禁煙と挫折と政治と

禁煙を目指すブログのはすが、政治の話が多くなってます。禁煙は失敗と再チャレンジを繰り返し継続中。。

東京都知事の発言と積極的疫学検査

2021-08-16 15:16:56 | 日記

「もうこれ複合災害ですよね」

 

テレビのコメンテーターが言いそうなこの言葉。

 

東京都知事 小池百合子さんのお言葉です。

 

 

この言葉を聞いたとき、1番に感じたこと。それは

 

「ああ、他人事なんだな」

 

ということ。

 

 

自分が先頭に立って指揮するコロナ対策について、人間には抗えない「災害」なのだと自ら認めてしまう。

 

 

災害だから、誰にも止められない

 

災害だから、誰かが悪いのではない。

 

 

小池知事としてはこのように考えたのでしょう。

 

「いくら警報や避難指示を出しても避難しない人がいる。そのため逃げ遅れた人達を救出するために救急隊や自衛隊が出動するはめになる。」

 

「コロナも同じで、いくら私が『自粛して』と言っても守らない人がいるから、いつまでたっても収束しない。」

 

つまり、「全て自己責任」だと。

 

災害を絶対に防げるなんてことはない

 

1番大切なのは一人一人の心掛け

 

 

 

恐ろしいのは、この考え方は一見間違っていないように思えることです。

 

 

災害時、最終的に命を救うのは一人一人の備えと心掛け、というのは間違えではないでしょう。

 

けれど、行政がそれを言ってしまい、市民もそれを認めてしまったら、行政は何もやることが無くなってしまいます。

 

「やることが無い」は極論としても、その考え方が認められてしまったら、責任や金銭的負担を負いたくない行政としては

 

「出来るだけ負担を減らそう」

 

と考えてしまうのは避けられません。

 

 

だからこそ、(少なくとも建て前上は)行政は

 

「災害に負けない街作り」

 

「いざという時の備えを」

 

と事前に様々な対応しなければいけないはずです。

 

東京都は、それを指揮する都知事は、この1年間コロナに対してどのような対策をとってきたでしょうか。

 

 

 

都知事の発言と時を同じくして、東京都から

 

「積極的疫学検査を縮小する」

 

という発表がされました。

 

 

これはどういうことかというと、

 

「新規陽性者が増えすぎてクラスター追跡が追いつかないため、市中のクラスター追跡は止めて介護施設や医療施設など、クラスター発生が見込まれる箇所に集中する」

 

ということです。

 

 

「日本方式」として世界に誇ったクラスター追跡。そのクラスター対策を市中では行わないことにする。

 

 

日本ではクラスター追跡以外にコロナの感染状況を把握する方法を持っていません。

 

PCR検査の拡充もしていない。

 

無症状感染者の隔離施設もすでに機能せず。

 

簡易抗体検査キット配布などもしていない。

 

一般人への直接給付は昨年の10万円のみ。

 

「対策」と呼べることはクラスター追跡と10万円、そして「アベノマスク」しかしていません。そのクラスター追跡をやめたことで、まさしく「素手にアベノマスク」で戦うことになりました。

 

 

クラスター追跡の縮小という重大な発表を、特に説明もなくしれっと行うさまは、先日の菅首相の「重傷者以外は自宅待機」とダブって見えます。

 

 

本来ならば、ここでお得意のフリップを駆使して大々的に会見を行い、菅首相との力の差を見せつけるべき時です。

 

けれど、小池都知事は「それほど感染のひどくないとき」はこれでもか!と不安を煽る会見を連発しますが、「本当にひどい状態のとき」はあんまり表に出てこない、というのがこれまでの経験からもわかっています。

 

それに輪をかけて、今回は「対策を止めた」ことの説明など一言もせず、

 

「もうこれ複合災害ですよね」

 

 

 

さんざん都知事を批判してきましたが、実はこの件に関して1番いけないのは

 

メディアや国民がこの発言を許容していること

 

だと思います。

 

 

先に書いたように、行政が「責任も費用負担も負いたくない」というのはある意味仕方がないことです。

 

だからこそ、税金を払い行政サービスを受ける私達一般市民は行政に対して発破をかけ続けなければいけないのだと私は思います。

 

見る限りこの小池都知事の無責任発言について強い反発は起こっていないように思います。

 

 

 

以前、ある大臣が

 

「民度が違う」

 

と発言し、話題になりました。

 

 

「日本は民度が高いからロックダウンしなくてもコロナを収束できた」

 

 

と捉えられていましたが、実はこの大臣、「民度が高い」とは一言も言っていません。

 

私は、この発言は「民度が低い」という意味だったのではないか、と当時から思っていました。

 

「民度が低い」からこそ国民は強制力のない政府の「お願い」を、「命令」のように受け入れるのではないか。

 

多種多様な意見により、個人がそれぞれ自分の意志で行動し、結果的に感染拡大が抑えられないのは「民度が高い」からこそなのでは?

