。
自分は何をしたらいいのか、自分で考えなくてはいけません。
もちろん「何をしたらいいですか?」と先生に聞くのが一番早いと思いますが、
いつもお姉ちゃんが「これやって」「次はこれだよ」と教えてくれていたので、先生には聞けません・・・ というより、はずかしくって出来ません。
お姉ちゃんがいなくて、心細くて・・・知らないうちに涙がでちゃいます。
先生は知らんぷりしながら、S君が自分から聞きに来るのをまっています。
パソコンのセットが出来なければ、「出来ないからセットして下さい」と言いに来るのを待っています。けっして、S君が言い出すより前に、セットするなんて事はしてくれません。
お姉ちゃんと一緒に来ることが出来なくなってしばらくは、S君は目にいっぱい涙をためていました。でも自分から上手く伝えることが出来ませんでした。
聞くのがちょっぴり恥ずかしくて、怖くて・・
でもなんとなんと本日、しっかり言えるようになりました!!
「パソコンできないのでセットしてください」
「次は何をしたらいいですか?」
きちんと自分で先生に伝えることができました。
一歩前進したね。困ったことやわからない時、泣く前に気持ちを相手に伝えましょう。
それが出来ると、たくさん出来ることが増えていきます。
きっと1年経つと、困っている1年生にいろいろ手助けできるようになるんだろうなぁ
今年の夏には、しっかり者のS君に変身するような気がしています。