オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー USチャート 2022年12月

2022-12-27 | チャート・レビュー (US)

 

ライブ・コンサート業界については本当に無知で、

総収入〇億円とか、動員数〇万人とかの数字の意味がよく分からない。

チケットの売り上げ枚数などが勘案されるライブ(ツアー)の総収入ランキングを見ても、あまりピンとこない。

でも、最近は特にバッド・バニーがすごいらしい。

ツアーっていうとロック・バンドのイメージが強いけど、バッド・バニーも積極的にツアーを実施していて、大成功しているそう。

 


 

12月の全米シングル / アルバム・チャート振り返り。

シングル・チャートは、相変わらず前年同週比プラスの激しいクリスマス・フィーバーで、

去年に比べクリスマス・ソングがより多く、より早くチャートにランクインし上位を占めました。

ただ、そんなフィーバーを抑え込むような個人による強いチャート・アクションもあり、

その当事者2名はアルバム・チャートにおいても来たるクリスマス・アルバムのチャート上昇を抑え、首位を獲得しました。

 

以下、12月の(主観的だけど)活躍アーティスト3名です。

 

1.ワム!

 UKポップ・デュオ、ワム!の定番クリスマス曲 "Last Christmas" が全米チャートにおいて最高位を更新しました。毎年この時期にたくさん聴かれ、チャートを上昇してくるわけですが、初めて全米Top10入りしたのは確か2020年の冬です。その時は9位まで上昇したのですが、翌年の冬もTop10まで上がり、最高7位と最高位を更新しました。そして今年も3年連続となるTop10入りを早くも達成し、最高位も6位へとさらに更新。いつもは24日、25日が集計期間に含まれる週(クリスマス・ウィーク)がクリスマス・フィーバーのピークになり、同曲も通常はそこが頂点となるわけですが、今年はまだその週に至っていないにもかかわらず、早くも最高位を更新しています。"Last Christmas" は例年だと全米7、8番目くらいの人気クリスマス・ソングなのですが、今年は強くて5番手。ピークのクリスマス・ウィークには更なる最高位更新も望めますね。若手のローレン・スペンサー・スミスによるカバーも感情的で素敵で、こちらもチャートインしています。

 

2.メトロ・ブーミン

 前述の当事者の1人目。ファースト・アルバム『ノット・オール・ヒーローズ・ウェアー・ケイプス』(2018) も、今回強いチャート・アクションを起こしたセカンド・アルバム『ヒーローズ & ヴィランズ』(2022) も聴いたことはないのですが、彼は R&B / ヒップホップ系のプロデューサーとして有名な人で、「プロデューサーだけど、自分名義の音楽も出す人」と記憶していました。似たような立場の人に、DJキャレドやDJマスタードがいますね。このようなアーティストは、とにかく多くの売れっ子アーティストとのつながりがある、という強みがあります。プロデューサーとして多くの売れっ子の楽曲制作に携わっているので、「今度は自分名義の曲作りに協力して」というコネが働くわけですね。また、R&B / ヒップホップ系のプロデューサーは自分がプロデュースした他人名義の曲中で自分の名前を叫ぶことがあり(主に冒頭)、メトロ・ブーミン以外にもDJキャレドやテイ・キースの定型的なそれを覚えています。本当にたくさんのヒット曲に携わっていますからね、多くの曲で叫び声を聞いていて、さすがに覚えました。📢

 

3.シザ

 5年ぶりのニュー・アルバム、『SOS』が予想以上の大成功!!当事者の2人目は、R&Bシンガーのシザです。大成功したファースト・アルバム『Ctrl』(2017) から5年もあいたのは、プレッシャー、自信喪失、無気力感などの想像に難くない要因です。今後音楽を続けていくかは分からないと言っていましたが、とにかく新作を出してくれてありがとう、というファンはものすごく多かったらしく、『SOS』はアルバム・チャート1位、シングル・チャートにおいても収録曲群が大きくチャートを揺さぶりました。ところで、同アルバム発売前に単発でリリースされていたシングル4曲のうち、"Hit Different feat. タイ・ダラー・サイン" はアルバムに収録されませんでしたね。同曲は2020年のリリースで、当時は約3年ぶりの新曲ということでしたが、チャート・アクションは思ったより悪くて「チャート厳しっ!!」と思った記憶があります。"Hit Different"、全体的な雰囲気がかなり好きで個人的にお気に入りなのですが、シザはそれ以前とそれ以降に同曲以上のヒット・シングルを複数出しているので、同曲は新アルバムに収録されなかったことも加わって世間から忘れられそうな気がしますね。

 

...この時期はクリスマス音楽以外の音楽のチャート的成功が少ないので、書けるトピックが少なくて困ります。

なので、個人的に来年ヒットしてほしい曲5選を、最後にちょっとつぶやくことにしました...。

 

  1. アデル "I Drink Wine"・・・メインストリーム向きではないかもしれないけど、是非とも大ヒットしてほしい。"Easy On Me" に匹敵するぐらい、大ヒットしてほしいです。
  2. ディーン・ルイス "How Do I Say Goodbye"・・・アメリカ以外の英語圏ではすでにヒット済み。まだ数回しか聴いてないけど、ディーン・ルイスは感傷的な曲がとにかく似合うから、彼が今のUSチャートに足りていないそのピースを埋めるべき!
  3. カーリー・ピアース "What He Didn't Do"・・・クリスマス・フィーバーに押されてなかなかチャートに上がってこれず...。美しいカントリー・バラード、2023年に入って無事ヒットしてくれることを祈る!
  4. AJR "World's Smallest Violin"・・・これも一時期メインストリームのチャートで調子が良かったんだけど、クリスマス・フィーバーで圏外に落ちる羽目に。圏外だけど勢いは続いているみたいだから、2023年、メインストリームへの復活を期待!!
  5. レイニー・ウィルソン "Heart Like A Truck"・・・この人の曲は節々で懐かしさを感じる。1990年代後半から、2000年代前半の音楽...?みたいな。詳しくないけど。どちらにしろ、確実にヒットしてほしいですね。

 


 

CD買って聴き始めてからまだ2か月程度...、

こう言うのは時期尚早かもしれないけど、

ウェット・レッグの出世作『ウェット・レッグ』(2022)、買ってよかった。

UKでは大ヒット・アルバムで、評論家からも大絶賛とのことで買ってみたけど、本当に。

🐯 (この記事を年内に読んでくださった方はごくわずかだと思いますが)今年は以上です!ありがとうございました! 🐯

 



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