5月28日(火)
Vn:平崎真弓/Cem:ロレンツォ・ギエルミ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
"ヴェネツィアからドレスデンへ"
王子ホール
【曲目】
1.カステッロ/ソナタ第1番
2.ウッチェリーニ/ソナタ第2番 Op.4-2「幸せなルチミニア」
3.パンドルフィ・メアッリ/ソナタ第2番 Op.3-2「ラ・チェスタ」
4.フレスコバルディ/トッカータ集第2巻~トッカータ第1番:フレスコバルダによるアリア(Cemソロ)
5.ヴィヴァルディ/ソナタ第12番イ短調 Op.2-12
♪ ♪ ♪ 6.ピゼンデル/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調
7.バッハ/ファンタジア イ短調 BWV922(Cemソロ)
8.ヴェラチーニ/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ第12番 ニ短調 Op.2-12
【アンコール】
1.バッハ/ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番 ハ短調 BWV1061~第1曲ラルゴ
2.バッハ/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021~第4曲プレスト
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/9f/5c30df4ce53c13e80d821c8b3b4a1e97.jpg)
後半で使用したジャーマンモデルのチェンバロ(背後はイタリアンモデルの楽器)
去年はベザイデンホウトのフォルテピアノと共に、瑞々しく伸びやかなモーツァルトで魅了した平崎真弓が、今回はロレンツォ・ギエルミのチェンバロとの共演で飛び切り活きのいいイタリアとドイツバロックを楽しませてくれた。プログラムには、普段耳にすることのない作曲家の作品が多く並んだ。そしてどの作品も演奏で命を与えられて生き生きと息づいた。
前半はイタリアバロック。初期のイタリアバロックの作品は即興的な要素が強いと感じたのは、演奏から来る印象もあるかも知れない。音が自由に羽ばたき、音楽が自発的に生き生きと飛び回った。目まぐるしく動き回る速いパッセージを素早く弓を返して一音ずつ刻むことで一つ一つの音に意思が生まれ、更にそれらがフレーズとしてまとまり、ひとつの命となって動き出し、気まぐれに吹く風とか、どこへ向かうか分からない蝶の飛翔のように予測できない動きで聴き手の感性を刺激する。正に今この瞬間、音楽が生まれ出て来たように新鮮でスリリング。パンドルフィ・メアッリという作曲家は殺人を犯した後、消息不明になる数奇な人生だったとプログラムで読み、ジュズアルドのことが重なったせいもあるかも知れないが、メアッリの曲からは何やら不穏な空気が感じられ、最後の嘆きのようなモチーフが心に迫って来た。
ここまでは18世紀のイタリアン・モデルのチェンバロ(マルティン・スコブロネック)を使用していたギエルミは、次のフレスコバルディのチェンバロソロからはオランダのジャーマンモデルのチェンバロ(ヤン・カルスベーク)に楽器を替えた。こちらのチェンバロは、よりクリアで華やかな響きに聴こえた。フレスコバルディから後の曲目では、音楽の構成力が強くなり、それまでとは異なるテイストを楽しんだ。
1曲だけプログラムに入ったバッハの作品はチェンバロ独奏曲。ギエルミは、バッハ若書きの「ファンタジア」でインスピレーションの迸る瑞々しい演奏を聴かせた。その前後のヴァイオリンとのデュオによる2作品は、平崎とギエルミの生き生きとしたコミュニケーションが典雅な調和を醸し出した。平崎は、一弓ごとに音を刻んだ前半とは異なり、レガートを多用して伸びやかなスウィングを感じさせるヴァイオリンで心を躍らせた。最後のヴェラチーニのソナタでは、軽やかで優美な舞いを観ているような気分になった。
平崎は今夜のリサイタルで5本の弓を使い分けたそうだ。それぞれの弓が演奏や響きにどのような変化を与えたかを具体的に聞き取ることは難しいが、多彩な曲目でそれぞれの持ち味が発揮されていたのだろう。アンコールではバッハの対照的な曲を2つ披露してくれて、今夜の多彩なプログラムに更なる彩りが添えられた。
Fortepiano:クリスティアン・ベザイデンホウト /Vn:平崎真弓 2023.5.10 トッパンホール
コンチェルト・ケルン(Vn:平崎真弓) 2014.5.30 紀尾井ホール
