外国でスーパーマーケットに入るのは楽しい。日本では見られない食材や、珍しいお菓子、便利そうな日用品など日本と違う品揃えを楽しむだけでなく、日本との値段の比較や(缶ビールは1ユーロ以下など)、分量(カップのヨーグルトとかとてもデカイ)を比べるのも面白い。
ヨーロッパに来ると僕は必ずスーパーで、日本ではとてつもなく高いチーズ(パルミジャーノや熟成ゴーダなど持ちがよさそうなもの)や珍しいスープやお菓子、カラフルな紙ナプキンや便利なキッチンタオル、シャンプーなどいろいろ物色して小包で日本の家族や自分宛てに送る。
どのスーパーでもチーズの品揃えは羨ましいほど充実している。EDEKAのHPより
そして、備え付けの測りに乗せて買った商品の絵が描いてあるボタンを押すと、プラム2個ならプラム2個分の値段が印字されたシールが出てくるので、それをビニールに貼り付けてカートへ入れる。これはなかなか便利だし、必要な分だけ買えるので無駄にならなくていい。
さて、慣れない外国のスーパーでは欲しいものが置いてある場所を見つけるのに苦労することがある。探しているのはウィーンのakiさんのところで出してもらっておいしかったHolundersirupというニワトコの甘いシロップ。商品を並べているおばちゃんに尋ねてもたいていは「さあ、あたしにはわからないからあっちの人に聞いてみてちょうだい。」と遠くにいる別の係りの人を指差して終わってしまうことが多い。日本みたいにわからなければ知ってるひとに走って聞きに行って、そこまで案内してくれるようなヒトはまずいないのだが、とりあえず近くのおばちゃんに訊いてみると、珍しく商品のあるところまで笑顔で案内してくれた。結局そのシロップは巨大なビンのものしかなかったのであきらめた。
今回もいろいろ買い込んだ。チーズ、スープ、お菓子をどっさり、東京の明治屋でも見かけなくなってしまった瓶詰めのSilberzwiebel(シルバーオニオン)、ミックスベリーのジャム、いろんな種類のハーブティー、缶ビールを少々、キッチンタオルにいろんな柄の紙ナプキン、子供用シャンプー・・・
ドイツを代表するスーパーチェーン店~SPARのHPより~
カートに商品をいっぱい乗せてレジに並ぶ。レジでまず日本と違うところは、レジ台がベルトコンベア式になっていて、そこに自分で買った品を置いていかなければならない。仕切り用の棒が用意されていて、その棒を前の人の品と見分けがつくように自分の品の前に置いて、どんどんカートから商品をベルトコンベアに乗せて行く。もたもたしているとあれよあれよという間にベルトコンベアが動いて行ってしまい、後ろに並んでいる人が自分の品を乗せ始めてしまうのでアセル。
レジの人がバーコードで値段を読ませると、またそれがベルトコンベアに戻され、ガーッツとレジの人のペダル操作で商品はどんどんとレジ台の溜り場へと運ばれて行く。すかさずこれを取って素早く持ってきたリュックに詰めていく。
もちろん袋なんてくれないし、「袋いりますか」なんて訊いてもくれない。袋が欲しければレジにぶら下げてあるやつを自分で取ってそれも商品としてベルトコンベアに乗せなければならない。もちろん袋は有料。リュックには入りきれそうにないのであわてて袋をレジ台に乗せる。その間にもどんどん値段を読ませ終えた商品がベルトコンベアの行き止まりまで運ばれて行く。早くここから商品を取り除かないと次の人の品が合流してしまう。
汗をかいて商品を全部しまい、支払いも済ませる。
"Danke schön, schönes Wochenende!" (“Thank you, have a nice weekend!”)
レジのおばちゃんが人なつっこい笑顔で声をかけてくれた。そう言えば今日は金曜日か。こっちも
"Danke, gleichfalls"(“Thanks, same to you!”)
