9月1日(水)鈴木優人(Org)
東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.バッハ/前奏曲とフーガ ト長調 BWV568
2.バッハ/「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」 BWV645
3.スウェーリンク/「天にまします我らの父よ」
4.バッハ/クラヴィーア練習曲集第3巻~「天にまします我らの父よ」 BWV682
5.メンデルスゾーン/オルガン・ソナタ 第6番 ニ短調 Op. 65-6
♪ ♪ ♪ 6.バッハ/トッカータとフーガ ニ短調BWV565
7.ブクステフーデ/前奏曲ハ長調 BuxWV137
8.ブクステフーデ/コラール「いかに美しきかな、暁の明星は」 BuxWV223
9.バッハ/パッサカリアとフーガ ハ短調BWV582
【アンコール】
1.バッハ/クラヴィーア練習曲第3巻~「天にまします我らの父よ」BWV683
2.バッハ/小フーガ ト短調BWV578
BCJの首席指揮者を務める鈴木優人が、BCJの本拠地のひとつである東京オペラシティコンサートホールでオルガンリサイタルを行った。プログラムは、バッハとバッハが影響を受けた&与えた作曲家の作品で構成され、超有名曲から初めて聴く曲まで多彩な作品が並び、興味深く時に笑いも誘うトークを交えながらの楽しいリサイタルとなった。父君のリサイタルよりリーズナブルな料金設定も嬉しい。
鈴木はオーケストラを指揮するとき同様に、作品によって異なるアプローチで多彩な表現を聴かせてくれ、アグレッシブな表現はオケのとき以上に攻めの姿勢が伝わってきた。
冒頭のバッハの前奏曲とフーガで、溌剌とした息遣いの躍動する音楽を聴かせたあとは、コラールを使った作品を4曲演奏。同じコラール「天にまします我らの父よ」を使った3曲は、時代が異なる3人の作曲家による作品が演奏された。バッハが影響を受けたというスウェーリンクはバッハより100年も前の作曲家だが、斬新なハーモニーと躍動するリズムがとても印象的。メンデルスゾーンのソナタは、曲中にフーガを採り入れるなどバッハへの傾倒が伺える一方で、メンデルスゾーンらしい柔らかなテイストが鈴木の音栓の選択により淡い色彩を醸し出していた。
後半はおなじみの「トッカータとフーガ」で始まった。オルガンコンサートで度々演奏されるので正直「またか」と思ったが、「トッカータ」のタイトルに相応しい、その場で今まさに生まれたような即興的な音が疾風のごとく駆け抜け、初めて聴くような新鮮な気持ちでワクワクしなら最後まで聴くことができた。この曲は演奏によっていかようにも姿を変えることができる、ヴィヴァルディの「四季」にも通じる音楽なんだと、鈴木の演奏から感じることも出来た。
続いてはバッハが敬愛していたというブクステフーデの作品。バッハがブクステフーデの演奏を聴くためにリューベックを長期間訪れたという話は有名だが、優人さんがMCで紹介した、ブクステフーデから「自分の娘と結婚してずっとここに居なさい」と云われた」、という話は初耳。そんな話があったなんて!そのブクステフーデの作品も即興性に富み、生き生きとした息遣いがリアルに伝わってきて、「北ドイツ的な質実剛健」という僕のこの作曲家へのイメージに新たな認識が加わった。
リサイタルの締めは「パッサカリアとフーガ」。圧倒的な音圧で重厚に迫ってくるイメージの音楽だが、鈴木の演奏は定旋律の存在感をしっかりと聴かせながら、各声部がしなやかに息づき、呼応し、生命力がみなぎる。そして締めにふさわしい堂々としたエンディングを築き上げた。
アンコールで弾いてくれた小フーガト短調は、小学校の音楽の授業から親しんでいる僕にとってはバッハの原点のような曲で、これがまた攻めの姿勢の演奏で、盛り上がった気分が更に高まった。鈴木のオルガニストとしても並外れた実力を存分に示したリサイタルとなった。
鈴木優人 指揮 NHK交響楽団 (2021.1.28 サントリーホール)
鈴木優人 指揮BCJの「ロ短調ミサ」 (2020.9.20 東京オペラシティ)
