2018年3月2日(金) こちらでは、オリンピックを観て感じた「疑問」を述べたいが、まずはポジティブな話題から。 シンプルでよかった開会式 開会式は良かった。何がよかったって、短かったのがよかった。開会式は、各国選手団の入場と、オリンピック賛歌、オリンピック旗の掲揚、それに聖火の点灯さえあればいい。出し物はやったとしても、オープニングと選手入場後に1つ2つぐらいあれば十分なのに、近年は回を追うごとにパフォーマンスが凝って大規模になり、えらく時間がかかるようになったのは疑問だった。今回の、シンプルで演出もまずまず面白い開会式は気に入った。 長野オリンピックの開会式は、巨額の放映権料を払う欧米の都合に合わせて、演出効果が高い夕方から夜にやらせてもらえなかったのは悔しかったが、韓国で夜にやったということは、時差がない東京オリンピックの開会式が、真夏の炎天下になることはないだろう。 放送に牛耳られたアスリートたち その放送権料が絡んだ運営については、特に大きな疑問と憤りを覚えた。それは、報道でも度々指摘された点で、アスリートファーストであるべきはずが、欧米の放送時間の都合でそうならなかった点。フィギュアを朝の早い時間から始めて、転倒者が続出したり、ジャンプ競技が日にちを跨いで行われたりしたのが放送の都合だなんて!これは、出場した選手生命にもかかわる重大問題だ。ジャンプ競技が夜の9時半に始まり、風の影響で終了が1時間も遅くなって真夜中にまだやってるなんてあり得ないでしょ。 普通なら風呂入って、暖かい部屋で酒飲んで寛いでいる時間に、酷寒のジャンプ台で長時間待たされて凍えた身体で飛ばなければならない、しかも劣悪な気象条件で!これは選手への虐待ではないか。もし大きな事故でも起きたらどうするんだろう。あの「レジェンド」葛西が「こんなの中止でしょう!」と言ったそうではないか。こんな酷い状況なのに、実況のアナウンサーも解説の原田もどうして「これはやめるべきでは?」とか「ひどいですねぇ」とか、ネガティブなコメントを全く発しなかったのだろうか。権威あるオリンピックには文句は言えない?原田が「これは動きがあるかも知れませんね」と言ったのがせめてもの抵抗だったのかな。世の中、どんなに理不尽なことでも金を持ってる「偉い」奴の言う通りになってしまうのは、アメリカの銃規制が動かないのと同じではないか。 IOCがお膳立てした「茶番」 おかしいと言えば、にわか仕立ての南北融和の演出と女子アイスホッケー合同チーム結成はその最たるものだろう。直前まであれだけ世界中を不信に陥れておいて、美味しいとこ取りでオリンピックを政治利用する「北」のやり方の不条理さは、マスコミが指摘する通りだと思う。一番かわいそうなのは韓国女子アイスホッケー代表チームだろう。意気揚々と「いよいよ出陣!」というときになって、わけのわからない人達が有無を言わさずチームに入って来たのだから。だけど、どんなヘンなことでもやってしまう「北」なら、こんなことは想定内ではないか?あの国がやることにしてはマシな方かも知れない。責めるべきは、こんな茶番を推進したオリンピックの総本山であるIOCだろう。今や強大な権力を握ってしまったIOCには、もはやオリンピックの尊い理念を謳った頃の姿は微塵も残っていないと言ってもいいのでは。 熱戦に背を向けたインタビュー これはそんなに騒ぎ立てることではないのかも知れないが、どうしても気になったことがもう一つある。それは、女子団体パシュート日本チームへのレース後に行われた優勝インタビューだ。オランダチームとの手に汗握る決勝レースを制して見事金メダルに輝いた日本チームは本当に素晴らしいし、カッコよかった。だけど、その優勝インタビューが男子団体パシュートの決勝のスタート直前に始まり、インタビューが始まった直後に熱戦が始まり、金メダルをかける韓国チームへの声援で会場は沸き返った。 そんな注目の決戦に背を向け、自分の声も聞こえづらいなか、大声でインタビューに応じなければならなかった4人は気の毒だった。パシュートのオリンピック決勝なら、この競技に心血を注いできた彼女たちだって、自分たちのためにも観ておきたかっただろうし、こんな熱戦に背を向けさせてインタビューすること自体、滑っている選手たちにも失礼ではないか?そのインタビューの様子はこちらで見られる。今見返してみても、やっぱりおかしいと思う。選手たちだって上の空だったのでは?無神経な報道姿勢に憤りを感じる出来事だった。 2年後は地元東京でオリンピックが開催される。「福島は完全にコントロールできている」という偽りの言葉で誘致が決まったような東京オリンピック・パラリンピックだが、真のスポーツと平和の祭典になってくれることを祈念しつつ、結局解決の糸口が見えてこない「疑問編」を締めるとしたい。 感動と疑問 ~平昌オリンピック~「感動編」 |
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