と返事をする。せかされていた気分がホッと解ける。挨拶するのは店の人だけで、お客はしらんぷりという日本とは違って、こちらはお互いに声を掛け合うところがいい。
後はカートを元あったカート置き場へ運ぶ。何しろそこまでカートを戻さないとカートを取り出すときに入れた1ユーロが戻ってこない。これなら誰でもちゃんとカートを片付けるわけだ。実に合理的。
スーパーの前には整然とカートが並んでいる~ALDIのHPより~
合理的といえば、スーパーでの光景で日本と大きく違うところがある。それはレジ係りの人がみんな椅子に座っていること。ちょうど商品を扱いやすい高さに椅子を調節して、足でベルトコンベアのペダルを操作しつつレジを打っている。これなら長時間の立ち仕事のレジ打ちも比較的楽にこなせる。
ではなぜ日本ではレジ係りの人はいつも立っているんだろうか・・・? と考えると、お客が立っているのに店員が座っているなんて失礼だ、というお客上位の日本的発想以外に理由は見つからない。レジでお客が汗かいてベルトコンベアに乗せられた商品を追いかけるなんてことも日本ではあり得ないだろう。
でもレジを打っている間にお客がどんどん商品を袋に入れていけば早くまわるので、結局はレジの待ち時間も短くなるわけでこれも合理的だ。そして何よりもレジ係の負担軽減は大きい。長時間の突っ立ったまんまの姿勢でいることがいかに辛いかは、演奏会の立ち見席で経験済み。お客がちょっとでも働く側の立場になれば、「店員が座ってるなんて失礼千万!」なんて言えないと思うのだが・・・
日本全国のスーパー経営者の方々、レジ打ちの雇用促進と健康管理、それに早いお客さばきで売り上げを上げるため、レジに椅子を備えてはいかがでしょう?
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ヨーロッパに来ると僕は必ずスーパーで、日本ではとてつもなく高いチーズ(パルミジャーノや熟成ゴーダなど持ちがよさそうなもの)や珍しいスープやお菓子、カラフルな紙ナプキンや便利なキッチンタオル、シャンプーなどいろいろ物色して小包で日本の家族や自分宛てに送る。
どのスーパーでもチーズの品揃えは羨ましいほど充実している。EDEKAのHPより
鎖でつながったカート~EDEKAのHPより~ | 「さあ、たくさん買い込もう!」とスーパーに入ってまず探すのがカートだが、これは入口のカート置き場にピシっと重なって置いてある。それもそのはず、カート同士がチェーンでつながっているのだ。このチェーンを取り外すにはカートにあるコイン置きに1ユーロ硬貨を入れなければならない。細かいお金がないとカートも使わせてもらえないことになる。 |
無事カートを1台取り出して入口を入ると、まず並んでいる商品は日本と同様野菜や果物だ。旬の白アスパラガスも箱ごと置いてあるが今回は宿で調理はできないのでパス。果物を少し買っておこう、とプラムとか小ぶりのリンゴを探す。 果物も野菜も日本みたいにパックにつめられておらず、自分で必要な分だけをビニールに入れる。 | 白アスパラは朝市で買うのが一番おいしいそうだが… |
そして、備え付けの測りに乗せて買った商品の絵が描いてあるボタンを押すと、プラム2個ならプラム2個分の値段が印字されたシールが出てくるので、それをビニールに貼り付けてカートへ入れる。これはなかなか便利だし、必要な分だけ買えるので無駄にならなくていい。
さて、慣れない外国のスーパーでは欲しいものが置いてある場所を見つけるのに苦労することがある。探しているのはウィーンのakiさんのところで出してもらっておいしかったHolundersirupというニワトコの甘いシロップ。商品を並べているおばちゃんに尋ねてもたいていは「さあ、あたしにはわからないからあっちの人に聞いてみてちょうだい。」と遠くにいる別の係りの人を指差して終わってしまうことが多い。日本みたいにわからなければ知ってるひとに走って聞きに行って、そこまで案内してくれるようなヒトはまずいないのだが、とりあえず近くのおばちゃんに訊いてみると、珍しく商品のあるところまで笑顔で案内してくれた。結局そのシロップは巨大なビンのものしかなかったのであきらめた。