#文化芸術は生きるために必要だ
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2.バッハ/「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」 BWV645
3.スウェーリンク/「天にまします我らの父よ」
4.バッハ/クラヴィーア練習曲集第3巻~「天にまします我らの父よ」 BWV682
5.メンデルスゾーン/オルガン・ソナタ 第6番 ニ短調 Op. 65-6
7.ブクステフーデ/前奏曲ハ長調 BuxWV137
8.ブクステフーデ/コラール「いかに美しきかな、暁の明星は」 BuxWV223
9.バッハ/パッサカリアとフーガ ハ短調BWV582
【アンコール】
1.バッハ/クラヴィーア練習曲第3巻~「天にまします我らの父よ」BWV683
2.バッハ/小フーガ ト短調BWV578
BCJの首席指揮者を務める鈴木優人が、BCJの本拠地のひとつである東京オペラシティコンサートホールでオルガンリサイタルを行った。プログラムは、バッハとバッハが影響を受けた&与えた作曲家の作品で構成され、超有名曲から初めて聴く曲まで多彩な作品が並び、興味深く時に笑いも誘うトークを交えながらの楽しいリサイタルとなった。父君のリサイタルよりリーズナブルな料金設定も嬉しい。
鈴木はオーケストラを指揮するとき同様に、作品によって異なるアプローチで多彩な表現を聴かせてくれ、アグレッシブな表現はオケのとき以上に攻めの姿勢が伝わってきた。
冒頭のバッハの前奏曲とフーガで、溌剌とした息遣いの躍動する音楽を聴かせたあとは、コラールを使った作品を4曲演奏。同じコラール「天にまします我らの父よ」を使った3曲は、時代が異なる3人の作曲家による作品が演奏された。バッハが影響を受けたというスウェーリンクはバッハより100年も前の作曲家だが、斬新なハーモニーと躍動するリズムがとても印象的。メンデルスゾーンのソナタは、曲中にフーガを採り入れるなどバッハへの傾倒が伺える一方で、メンデルスゾーンらしい柔らかなテイストが鈴木の音栓の選択により淡い色彩を醸し出していた。
後半はおなじみの「トッカータとフーガ」で始まった。オルガンコンサートで度々演奏されるので正直「またか」と思ったが、「トッカータ」のタイトルに相応しい、その場で今まさに生まれたような即興的な音が疾風のごとく駆け抜け、初めて聴くような新鮮な気持ちでワクワクしなら最後まで聴くことができた。この曲は演奏によっていかようにも姿を変えることができる、ヴィヴァルディの「四季」にも通じる音楽なんだと、鈴木の演奏から感じることも出来た。
続いてはバッハが敬愛していたというブクステフーデの作品。バッハがブクステフーデの演奏を聴くためにリューベックを長期間訪れたという話は有名だが、優人さんがMCで紹介した、ブクステフーデから「自分の娘と結婚してずっとここに居なさい」と云われた」、という話は初耳。そんな話があったなんて!そのブクステフーデの作品も即興性に富み、生き生きとした息遣いがリアルに伝わってきて、「北ドイツ的な質実剛健」という僕のこの作曲家へのイメージに新たな認識が加わった。
リサイタルの締めは「パッサカリアとフーガ」。圧倒的な音圧で重厚に迫ってくるイメージの音楽だが、鈴木の演奏は定旋律の存在感をしっかりと聴かせながら、各声部がしなやかに息づき、呼応し、生命力がみなぎる。そして締めにふさわしい堂々としたエンディングを築き上げた。
アンコールで弾いてくれた小フーガト短調は、小学校の音楽の授業から親しんでいる僕にとってはバッハの原点のような曲で、これがまた攻めの姿勢の演奏で、盛り上がった気分が更に高まった。鈴木のオルガニストとしても並外れた実力を存分に示したリサイタルとなった。
鈴木優人 指揮 NHK交響楽団 (2021.1.28 サントリーホール)
鈴木優人 指揮BCJの「ロ短調ミサ」 (2020.9.20 東京オペラシティ)
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