オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー USチャート 2023年8月

2023-08-29 | チャート・レビュー (US)

 

今年のポップ・ミュージックのヒット曲について、

コラボによるヒットがほとんどないことに気がついた。

原曲に新たに別のアーティストを加えるリミックスも、テイラー・スウィフトの "Karma" くらい。

確認してみたら確かに去年も少なかったけど、今ほどではない。

個人的にはどちらかというとソロ・ソングのヒットの方が好きなので、嬉しい傾向です。

 


 

8月の全米シングル / アルバム・チャートについて、

それぞれ活躍したアーティストを数名取り上げ、彼らの活躍を振り返ります。

また、そのうえで8月の両チャートの特徴をまとめようかなと思います。

ところで、夏は音楽消費が最も盛んになる季節なのでしょうか。

「ソングス・オブ・ザ・サマー」というチャートも毎年この時期に発足するし...。

自分は年中同じペースで洋楽を聴いているので、よく分かりません。

 

<シングル・チャート>

1.デュア・リパ

 現在『バービー』という映画が大ヒットしていますが、『バービー』はサウンドトラックも大ヒットしています。そのうちの一つがデュア・リパによる "Dance The Night" で、映画公開前に一番早く先行公開された楽曲でした。映画公開前はチャートのTop40レベルでヒットしていましたが、7月に公開されてからはチャートを急上昇しヒットのレベルを更新。瞬く間にTop10入りし最高7位まできました。デュア・リパはデビュー・アルバム『デュア・リパ』から "New Rules"、セカンド・アルバム『フューチャー・ノスタルジア』から "Don't Start Now"、"Levitating" がTop10入りしていたので、自身のソロ・シングルとしては4曲目のTop10入りで、エルトン・ジョンとのコラボ "Cold Heart ( PNAU Remix )" を含めると5曲目です。何の映画だったかは忘れましたが、彼女は2019年にも "Swan Song" というサントラが出ていましたね。🦢

 

2.ニッキー・ミナージュ

 これも『バービー』のサントラで、ニッキー・ミナージュとアイス・スパイスとアクアがコラボした "Barbie World" が大ヒット中です。このうちアクアについては、コラボしたというよりクレジットに加えられたといった方が正しいですね。アクアはデンマーク出身のポップ・バンドで、1997年にバービー人形の世界を歌にした "Barbie Girl" という曲が大ヒットしてデビューしました。なお、これは公式の何かのテーマ・ソングだとかコラボ・ソングだとかいうわけではなく、当時は公認もされていなかったみたいです。ただ、それから26年後の今年、公式は映画のサントラ "Barbie World" でこの "Barbie Girl" を一部使用。メインで歌っている(ラップしている)のはニッキーさんとアイスさんですが、そのバックで "Barbie Girl" がずっと流れています。使用しただけでなく、アーティストのクレジットにもしっかりアクアをクレジットさせているので、もうギスギスした感じはなくなったといえるでしょう。全米・全英でTop10入りし、上位キープ中です。

 

※原曲、聴き覚えありました。どっかで絶対聴いたことある...。

 

3.ビリー・アイリッシュ

 さらにこれも『バービー』のサントラ!ビリーさんのバラード "What Was I Made For ?" がチャートTop20入りしています。そもそもサントラの参加アーティストが豪華すぎるんですよね...、順々に参加者が発表されていったのですが、知らない人は前述のアクアしかいませんでした。アクア以外はほとんど今が旬の若手で、他にもピンクパンサレスや Fifty Fifty、リゾなどがいましたし、男性アーティストもザ・キッド・ラロイという大型の若手が参加してました。...正直に言います。映画のことを調べるまで、私は「バービー」って何?...って感じでした。聞き覚えある単語ではあるものの、何のことか知らないし調べたくなるほど興味もなかった時期がつい最近まであります。やばいですかね?これ...。ついでに、「パワーパフガールズ」もつい最近知りました。アニメのイラストは知っていたし、なんならゲームも幼い頃やってた記憶があるけど、「パワーパフガールズ」っていうのか...って。いろんなことに興味を持つのって、大事ですね。💧

 

4.ベイリー・ジマーマン

 デビュー・アルバム『リリジャスリー. ザ・アルバム』からサード・シングル "Religiously" がチャートを上昇し今月Top20入り。Top20入りはセカンド・シングル "Rock And A Hard Place" から2連続です。デビュー・アルバムから2曲もTop20入りするのはカントリー・アーティストではモーガン・ウォーレンとギャビー・バレット以来で、オールジャンルで見てもすごいことです。"Religiously" はそれまでのシングルに比べるとちょっと劣るかな~と思ってしまいますが、カントリーの新時代の若手としてベイリーさんは応援したいですね。新曲のチャート・アクションも、どうなっていくのか気になります。☁

