8月13日(火)
ミシェル・プラッソン指揮 東京フィルハーモニー交響楽団&二期会合唱団
ミシェル・プラッソン 日本ラストコンサート Au revoir!
~東京二期会プレミアムコンサート2024~
東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
2.ラヴェル/「ダフニスとクロエ」 第2組曲
3.フォーレ/レクイエム Op.48
【アンコール】S:大村博美/Bar:小森輝彦
【アンコール】
♪ フォーレ/ラシーヌ讃歌
ミシェル・プラッソンがどんな指揮者かは知らず、ちゃんと聴いたこともないのだが、著名な指揮者という認識はあった。そんなフランスの老匠が「日本ラストコンサート」と銘打ってフォーレのレクイエムを指揮すると聞けば、以前聴いたミシェル・コルボやジャン・フルネ指揮の時のような、彼岸の境地に達したフォーレクを聴けると期待して出かけたコンサート。
プログラム前半はラヴェルの有名な組曲が2つ。どちらも華美なものを前面に出さず、落ち着いた安定感のある腰の据わった演奏だった。でもやっぱりこれらの組曲には、鮮烈な眩しさが魅力を発する楽曲もあるわけで、そんな曲ではもっと思い切って派手にやって欲しいと思った。
その奥ゆかしさが、レクイエムでは穏やかで平安に満ちた演奏に繋がると期待した。ところがプラッソンが奏でるフォーレクは、老境の名匠から想像していた彼岸の境地とか静謐さとは異なる、もっと人間的で俗っぽささえ感じるエモーショナルなものだった。アグレッシブというほどではないが、天上の音楽というよりは様々な感情が渦巻く人間界のノイズが感じられるというか…
2人のソリストも熱い感情をストレートに表現したオペラチックな歌唱。グレゴリオ聖歌の朗唱のようにとまでは云わないが、もう少し内面的な表現はできないものだろうか。このフォーレクの演奏には合っているかも知れないが… 二期会の合唱は、女声は一人一人の声がリアルに届き、合唱としての柔らかな響きが聞こえなかった一方で、男声は冒頭「入祭唱」のテノールから存在感が薄かった。東フィルは、終始厚みと温かさのある美しい響きを聴かせ、近年の充実ぶりを発揮していた。
アンコールでラシーヌ讃歌をやってくれたのは嬉しかった。人間界から天上にむかって歌う、こちらはエモーショナルな演奏が合っているためか、柔らかさのなかに熱いドラマが凝縮され、合唱とオケが美しく調和した名演だった。
オケと合唱が退場した後も鳴り止まない拍手にプラッソンが再登場した会場は、ひと際大きな拍手に包まれた。
pocknのコンサート感想録について
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その奥ゆかしさが、レクイエムでは穏やかで平安に満ちた演奏に繋がると期待した。ところがプラッソンが奏でるフォーレクは、老境の名匠から想像していた彼岸の境地とか静謐さとは異なる、もっと人間的で俗っぽささえ感じるエモーショナルなものだった。アグレッシブというほどではないが、天上の音楽というよりは様々な感情が渦巻く人間界のノイズが感じられるというか…
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アンコールでラシーヌ讃歌をやってくれたのは嬉しかった。人間界から天上にむかって歌う、こちらはエモーショナルな演奏が合っているためか、柔らかさのなかに熱いドラマが凝縮され、合唱とオケが美しく調和した名演だった。
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