Il me dit des mots d’amour,
des mots de tous les jours
et ça me fait quelque chose.
何故、街と家が在るのか。
何故、夜は戾ってゆくのか。
Il est entré dans mon cœur
une part de bonheur
dont je connais la cause.
「こんにちは」
ぱちん、 薔薇の枝葉を 切り落とす
彼の手は 時を止め 声のする方を 見上げる
「やあ。」
昨日今日 あったひとに 挨拶するかのような
かわらない あのひとの声
「いらっしゃい」
はりつめていたものが あまりに大きくて
私は 何もいえず 咄嗟に いつものつくり笑いで 誤魔化した
「・・・・・・いいお天気ね」
気の利いた事も 言えなくなった唇は
あたりさわりのない言葉しか 口に出来ません。
・・・ ばか。恥しくなって 下を向く。
ばか。ばか。私のばか。
ヤートーセ ヨーイワナーセッチャ
「全くいい天気だ」
間近の声に びくりと 顔を上げると
遠くにいたはずの彼が
にっこり笑って 私のすぐ 目の前に 立っていました。
キタカサッサ ドッコイナ
私を 見つめる あの目。
彼は 逃げない。
そして のぞむものを 決して 逃がさない
キタカサッサ
キタカサッサ ドッコイナ
あのときと 同じ まっすぐの
あかい眼差しの貴方は・・・・・・
yama『カーテンコール』
朝五ツ
今日も また
薄明のそらを 繰り返す
シンボルの輪郭にさまよう 赫い日が昇る
ニンゲンを 詰めるだけ詰め込んだ 列車が
次々 ホームを離れ
窓のない 空きビル一面に見せかけた
ねずいろの 壁を 通り抜けていった
テ イ ト ウ テ イ ト ウ
てい とう てい とう
<見るはたらき>を 離れても、離れなくても、
<見る主体>は 存在しない。
次第に 熔けてゆく
乗客も オレの顔面も ついの日月も
モラルを呑み込む 溜息へ 転調してゆく
私は ただの 殉教者 だったら 宜かったんだろうか
<見る主体>が 存在しないから、
<見られるもの>も、
<見るはたらき>も、ともに 存在しない。
つゆ草の あわい花弁 に
どれくらい 見入っていたでしょうか
カラカラ 引き戸が開いて あのひとが 戻って見えました。
何も 言わず 彼は 私を見つめ
私も 突っ立ったまま、じっと 彼を 見つめる。
ヤートーセ ヨーイワナーセッチャ
ふいに ありありと
あの ひの情景 が 私の肌のうえに よみがえります
Strangers In The Night
母と 父とに 縁って 子が 生まれると いわれるように、
眼と色と かたちとに 縁って 認識作用(識)が 生ずると説かれる。
「神」「愛」「真実」 をうたい
「全部、と想えない人達」 と
宣い、「すべて」を 言葉で 教え説ける
よき人 、聖霊、神の子をカタリ
さとり、覚醒者の イイには 非言語の表現が まずない。 出来ない。
彼らは 言語で
「物事」を わからせ、教えられるらしい。
ぺらぺら ヨク語る。 じしんの言葉を 信じている
どうしょうもない。 アリふれた 見栄坊である。
自己陶酔に 耽る ただの 出来そこない だ。
「西行の和歌における、
宗祗の連歌における、
雪舟の絵における、
利休が茶における、其 貫道する物は一なり」と 芭蕉の 言う
言語を超える次元、
言語のない 非言語の 「ロゴス」 を 感得してイない
彼らの言動には 言語を超える 「 あ る 」レトリックが ないのだ。
ゴ・ジシンの言葉を よく
「観る」といい
独 自 の スタイル や 詩 が ない
練られた 思索 ないし 論理 が ない。
こころないが故に 行間 は なく むげんを 表現できない。
まことでないが故に 論理破綻した 畸形の 道理 を 説いて見せる。
AI キカイ人間 に 等しい 定型慣用句、定型思考の
イイなり だ。
イイ言葉 は 主体者の 煩悩「シタイ」を よく晒す モノ。
言語で かたれる 真理真実、
言語で わかる タグイの「見性」「一瞥」「覚醒」「真理」なる 「ち」 とは
畢竟 現象の下位次元、身体頭脳レベル の 悟りである。
ヨウは 専門知識を 詰め込み、
読書きを よく学べば 「ヨイ」だけのハナシ。
誰でも ソレなりに出来る「体験」であり ソレなりの 経験知 だ。
Frank Sinatra - Fly Me To The Moon (Live At The Kiel Opera House, St. Louis, MO/1965)
揃うた揃うたよ 踊り子揃うた
稲の出穂より ササなお揃うた
「どうして」
あのひとと わたしは
ここまで 深く 繋がってしまったのでしょう
わたしは ひとりで よかった。 ひとり でいいの。
彼も わたしも
現実の中で いきていた ひどく 醒めた 人間だった。
それで 充分。 わたしは しあわせだった・・・・・・。
言語は 現象カイに 属する ジガの
道具 だ。
言葉を「かい」し「カイ」するほど
(そのもの)から
分離分割 する。 (そのもの)から 遠ざかる
道理
人の指を以って 月を指し、
以って 惑者に示すに、惑者は 指を視て、月を視ず で ある。
同じ
道具 に 懸想し続け
同じ位相ばかり 説けるものは
カイの悟り「シヨウ」すら 習得していない。
(よしあし)(善悪)(絶対)(全一)の
イイなり言語に 「イジョウ」に