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最新アップロード:「繭とお墓」(詩:金子みすゞ)
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コロナ禍とは何だったのか? ~徹底的な検証と総括を求める~
コロナ報道への意見に対する新聞社の残念な対応
やめよう!エスカレーターの片側空け
Vn:平崎真弓/Cem:ロレンツォ・ギエルミ
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3.パンドルフィ・メアッリ/ソナタ第2番 Op.3-2「ラ・チェスタ」
4.フレスコバルディ/トッカータ集第2巻~トッカータ第1番:フレスコバルダによるアリア(Cemソロ)
5.ヴィヴァルディ/ソナタ第12番イ短調 Op.2-12
7.バッハ/ファンタジア イ短調 BWV922(Cemソロ)
8.ヴェラチーニ/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ第12番 ニ短調 Op.2-12
【アンコール】
1.バッハ/ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番 ハ短調 BWV1061~第1曲ラルゴ
2.バッハ/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021~第4曲プレスト
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後半で使用したジャーマンモデルのチェンバロ(背後はイタリアンモデルの楽器)
去年はベザイデンホウトのフォルテピアノと共に、瑞々しく伸びやかなモーツァルトで魅了した平崎真弓が、今回はロレンツォ・ギエルミのチェンバロとの共演で飛び切り活きのいいイタリアとドイツバロックを楽しませてくれた。プログラムには、普段耳にすることのない作曲家の作品が多く並んだ。そしてどの作品も演奏で命を与えられて生き生きと息づいた。
前半はイタリアバロック。初期のイタリアバロックの作品は即興的な要素が強いと感じたのは、演奏から来る印象もあるかも知れない。音が自由に羽ばたき、音楽が自発的に生き生きと飛び回った。目まぐるしく動き回る速いパッセージを素早く弓を返して一音ずつ刻むことで一つ一つの音に意思が生まれ、更にそれらがフレーズとしてまとまり、ひとつの命となって動き出し、気まぐれに吹く風とか、どこへ向かうか分からない蝶の飛翔のように予測できない動きで聴き手の感性を刺激する。正に今この瞬間、音楽が生まれ出て来たように新鮮でスリリング。パンドルフィ・メアッリという作曲家は殺人を犯した後、消息不明になる数奇な人生だったとプログラムで読み、ジュズアルドのことが重なったせいもあるかも知れないが、メアッリの曲からは何やら不穏な空気が感じられ、最後の嘆きのようなモチーフが心に迫って来た。
ここまでは18世紀のイタリアン・モデルのチェンバロ(マルティン・スコブロネック)を使用していたギエルミは、次のフレスコバルディのチェンバロソロからはオランダのジャーマンモデルのチェンバロ(ヤン・カルスベーク)に楽器を替えた。こちらのチェンバロは、よりクリアで華やかな響きに聴こえた。フレスコバルディから後の曲目では、音楽の構成力が強くなり、それまでとは異なるテイストを楽しんだ。
1曲だけプログラムに入ったバッハの作品はチェンバロ独奏曲。ギエルミは、バッハ若書きの「ファンタジア」でインスピレーションの迸る瑞々しい演奏を聴かせた。その前後のヴァイオリンとのデュオによる2作品は、平崎とギエルミの生き生きとしたコミュニケーションが典雅な調和を醸し出した。平崎は、一弓ごとに音を刻んだ前半とは異なり、レガートを多用して伸びやかなスウィングを感じさせるヴァイオリンで心を躍らせた。最後のヴェラチーニのソナタでは、軽やかで優美な舞いを観ているような気分になった。
平崎は今夜のリサイタルで5本の弓を使い分けたそうだ。それぞれの弓が演奏や響きにどのような変化を与えたかを具体的に聞き取ることは難しいが、多彩な曲目でそれぞれの持ち味が発揮されていたのだろう。アンコールではバッハの対照的な曲を2つ披露してくれて、今夜の多彩なプログラムに更なる彩りが添えられた。
Fortepiano:クリスティアン・ベザイデンホウト /Vn:平崎真弓 2023.5.10 トッパンホール
コンチェルト・ケルン(Vn:平崎真弓) 2014.5.30 紀尾井ホール
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