 

<アルバム・チャート>

5.ポスト・マローン

 前作から1年ほどで早くも5thアルバム『オースティン』をリリース!『オースティン』は、先行シングル "Chemical"、"Mourning" がヒットしていました。そのため、アルバム・チャートでもモーガン・ウォーレンに打ち勝って1位をとれるのではないかと思っていましたが、運悪くトラヴィス・スコットとアルバムのリリース週が重なってしまいましたね...、モーガンさんには勝てたものの、トラヴィスさんには負けて2位でした。これの一つ前の記事でポスト・マローンについていろいろ書いていたのでここではあまり書くことがないのですが、アルバム・チャートの成績に関しては、1st『ストーニー』、2nd『ビアボングス & ベントレーズ』、3rd『ハリウッズ・ブリーディング』時代はリリース後1年以上同チャートの上位にとどまり続ける脅威のロング・ヒット・アクションを見せていたのが、去年の『トゥエルブ・カラット・トゥースエイク』や今年の『オースティン』はあっという間にTop10から抜け落ちてしまっていて、時代の変遷がちょっと寂しいです。仕方ないとはいえ。

 

6.トラヴィス・スコット

 ポスト・マローンとリリース週が重なったことで、アルバム・チャートの1位は激戦になるかと思いきや、ふたを開けてみたら結果はトラヴィスさんの圧勝でした。チャート上では1位と2位で僅差のようにも見えますが、順位を決める総合ポイントは、トラヴィス・スコットがポスティの4倍!ポスト・マローンのポイントも決して少なくないので、つまり今回はトラヴィス・スコットが化け物でした。何がすごいって、普通ヒップホップ・アクトはアルバムをストリーミング(Amazon Music、Spotify などのサブスク)で流行らせてポイントにしていこうとするのですが、トラヴィス・スコットはラッパーが弱いとされるセールス戦略も大胆に行ったのです。CDやカセットなどのフィジカル媒体もラインナップを充実させ、プロモーションしたかたちですね。ラッパーの中で、近年では最も精力的にセールス戦略を実施し、かつ成功させた例なのではないでしょうか。これのおかげもあって、当アルバム『ユートピア』は3週連続で1位を維持しています。同じく3週の1位を記録した前作『アストロワールド』(2018) がピークのようにも思えたけど、誤解だったかな?🎡

 

7.NewJeans

 デビュー・アルバム前のEPの段階で全米1位!!2枚目のEP『Get Up』が今月1位をとった、K-Popアイドル NewJeans です。思えば Stray Kids もEPで何回か1位をとってきてるので、K-Popアーティストではこれはもはや珍しくない現象なのかもしれません...が、それ以外のアーティストではまだまだ非現実的なチャート・アクションです。恐るべし...。NewJeans はK-Popアーティストにしては珍しくストリーミングで世界的な人気を獲得したグループで、個人的にはストリーミング主導のK-Popアクトを初めて見たのでけっこう注目していました(普通はセールス主導)。それで、アルバムもやはりストリーミング主導だったのかというと、実はそうでもなかったですね。他のK-Popアーティスト同様セールス戦略に主に力を入れたこともあり、ポイントはセールス >ストリーミングでした。売上によるポイントが、再生回数によるポイントを結局上回ったわけで、イレギュラーな結果を少し期待してた分残念ではありましたが、ストリーミングも比較的強くはあって、それもあって1位がとれたのかなと思います。K-Popの女性グループの1位は去年のBLACKPINK以来、2例目。まさかこんなに早く2例目が来るとは思いませんでした。🐰

 

2023年8月・チャートの総観(まとめ)

シングル・チャート・・・『バービー』のサントラがさらにチャートを上昇!勢いに歯止めがかからない!! & トラヴィス・スコットの新作が大規模チャート・アクションを久しぶりに起こした!

アルバム・チャート・・・ NewJeans、トラヴィス・スコット、『バービー』のサントラ、ポスト・マローンがモーガン・ウォーレンを超えたことにより、彼の1位独走はようやく終わりが見えてきた説!代わりになるのはおそらくトラヴィス・スコットかテイラー・スウィフト!

 


 

ソロ・ソングのヒットが好きな理由。

より、ヒットがリアルだと思えるから。

ゲストの力とか、コラボの話題性で売れたとかじゃなくて、何ていうか、

より、そのアーティストの実力で売れたって感じがある。だから好き。

 ...今月は以上です!読んでくださった方ありがとうございました!来月も頑張ります! 

 



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