オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー UKチャート 2022年4月21日付

2022-04-18 | チャート・レビュー (UK)

 

最新のUSチャート・レビューの更新が間に合いそうになかったので、諦めました。

なので、諦めた分のUSチャート・レビューを一行で終わらせます。

レッチリ、最高!!!

 


 

  title artist
1 As It Was Harry Styles
2 First Class Jack Harlow
3 Starlight Dave
4 Baby Aitch, Ashanti
5 Go Cat Burns
6 Peru Fireboy DML, Ed Sheeran
7 Where Are You Now Lost Frequencies, Calum Scott
8 Make Me Feel Good Belters Only, Jazzy
9 Bam Bam Camila Cabello, Ed Sheeran
10 Where Did You Go Jax Jones, MNEK

 

(コメント)

> ハリー・スタイルズが先週の初登場から2週連続の1位!新曲のリリースは知っていましたが、その威力を油断していました。遡ってみればハリー・スタイルズのニュー・アルバムからの先行シングル第一弾はいつも威力が強くて、それに該当する Sign Of The Times (2017)、Lights Up (2019) はそれぞれ初登場の順位が全英1位、3位でした。したがってこの As It Was の1位はソロ2曲目の大成功ですが、Sign Of The Times と Lights Up は初登場の翌週どちらもガクンとランクダウンしているので、2週目の1位は初、より価値の高いナンバー・ワンです。そうか、イギリスにはこの人もいたか...と思い出すことになりました。

> ジャック・ハーロウ!?まだ聴いていないので言えないことは多いのですが、ジャック・ハーロウって、本国アメリカやカナダが主戦場のイメージ。彼は米国出身のラッパーで、イギリスでは2020年に全米2位の大ヒットとなった Whats Poppin も結局Top10入りしませんでした。そんなジャック・ハーロウが短期間でイギリスでの株を上げたのには、ゲスト参加したリル・ナズ・Xの Industry Baby (2021) の大ヒットがあるかもしれません。ともかく、全英2位はびっくり イギリスで2位なら、アメリカではほぼ100%Top3入りするでしょう。

> 3、4位は地元の大人気ラッパー2名。今週3位、デイヴの Starlight は初登場から4週連続で1位を記録しましたが、強力な新曲が2つ上に来てもう1位には戻れなそうです。ここだけの話、Starlight は日本では絶対売れなそうなラップ・ソング...コアなヒップホップ・ファンしか楽しめなそうな曲だと思いました。...でも、グローバル・チャートでは意外と好調?!

> 今週4位、Aitch の Baby feat. アシャンティ については前回のUKチャート・レビューで誤った情報を述べていたかもしれません、ごめんなさい。ゲスト扱いになっているアシャンティは2000年台前半に大ブレイクした女性R&Bシンガーで、当時のヒット曲の一つが Baby という曲でした。それを2022年に Aitch という英ラッパーがリミックスしたのがこの曲です。過去の誰かの大ヒット曲を現代のDJがリミックスし、ダンス・サウンドに変えて大ヒットさせることは最近よくありますが(今週11位の曲がそう)、ラッパーによるリミックスは珍しいです。なお、リミックスと似た概念にサンプリングがありますが、リミックスの方がより他人の曲を使っていて(ベースにしている)、オリジナリティの薄い音楽になります。

> 次の Cat Burns と8位の Belters Only が、今週のTop10では新人ですね。聴いたところ Cat Burns さんはポップ・シンガーで、Belters Only はEDMデュオっぽいです。Cat Burns って、名前すごいですよね...、由来は分かりませんが。そして Belters Only の Make Me Feel Good はもう2か月以上もTop10をキープしているロング・ヒット!1つ上のロスト・フリクエンシーズ Where Are You Now と並んで大きなEDMヒットです。

> 何これ!!超いいじゃん!!! 4月に入ってからカミラ・カベロの新曲 Bam Bam feat. エド・シーラン を聴きましたが、こんな感想になりました。なんていうか、エド・シーランがフィーチャリングで入っている曲ってどうしても彼の声・音楽が目立ってしまい、曲のメイン・アーティストの独自の音楽が感じにくくなってしまったりするのですが、この Bam Bam はカミラ・カベロ節が全開で、ファンを公言しているエド相手にもまったく遠慮していない感じがあります。これまでに聴いてきたカミラさんの音楽の良さが少しずつ、全部詰まっている気がして、どんな気分の時でも聴けそう!

