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一番最近のUSチャートで、「テイク・ミー・トゥ・チャーチ」で有名なホージアの新曲がランクインした。⛪
ホージアをはじめ、最近はチャートがロックに柔軟になっている気がする。
チャートインが長続きするか否かは別として、今年はロックの入りがすごくいい。
これまでは、限られた曲しかヒットせず、それ以外はランクインすらできてなかったけど、今年はどんどん入っている。
静かに息を吹き返してきてる感じ?素晴らしい!!
USチャート・レビュー、3月。
チャートでのアクションが際立っていたアーティストを複数名取り上げ、彼らのアクションを振り返ります。
そして、最後にチャート全体のまとめ(今月の傾向、みたいな)も一瞬します。
1.カロル・G
4thアルバム『manana sera bonito』(2023) が全米アルバム・チャート1位を獲得!!カロル・Gは前作『KG0516』が20位で、それ以前のアルバムも21位以下の成績だったので、失礼ですがまだ1位を獲得するようなアーティストではないと思っていたところ、急に新作で1位だったのでびっくりしました。確かに『KG0516』リリースから今作までの間に "Provenza" が全米シングル・チャートで初めてTop40ヒットしたり、ティエストとジャンルの枠を超えたコラボをしたり、"Gatubela" が少しヒットしたりしましたが、少なくともアメリカにおいて大躍進ということはなかったと思います。つまり、彼女の急な全米1位獲得の背景には、彼女自身の人気の上昇だけでなく、アメリカにおけるラテン音楽の人気のさらなる上昇があるのではないでしょうか。男性ラテン・スター、バッド・バニーの商業的成功もどんどん記録的になっていますしね。ともかく、これでカロル・Gさんは21世紀初の全米アルバム・チャートを制した女性ラテン・アーティストの称号を手に入れました。🥇
2.ザ・ウィークエンド
TikTokでスリーパー・ヒットしていた6年前の曲 "Die For You" が、アリアナ・グランデをフィーチャーした新リミックスの公開を理由に一気に全米シングル・チャート1位獲得!7曲目の全米1位になりました。具体的には、リミックス効果が反映される前は全米6位で、反映されて1位に飛び上がったのですが、これが2年前の "Save Your Tears" のケースとまったく同じで、2年前も "Save Your Tears" という彼の曲が6位まで上昇する大ヒットになっていたところ、アリアナ・グランデを加えた新バージョンがプロモーションでリリースされ、その効果で一気に1位をとっていました。スーパースターの影響力はそう簡単には落ちない、ということでしょうか。ところで、アリアナ・グランデの歌声はちょっと久しぶりでした。
3.モーガン・ウォーレン
ノスタルジックな新曲 "Last Night" が、ニュー・アルバム『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023) のリリース効果でこちらも急上昇し、全米1位を達成。彼にとっては自身初の1位で、ついに1位か...って感じです。アルバムリリース時のチャート・アクションも案の定凄まじかったですね。カントリー・アーティストとしては異例の、Top10半数独占 & Top20では9曲がランクインです。さらに、アルバムは36曲も収録しているそうなのですが、それらがすべて全米シングル・チャート100位以内に収まって、恐ろしくチャートが荒れました。100位以内の同時ランクイン数記録では、ドレイクがこれまで30曲前後で歴代1位だったはずなので、それを軽々と越したことになります。こんな人が全米1位をとっていないのはおかしいので、今回ついにとってくれて、おかげで功績が分かりやすくなりました。アルバムも、当然のようにアルバム・チャート1位です。
4.ゴリラズ
世界一のバーチャル・バンド、ゴリラズが8枚目となるアルバム『クラッカー・アイランド』をリリースし、全米3位を記録しました。数年前の『ソング・マシーン・シーズン・ワン』は12位でTop10圏外でしたが、今作でTop10復帰ですね。アルバムから数曲聴いてみましたが、なんというか、粗がないです。完璧に作りこまれていて、高質なオルタナティヴ・ロックでした。サンダーキャット(R&B)やバッド・バニーなどいろんなジャンルのアーティストとコラボしたアルバムになっていて、ジャンル横断的なのは相変わらず。ゴリラズは、アルバム・チャートでのチャート・アクションが先月のパラモアに続いてすごくいい感じなので、ロックの静かな復活をここでも感じます。🌴
5.コイ・リレイ
2021年に "No More Parties ( Remix ) feat. リル・ダーク" でブレイクした女性ラッパー。新曲 "Players" が今月Top10入りし、2年前を超える大ブレイク期を迎えようとしています。ただ、どうしても気になるのが、マンネリ化の現象。これ、去年のラトーのチャート・アクションに酷似しているんですよね...。ラトーも2020年にメジャー・デビューしたラッパーで、その2年後(去年)に "Big Energy" で大ブレイクを果たしました。さらに言えば、ミーガン・ジー・スタリオンもメジャー・デビュー(2019年)の1年後に "Savage" を大ヒットさせています。つまり、そこそこのインパクトでデビューに成功したのち、その1~2年後に大ブレイクする傾向が、女性ラッパーにはあるわけですね。男性ラッパーにもいえるのかもしれませんが、特に女性ラッパーは、みんなキャリアにおいて1発は打つ...、それも、この年は誰、この年は誰、と順番に打っていくようなマンネリを感じます。これは、いい傾向なのでしょうか?打っていったラッパーの「その後」がまだわからないので、正直何とも言えません...。まあ、それはそれとして、"Players" は聴きやすくていいですね!🎧
6.レマ
"Calm Down" でコイ・ラロイ同様自身初の全米Top10入りを達成!ロングランでTop10に到達したタイプのアクションです。ものすごいダラダラ感を感じるとともに、中毒性も感じます。1年前のCkayさんの "Love Nwantiti" もこんな感じだった気がするのですが、こっちの方がよりメロディックかもしれません。TikTokなどでのウケ狙いも音楽好きへの技術アピールもどちらも成功して、世界中で大ヒット中の同曲、とはいえ、英語圏での成功にはセレーナ・ゴメスのリミックス参加が大きく寄与していると思われます。オリジナルの公式ミュージック・ビデオは1年以上前に公開されていて、再生回数4億回を超えているのですが、半年前に公開されたセレーナ・ゴメスを加えたバージョンのそれは、もう3億回を超えています。上記 "Die For You" 同様、スーパースターの後押しはやはり強いですね。🚋
まとめ
全米シングル・チャート・・・大物アーティストのリミックス参加効果で、チャート上位に上がってくる曲が複数...!また、ラテン・ミュージックのランクイン数もさらに増えている印象で、ラテン・ブームが止まらない!
全米アルバム・チャート・・・ロング・ヒットの観点で、新作のチャート・アクションがなぜかみんないい!チャートを下降するにしても、そのスピードが全体的にゆっくりめで、前年同月比でかなり景気の良い状態!!
突然の音楽レビュー...ジャスティン・ビーバーの "Holy feat. チャンス・ザ・ラッパー"(2020)。
最初は、...ん?なんだこれ?って、ちょっと聴きにくかったけど、
この曲は静寂がいいんだ、って思って、感情を持って聴けるようになった。
チャンス・ザ・ラッパーも、入り方が好きだし、おとなしいラップがちょっと新鮮。
全体的に静かでなかなか盛り上がらないけど、だからこそ最後ちょっと盛り上がるのがエモくて、意外とあっさり終わるのも好き。