 

大臣の普段からの国民をナメた発言からして、「民度が違う」は国民に対する皮肉だったのではないか。(その大臣は、今回の感染急拡大の最中に「新たな給付金などは考えていない」とわざわざ発言してくれました)

 

 

あの時「民度が違う」と言われた欧米の1国、イギリスは、度重なるコロナの猛威に晒され、今では国民一人ひとりが

 

「コロナを必ず抑え込む」

 

という意識を持っていると言われています。

 

 

そのため世界的に最もワクチン接種が進み、行動制限が解除された後も抑え込み続けています。

 

押さえ込んでいる今も、専門家達は政府に対して様々な疑問を投げかけ続け、政府はその意見を柔軟に取り入れながら「国家」としての道筋を政府方針として決めていく。

 

国民はその一つ一つの方針に対して、これまでの経験も踏まえて批判するべきは批判し、「コロナに打ち勝つ」という官民1体の目標を維持する。

 

「民度が高い」とはこういうことをいうのではないでしょうか。

 

 

 

広島の式典で1番大事な節を読み飛ばした事に気づかない首相。

 

バッハ会長の銀ブラを「不要不急は個人の判断」という担当大臣。

 

個人の持ち物、それも人生で最も大切な宝物に噛み付く市長。

 

そして今回の知事の発言。

 

 

どれも倫理的、能力的に「政治家」として許される事ではないと思います。

 

けれど、「問題のある政治家」が存在することは世界中を見ても避けられないこと。

 

 

大切なのは、その問題の本質を判断し、批判するべきは批判することがしっかりと出来るかどうか。

 

間もなくに控えた衆院選は、日本人の「民度」が最も試される選挙になるのだろうと思います。

 

 


米国のコロナ状況について

2021-08-16 12:35:19 | 日記

連休中は全く更新ができず、その間にコロナの状況がまた1歩進んだように感じます。

 

米国の新規陽性者数は、いつものように週末金曜日に増加し、土曜日に激減したのですが、その幅が半端ではありません。

 

13日金曜日 29万人

14日土曜日 4万人

 

先週の平日の新規陽性者数は10万〜15万人くらいで推移していましたが、金曜日についに1日としては過去最多の陽性者数が出ました。

 

そして土曜日に4万人。おそらく日曜日も4〜5万人程度でしょう。

 

ここ数週間のパターンを見ると、金曜日の激増する陽性者数÷2=だいたい7日間平均の新規陽性者数となるようです。

 

どういう訳か、米国は土、日の陽性者分が前日の金曜日に出ている??

 

なんにしても経済にとっては都合の良いサイクルですが、今回ばかりは米国に動揺が走るかもしれません。

 

タリバンによるアフガニスタン制圧。

 

ここ数日、地方の拠点が制圧されているニュースは気にしていましたが、まさかこんなにも早く1国が制圧されてしまうとは。

 

もともと米国が「人道上の問題」といらぬ首を突っ込んだアフガニスタン問題。

 

米国の都合で米軍撤退を進めた直後に以前より悪い状態に後戻り。米国の責任は免れません。「押し付けた民主化を途中で放り出した」のでは、それこそ米国自身の人道上の問題となります。

 

かといって再度の軍派遣は出来ないでしょう。このコロナ禍の中、再度の戦争など不可能です。

 

 

この問題は一見「米国の問題」ですが、ある意味日本が抱える問題に近いものがあるとも思えます。

 

相次ぐ豪雨災害。コロナ禍の中での復旧作業は困難を極めることは先日の熱海の被災でも明らかです。

 

そして関東大震災や南海トラフなど、規模としては遥かに大きい災害がいつ起こるかわかりません。

 

もしもこのコロナ禍の最中にそんな大地震が起こったら。

 

コロナだけでも手に余る、というか何の対策も出来ない日本政府が、

 

「コロナ禍の最中の大災害に備えて」

 

何か対策を練っているとは全く思えません。

 

 

米国はアフガニスタンという遥か遠くの地の問題ですが、日本の大地震はは中枢の東京・東海地区の話。

 

それなのに出来ることは「いま地震が来ないことを祈るだけ」というのは、いかにも頼りない話です。

 

 

 

世界的に不安が広がる中、唯一と言っていいほどコロナ禍を克服しようとしているのがイギリスです。

 

1週間で1番新規陽性者の増える金曜日でも三万人を若干上回る程度で、既に1ヶ月近く安定して低い数字で推移しています。

 

はたしてこのままイギリスはコロナを抑え込むことが出来るのか。

 

イギリス政府は「この秋冬に、インフルエンザの大流行と共にコロナも再度の拡大がありえる」との見解を出しています。

 

今のコロナ封じ込めに成功している国が、その先に再度の感染拡大を見据えている。国民としては政府への信頼感は逆に高まるでしょうね。

 

「これを最後の緊急事態宣言に」などと言う政府とは大違いです。