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晩秋の奥久慈ハイキング ~袋田の滝と男体山~

2009年12月30日 | 山&ハイキング
 2009年11月23日(月)

11月22~23日の連休を利用して家族で晩秋の奥久慈を訪れた。寒い曇り空となった22日は水戸で講道館を見学したり、水戸藩開藩400年記念で無料運行されていたボンネットバスに乗ったり、奥久慈ではりんご狩りなどして「下界」で過ごし、奥久慈の河鹿園で一泊した翌日、暖かな晴天に恵まれた23日に「天界」の袋田の滝と奥久慈男体山を訪れた。

【袋田の滝】
袋田の滝を訪れるのは15年ぶり2度目。滝を眺めるには入場料を払ってトンネルを歩く。以前は滝を上から眺められる新観瀑台へのエレベータはもちろんなかったが、入場料やトンネルってあっただろうか?

トンネル内は朝の10時前にもかかわらずエレベータに乗る人で長い行列ができていた。その列に並んでいる途中から昔からある下の観瀑台をのぞける。こちらだけなら行列に並ぶ必要はない。

目の前で轟音とともに大量の水を滝つぼへと落とす幅広の姿はスケールが大きくて迫力満点。さすが日本3大名瀑と呼ばれるだけのことはある。

下の観瀑台からは滝の一番上の段は殆ど見ることができない。行列に並んでやっと乗れたエレベータで行った新観瀑台からの眺めは、滝を間近で見れる旧観瀑台に比べ上段へ行くほど滝が奥へ行ってしまうせいで距離ができてしまって、迫力という点では下の観瀑台の方が断然ある。でも下からは見ることができなかった滝の上段まで見渡せて、まだ少し残っていた紅葉に彩られた袋田の滝の全容の良い絵を眺めることができた。


帰り道は滝を側面から眺めながら吊り橋を渡って渓谷の反対側へ出る。紅葉がまだところどころ残っていた。


【男体山登山】
袋田の滝の見学は思ったより時間がかかってしまった。予定していた奥久慈男体山の登山は、事前にサイトで調べた所要時間を考えると完全に厳しい状況となった。でも男体山は是非訪れたい山だったのでコース途中にあるという展望台まで行こう、ということで登山口へと向かった。

国道を下りて行き上小川から滝倉方面へ左折する。しばらくすると紅葉で彩られた岩肌を露わにした男体山と思しき山が目の前に迫ってきた。


登山口は未舗装の細い道を入った神社の脇にあった。さあ、登山開始だ。

道は歩きやすいがけっこうな上り坂がずっと続いた。でも登山道の周辺は広葉樹が多く、ちょうど紅葉が見頃を迎えていてきれい。赤や黄色に色づいた樹々に囲まれた中を歩くのは気分がいい。秋空に映えて紅葉はひときわ色鮮やかだった。




さて、事前にインターネットで調べた情報では道は一般コースと健脚コース分かれることになっているのだが、いつまでたっても分岐に着かない。そのうち男体山の山頂と思われる頂が結構近くに現れた。登山を開始してまだ1時間経っていない。もしこれが本当に山頂なら、無理だと思っていた男体山山頂に行けそうだ。

下山してきた人に訊いたらそれがやっぱり山頂とのこと。分岐もなかったし鎖場もなかった。事前に調べた大円地登山口からの道とは別の道を歩いてきたようだ。でもこれなら30分も歩けば頂上に着けそうだ。

稜線に出ると山頂はもう間近に見えた。ずっと登りだった道が緩やかになり、視界がぐんと広がった。紅葉の錦を織りなす山肌がずっと続いている。抜群の眺望が望めるという山頂に立つのがますます楽しみになる。

実際の山頂は思っていたところよりも少々奥にあった。山頂手前に大円地登山口からの健脚コースが合流して間もなく、男体山山頂(653.8m)に到着した。


時刻は12時50分。登山を開始して1時間20分。小3の下の子も後半は休みが多くなったものの結構いいペースで歩いてこられた。結果的には道を間違えたおかげで奥久慈を代表する男体山の山頂に立つことができてラッキー!うちらが登ってきた登山口は「男体神社登山口」という登山口だったことを後で知った。


奥久慈男体山は600メートルそこそこの標高だが、周囲の山々をすべて眼下に望み、遥か遠くの山並みもくっきりと見える。東側は海まで見えそうな感じで、どこを眺めても遮るもののない大絶景が広がる。



人気の山だけあって山頂は家族連れやカップル、パーティーの皆さんなどで結構賑わっていたが、広い山頂なので場所は十分ある。お湯をわかしてカップラーメンに注ぐ。

山頂の一角に小さな祠があって、その下は断崖絶壁になっている。その祠の直下から崖に沿って色鮮やかな紅葉が帯状に錦のように連なっていてホントに見事!


