2月23日(金)シューマン 室内楽マラソンコンサート第4部
~国際音楽祭NIPPON 2024より~
東京オペラシティコンサートホールタケミツメモリアル
【曲目】
1.幻想小曲集 イ短調 Op. 88
2.ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op. 47
3.ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op. 44
(アンコール)
♪ クララ・シューマン/3つのロマンス Op.22~第1曲
【演奏】
Vn:諏訪内晶子(3,E)/Vla鈴木康浩(2)、佐々木亮(3)/Vc:イェンス=ペーター・マインツ(2,3)/Pf:阪田知樹(2)、ホセ・ガヤルド(3,E)/葵トリオ(1)<Pf:秋元孝介/Vn:小川響子/Vc:伊東裕>
今年で10年目となる「国際音楽祭NIPPON」(芸術監督:諏訪内晶子)の最後の演奏会は、シューマンの室内楽作品ばかりを集めて足かけ10時間に渡り4部構成で行われる「シューマン室内楽マラソンコンサート」。その締めくくりとなる第4部を聴いた。
トリオ→カルテット→クインテットと、1つずつ楽器を増やしながらシューマンの代表的な室内楽3作品が並んだ。最初は葵トリオによる「幻想小曲集」。葵トリオは変わらぬ安定の演奏でシューマンの抒情をたっぷりと聴かせてくれた。3人のアンサンブルはかっちりと噛み合いながらも滑らかで潤いがあり、歌に溢れている。それぞれの楽曲が美しい佇まいを呈しているのは、楽曲全体を俯瞰しつつ、緻密に音を組み立てている証。このトリオの演奏にはいつも美しい調和がある。
続いてピアノカルテット。各プレイヤーが生き生き伸び伸びと演奏して、お互いオープンな対話を交わすことで、自由度が高くアクティヴな演奏となった。第3楽章では、ペーター・マインツの叙情たっぷりのロマンティシズムが他の3人に連鎖してゆき、うっとりする4重奏に膨らんで行った。
最後はピアノクインテット。5人はアゴーギクを柔軟に駆使させつつ、密度の濃い深い詩情を醸し出した。諏訪内のヴァイオリンは気高く清澄。磨かれた美音でアンサンブル全体が高貴なオーラで包まれているように感じられた。佐々木のヴィオラが、鋭い切り込みから柔らかくて深い歌心まで幅広く多彩な表情を雄弁に聴かせていたのも印象的だった。5人それぞれが多彩な個性を発揮しつつ、意気投合してひとつの音楽を作り上げて行く。アンサンブルは緻密で内面的な深みへと向かい、熱くて完成度の高い演奏を聴かせてくれた。
アンコールで諏訪内のソロを聴けたのも嬉しかった。ガヤルドのピアノとの柔らかくロマンチックな対話による極上のデュオだった。
このマラソンコンサートでは、休憩中にホワイエでロビーコンサートが2回行われ、第4部開始前のコンサートを聴くことが出来た。ここではピアノのガヤルドと、第4部には登場しなかったチェロの佐藤晴真によるデュオで、シューマンがピアノパートを書き加えたバッハの無伴奏チェロ組曲第3番の抜粋版が演奏された。柔らかく躍動するチェロに、ハーモニーを補強する程度の控え目なピアノが加わることで、ふわりとしたおしゃれな香りが放たれた。ロビーコンサート中、ホワイエの各フロアにもお客がびっしり。11時からずっと聴いている人もかなりいる感じで、音楽祭の盛り上がりを肌で感じることも出来た。
アレンジものでシューマンを更に多角的に追求したロビーコンサート
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲演奏会Ⅱ(Vn:諏訪内晶子)2024.1.12 オペラシティ
ブラームス 室内楽マラソンコンサート 2022.3.13 オペラシティ
諏訪内晶子 室内楽プロジェクト 第1夜2021.2.25 紀尾井ホール
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トリオ→カルテット→クインテットと、1つずつ楽器を増やしながらシューマンの代表的な室内楽3作品が並んだ。最初は葵トリオによる「幻想小曲集」。葵トリオは変わらぬ安定の演奏でシューマンの抒情をたっぷりと聴かせてくれた。3人のアンサンブルはかっちりと噛み合いながらも滑らかで潤いがあり、歌に溢れている。それぞれの楽曲が美しい佇まいを呈しているのは、楽曲全体を俯瞰しつつ、緻密に音を組み立てている証。このトリオの演奏にはいつも美しい調和がある。
続いてピアノカルテット。各プレイヤーが生き生き伸び伸びと演奏して、お互いオープンな対話を交わすことで、自由度が高くアクティヴな演奏となった。第3楽章では、ペーター・マインツの叙情たっぷりのロマンティシズムが他の3人に連鎖してゆき、うっとりする4重奏に膨らんで行った。
最後はピアノクインテット。5人はアゴーギクを柔軟に駆使させつつ、密度の濃い深い詩情を醸し出した。諏訪内のヴァイオリンは気高く清澄。磨かれた美音でアンサンブル全体が高貴なオーラで包まれているように感じられた。佐々木のヴィオラが、鋭い切り込みから柔らかくて深い歌心まで幅広く多彩な表情を雄弁に聴かせていたのも印象的だった。5人それぞれが多彩な個性を発揮しつつ、意気投合してひとつの音楽を作り上げて行く。アンサンブルは緻密で内面的な深みへと向かい、熱くて完成度の高い演奏を聴かせてくれた。
アンコールで諏訪内のソロを聴けたのも嬉しかった。ガヤルドのピアノとの柔らかくロマンチックな対話による極上のデュオだった。
このマラソンコンサートでは、休憩中にホワイエでロビーコンサートが2回行われ、第4部開始前のコンサートを聴くことが出来た。ここではピアノのガヤルドと、第4部には登場しなかったチェロの佐藤晴真によるデュオで、シューマンがピアノパートを書き加えたバッハの無伴奏チェロ組曲第3番の抜粋版が演奏された。柔らかく躍動するチェロに、ハーモニーを補強する程度の控え目なピアノが加わることで、ふわりとしたおしゃれな香りが放たれた。ロビーコンサート中、ホワイエの各フロアにもお客がびっしり。11時からずっと聴いている人もかなりいる感じで、音楽祭の盛り上がりを肌で感じることも出来た。
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