今回もいろいろ買い込んだ。チーズ、スープ、お菓子をどっさり、東京の明治屋でも見かけなくなってしまった瓶詰めのSilberzwiebel(シルバーオニオン)、ミックスベリーのジャム、いろんな種類のハーブティー、缶ビールを少々、キッチンタオルにいろんな柄の紙ナプキン、子供用シャンプー・・・
ドイツを代表するスーパーチェーン店~SPARのHPより~
カートに商品をいっぱい乗せてレジに並ぶ。レジでまず日本と違うところは、レジ台がベルトコンベア式になっていて、そこに自分で買った品を置いていかなければならない。仕切り用の棒が用意されていて、その棒を前の人の品と見分けがつくように自分の品の前に置いて、どんどんカートから商品をベルトコンベアに乗せて行く。もたもたしているとあれよあれよという間にベルトコンベアが動いて行ってしまい、後ろに並んでいる人が自分の品を乗せ始めてしまうのでアセル。
レジの人がバーコードで値段を読ませると、またそれがベルトコンベアに戻され、ガーッツとレジの人のペダル操作で商品はどんどんとレジ台の溜り場へと運ばれて行く。すかさずこれを取って素早く持ってきたリュックに詰めていく。
もちろん袋なんてくれないし、「袋いりますか」なんて訊いてもくれない。袋が欲しければレジにぶら下げてあるやつを自分で取ってそれも商品としてベルトコンベアに乗せなければならない。もちろん袋は有料。リュックには入りきれそうにないのであわてて袋をレジ台に乗せる。その間にもどんどん値段を読ませ終えた商品がベルトコンベアの行き止まりまで運ばれて行く。早くここから商品を取り除かないと次の人の品が合流してしまう。
汗をかいて商品を全部しまい、支払いも済ませる。
"Danke schön, schönes Wochenende!" (“Thank you, have a nice weekend!”)
レジのおばちゃんが人なつっこい笑顔で声をかけてくれた。そう言えば今日は金曜日か。こっちも
"Danke, gleichfalls"(“Thanks, same to you!”)
と返事をする。せかされていた気分がホッと解ける。挨拶するのは店の人だけで、お客はしらんぷりという日本とは違って、こちらはお互いに声を掛け合うところがいい。
後はカートを元あったカート置き場へ運ぶ。何しろそこまでカートを戻さないとカートを取り出すときに入れた1ユーロが戻ってこない。これなら誰でもちゃんとカートを片付けるわけだ。実に合理的。
スーパーの前には整然とカートが並んでいる~ALDIのHPより~
合理的といえば、スーパーでの光景で日本と大きく違うところがある。それはレジ係りの人がみんな椅子に座っていること。ちょうど商品を扱いやすい高さに椅子を調節して、足でベルトコンベアのペダルを操作しつつレジを打っている。これなら長時間の立ち仕事のレジ打ちも比較的楽にこなせる。
ではなぜ日本ではレジ係りの人はいつも立っているんだろうか・・・? と考えると、お客が立っているのに店員が座っているなんて失礼だ、というお客上位の日本的発想以外に理由は見つからない。レジでお客が汗かいてベルトコンベアに乗せられた商品を追いかけるなんてことも日本ではあり得ないだろう。
でもレジを打っている間にお客がどんどん商品を袋に入れていけば早くまわるので、結局はレジの待ち時間も短くなるわけでこれも合理的だ。そして何よりもレジ係の負担軽減は大きい。長時間の突っ立ったまんまの姿勢でいることがいかに辛いかは、演奏会の立ち見席で経験済み。お客がちょっとでも働く側の立場になれば、「店員が座ってるなんて失礼千万!」なんて言えないと思うのだが・・・
日本全国のスーパー経営者の方々、レジ打ちの雇用促進と健康管理、それに早いお客さばきで売り上げを上げるため、レジに椅子を備えてはいかがでしょう?
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