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セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団(Vn:金川真弓)

2023年02月20日 | pocknのコンサート感想録2023
2月17日(金)セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団
~第660回 名曲シリーズ~
サントリーホール


【曲目】
1.ベートーヴェン/序曲「コリオラン」Op.62
2.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
Vn:金川真弓
3.シューマン/交響曲第2番ハ長調 Op.61

2年前に初めて聴き、それから僕のなかで注目度がトップクラスのヴァイグレ/読響を聴くのは4回目。今夜の一番のお目当てはシューマンの2番。

まずはコリオラン序曲。グッと溜めたエネルギーを原動力に、前のめりになるほどの推進力で突き進むベートーヴェン。不安におののく様子が緊迫感を伴ってリアルに伝わってくる充実の演奏で快調なオープニング。

続いて、こちらも最近注目度を高めている金川真弓をソリストに迎えてブラームスのコンチェルト。金川のヴァイオリンは今夜も素晴らしかった。色と艶のある音にはしなやかで逞しい芯があり、魅惑的な光を発する。弱音でも痩せることなくピーンと細く張りつめた美音がどこまでも伸びてゆき、強奏するオケと堂々と渡り合う様子も頼もしい。引き締まった筋肉が美しく躍動し、究極の肉体美をほしいままに動き回る。今が旬と言いたくなる魅力がギュッと詰め込まれたヴァイオリンだ。

これに相対するヴァイグレ/読響もエネルギー全開で新鮮な音を迸らせた。第2楽章のオーボエをはじめとする木管アンサンブルも色香を帯びてヴァイオリンを引き立てた。初めて聴くアウアー作というカデンツァも聴きものだった。金川真弓、今夜でまた更に注目度が上がった!次はリサイタルを聴きたい。

後半はお目当てだったシューマン。前半のアクティブな演奏から、骨太で野性的な演奏を期待したが、聴こえてきたのはむしろおおらかで温かみのある演奏だった。読響にしては冒頭の序奏が心もとなかったり、スケルツォが大人しめで物足りなさを感じたりしたが、全体としては情感溢れるたっぷりとした歌をたくさん聴くことができた。第3楽章での慈しみ深い歌が重なり合う場面には特に心惹かれた。ワクワクドキドキはなかったが、心が温かなもので満たされるシューマンだった。

終演後、オーボエ奏者に花束が贈られた。今夜がラストステージかな?あとから、エルダー楽員でオーボエ首席の蠣崎耕三さんのラストステージで花束贈呈があるというお知らせがホワイエに掲示されていたと知った。会員になっているN響も是非こんな風に事前周知してほしい。

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