ヨク執着 しているだろう。
それ故 「同じ」イイ成り言語に 執着した
「同じ」論理破綻した理による 「同じ」 ひとつのイイ形態、
「同じ」レベルの キョウダイ 縁者
「同じ」次元の 人間 だけ しか 関わらない。関われない。
「同じ」で なければ 理解しない。理解できないのだ。
「違い」が 分からない。分かれない。
ゆえに
「同じ」 チイ に 固執せざるを得ない。
<見られるもの>と
<見るはたらき>とが 存在しないから、 識などの 四つ
( 識のほか、感官と対象との接触〔触〕、感受作用〔受〕、盲目的衝動〔愛〕 )は 存在しない。
故に 執着(取)などは 一体 どうして 存在するであろう。
(理解する)(分かる)
(言語を解する)コトとは 同じ 「い」と「ち」がある 所以
ミかたを 変えれば、「同じ」 業因 が あって出来得る 「マ」こと と 言えないか。
Mariage D' Amour ... Richard Clayderman
業因 は 種々 多次元にわたり 存在している。
易々 解けるモノではない。また とき過ぎても いけない。
高次元に なればなるほど
その次元の 事象、業因 は 現象する時空間の我々から 観れば
かぎりなく ゼロ に 近い 無知の「ち」と よばれる境地と 考えられる。
<聞くはたらき><嗅ぐはたらき>
<味わうはたらき><触れるはたらき>
<思考作用>も、また<聞く主体><聞かるべき対象>なども、
<見るはたらき>について〔論ぜられたことを適用して〕同様に 説明されると 知るべきである。
龍樹「根本中頌」/中村元「龍樹」講談社学術文庫より
無知の「ち」は
言葉であって 言葉に非ず
(そのもの)を 生きておらねば 生じない 真実 だ。
ホラ 時勢はどうでも 世間はなんでも 踊りコ 踊らんせ
アーソレソレ 日本開闢 天の岩戸も 踊りで 夜が 明けた
しんの覚者は 仮想現実空間、媒体 を 要さずとも
スピリチュアル、精神世界の にんげんのみならず
非スピリチュアル、非精神世界の にんげんをも 感化 感得 させ得る
番外の存在 「 道 化 」
キタカサッサ キタカサッサ ドッコイナ
「一即多」「多即一」 を 同時に 体 現 する 彼のひとは
神であり 神でなく
魔であり 魔でない 唯一無二の自分、ただの人間 を よくいきてしぬ。
ただ、それだけの 「ま」コト に すぎない。
『火口のふたり』予告編
日 に 焼けた鼻梁
つるんと すべらかだったお顔は ずいぶん 引き締まって
以前にはなかった やわらかな 口許の皺
老成した内面に 似つかわしい
すうっと 切れ長の目 ながい白いものの雑じる
「髪、ずいぶん伸びたんですね・・・」
被っていた 麦わら を ついと 彼に差し出しました。
「・・・・・・貴方の髪は 短くなった」
「もう、伸ばす必要が ないんです。」
あのひとの目に ふっと 火 が 灯る。 『 ・・・・・・目が覚めると、 私は ひとりだった。
腕の中の彼女は おらず
霧のような 白い布が 私の身体を 覆っている。
夜が明けた。
私たち ふたりの夢は 終わった。
もう二度と 彼女と 会うことはない。
帰ろう。私のいるべきところに。 私を待っているひとがいる。
かえろう。 かえらなければいけない・・・
朝。
ひどくまぶしい。朝だ。
思わず 目を眇める。
あかるい 白々しい現実の世界に よるの夢は 何ひとつ 要らない・・・・・・。
薔薇の香のする しらきぬを かき寄せ 抱きしめる。
夢。 終わらない愛も 夢は夢だ。
目を閉じる。
何度も 何度も
私のヒを 深々のんで 受け入れてくれた まどかな 裸身 のひとよ
喜びも
悲しみも
抑えられない 劣情も この涙も
あなたが くれた
あい このひとときの ぬくもりを
私は 決して 忘れない。
幸せな夢を ありがとう。
僕は 僕の 現実 を いきます。
さようなら。
白薔薇 のひと。 さようなら。 幸せに いきてゆきます。 』
語られることのない あのひとからの
The fish storyⅢ「蝶を夢む」 「彼」を のぞむ あなたへ。
Gabriel Fauré-『Après un rêve』:フォーレ『夢のあとに』
あのひとは 被っていた麦わらを 私の頭に乗せ
いま来た道とは ちがう
けもの道 のような 道へと 歩き出しました。
ホラ 高い櫓の絵灯籠が灯って
音頭が湧き出れば アーソレソレ
川原田の方から 月が出てきて 雲から覗いてる
そして夢をみた
また捨てた武器の
見る限り生えつづいている稲の海と
密生した渦のしたの一点に
死んだ兵士の心に似て深く
埋まっている地中の武器を
闇のうちに見た おれの
永遠の非合理の形とそれへのたたかいを
否定と恋着にのたうつ
終夜にまた入っていった
キタカサッサ キタカサッサ ドッコイナ
その後ろを 追いかけて 私も
その 道なき道 を ゆっくり 下りてゆきます。
ヤートーセ ヨーイワナーセッチャ
ぴぃーーひょろぅ どこか遠くで トビが 鳴いてる
ぴぃーーひょろぅ ひとは みな 自分の意志 で
来たみちを 降りてゆかねばなりません。
今宵一夜は 力の限り 踊れ東の ササ白むまで
「最後に会った あの夜の約束を 覚えている?」
ひたむきな あのひとのお顔を
まともに見れず、こくんと 頷き 目を伏せる。
一言一言ごと
熱を帯びていく 彼の言葉が
私の纏うガードを 一枚いちまい 解いていく