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山頂で眺めを堪能しつつ、お昼を食べ、コーヒーを沸かし、おやつも食べてゆっくり過ごした。

【下山】
さて、帰りはどの道をたどろうか… 来た道を戻るのが間違いないのだけれど、下りだと滑りやすそうなところもあったので緩やかな「一般コース」を大円地へ下りて周遊コースにするという手もある。問題は登り始めた登山口まで車を取りに行かなければならないこと。山頂で地図を見ていた人に訊ねたら、「1キロそこそこじゃないでしょうか…」と教えてくれた。車道を1キロ歩いて着く程度なら… ということで帰路は一般コースを下りることにした。

3時半に下山開始。下山路からの眺めもいい。日が短いために日差しはもう山肌を斜めに照らしている。


一般コースの下りは傾斜もきつくなく歩きやすい。けれど「健脚コース」の迂回路ということなので距離がどの程度あるかが心配。太陽は徐々に山の端に差しかかっているし…

カエデの紅葉がきれいな谷沿いはもう日陰になってきた。空も夕方の色に… コースの地図が頭によく入っていないのであとどのぐらいで着くかの見当がつけられない。「大円地越」と思われる広場を過ぎてもまだ先は長そうな感じ…

道が針葉樹の樹林帯に入ると途端にあたりは暗くなった。下りが苦手な奥さんのペースが更に遅くなる。4時半を過ぎると空の明かりもみるみる落ちてくる。「秋の日はつるべ落とし」という言葉を実感。山道でどんどん暗くなってくるのはやっぱりとても心細い。

pocknは下の子の手をつないで薄明かりの中を下りる。奥さんがヘッドライトを装着してしばらくするとやっと車道に出た。そこから間もなく歩くと明かりの灯る大円地山荘があった。時刻は4時55分、なんとか真っ暗になる前に下山できた。

山荘の人に神社がある登山口までどのぐらいあるか訊ねると、歩いて15分ぐらいとのこと。山荘はまだ開けているというので、家族にはここでお茶でも飲んでもらっている間に、pockn独り車を取りに行くことにした。

15分ほど歩くと見覚えのある集落に出た。そろそろ登山口かと思ってもう少し歩いてみたが道は真っ暗だし不安になったので、道沿いの家の玄関先にいた人に訊ねると、まだ1キロ以上あるとのこと。15分ぐらいのつもりが、更に15分はかかりそう。。。 それに真っ暗の山間いの車道を歩くのは動物に出くわしそうで怖い。ちょっとビクビクしながら歩いて行くと、後ろから車が来て僕のところで停まった。さっき家で道を訊いた人が乗っていて「乗っていってください」と声をかけてくれた。なんて親切な人だ!お言葉に甘えて登山口の車を停めてあるところまで乗せてもらった。ありがとうございました。

車で山荘に戻ると、心配しているかと思った家族は山荘のご夫婦とすっかり打ち解けていた。もう山荘の営業時間は過ぎているだろうに、気持ちよく待たせてくれてありがたかった。お茶といっしょに自家製の炭酸まんじゅうをいただいた。炭酸系のお菓子はpocknの好物で、温めて出してくれた手作りのまんじゅうは山の懐に抱かれた味わい深さがあった。車に乗せてくれた人といい、この山荘のご夫婦といい、奥久慈の人達からはとても温かい心を感じた。この山荘は築100年以上たっている建物とのことで、屋根の梁といい歴史を感じる家だった。

晩秋の奥久慈で迫力の袋田の滝を見学し、男体山では大展望を満喫し、見事な紅葉と温かい人情に触れた思い出深いハイキングとなった。

【家族連れに最適だった今回のコース】
うちにあった低山コースのガイド本には男体山は「断崖や岩峰があるから家族連れでのんびり歩くというコースではない」と出ていたが、今回たまたま歩いたコース(男体神社登山口~山頂~一般コース経由大円地)なら小学校低学年の子連れでも楽しく歩ける。鎖場好きなpocknとしては次の機会には是非健脚コースを歩いてみたい。

《歩行タイムデータ》
男体神社→(1:20)→男体山山頂→[一般コース](1:25) →大円地山荘

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