 

  title artist
11 Down Under Luude, Colin Hay
12 BMW Bad Boy Chiller Crew
13 House On Fire Mimi Webb
14 Anyone For You George Ezra
15 Night Away ( Dance ) A1 & J1, Tion Wayne
16 The Motto Tiesto, Ava Max
17 She's All I Wanna Be Tate Mcrae
18 One Of A Kind / Reggae & Calypso Russ Millions, Buni, YV
19 Bad Habits Ed Sheeran
20 Crazy What Love Can Do David Guetta, Becky Hill, Ella Henderson

 

(コメント)

> 先述の Down Under、Top10に8週連続で滞在したのち、今週遂に圏外に落ちてしまいましたが、これも大きなEDMヒットとなりました。失礼ながら Luude も Colin Hay も詳しくは知らず、Colin Hay さんの昔のヒット曲 Down Under を Luude さんがリミックスして現代のメインストリームによみがえらせた、という事実しか知りません。Colin Hay さんは「コリン・ヘイ」という読み方が調べて出てくるほど有名ではあるようですが...。

> ヒップホップ集団、バッド・ボーイ・チラー・クルー。2月にリリースされた最新アルバムもニュー・ネームながら全英2位と絶好調でした。集団ではありませんが15位の A1 & J1 もヒップホップ・デュオです。形態で分ければ3人以上のヒップホップ・グループ市場はバッド・ボーイ・チラー・クルー、2人のヒップホップ・デュオ市場は A1 & J1 と Dブロック・ヨーロッパ が全英チャートを牛耳っていくのかも。

> 一方調子がいまいちなのが14位のジョージ・エズラ Anyone For You と16位のティエスト The Motto with エイバ・マックス 。Top20に入ってから1か月半ぐらい経ちますが、いまだTop10には届かずといった状態です。全英チャートの移り変わり(新旧交代)は速いので、一つの曲が大ヒットする期間が比較的短く、両者ともそろそろ力尽きてピーク・アウトしてしまう可能性大です。ただ、The Motto の方は全米チャートでも上昇中なので、そこで埋め合わせができていると思ってしまっているのですが。

> カナダのティーンエイジャー、テイト・マクレーの2発目ヒットがこの She's All I Wanna Be 。まだデビュー・アルバムはリリースされていませんが、リリース前に You Broke Me First と同曲の2曲が大ヒットする非常にいい状態になりました。去年本格的に売れた彼女ですが、コラボレーションも活発でしたね。特に「DJリガード × トロイ・シヴァン × テイト・マクレー」名義の You という曲は完成度がすごかったです!

> 豪華すぎるコラボということでニュースでも見た20位の Crazy What Love Can Do 。デヴィッド・ゲッタは一応現役ですがもはやEDM界の生ける伝説みたいな存在で、ポップ・シンガー、ベッキー・ヒルとのコラボは2回目。その1回目、ベッキー・ヒル & デヴィッド・ゲッタの Remember (2021) は去年全英3位の大ヒットになりました。自分は正直エラ・ヘンダーソンについては全然知らないのですが、イギリスでは有名人のよう。20位という結果を残念がった人もいたかもしれませんが、またひとつ3者のチャート記録が更新されました。

 

アルバム・チャート・レビュー(一瞬)

 「注目されている」という段階で1位をとった、英インディー・ロック・デュオ、ウェット・レグ。こんなこと少なくとも日本やアメリカではありえないでしょう。一方、グラミーのノミネート歴があるファーザー・ジョン・ミスティの新作(2位)や、言わずと知れたロック・スター、ジャック・ホワイトの新作(3位)はこれに敗れています。先週全英&全米1位の大快挙を成し遂げたレッド・ホット・チリ・ペッパーズの『アンリミテッド・ラヴ』ももう6位まで押し出されていて、全英アルバム・チャートの戦いの激しさがよく分かりますね。最後に、カミラ・カベロのサード・アルバム『ファミリア』が無事Top10入りできて安心!!



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