あの大学時代の、馬鹿なオレ。その2 【 ヤブ 】

2023-08-13 03:32:24 | 馬鹿なオレ

藪の中を

歩き進むことを、

「 藪を漕ぐ 」って言う。

 

藪の中、先に歩いている同期の部員の

キスリング(リュク)の横に突き出た凸の部分が、

藪を、引っ掛け、引っ張り、弓状になり、

それが、弾けて、

後ろを歩くオレの顔を攻撃的に直撃する。

疲労と寝不足で、

朦朧( もうろう )としたオレの頭では、

この野郎、ワザとやりやがって。

と、その同期に対し、被害妄想、怨念の塊となる。

 

前との距離を置けばいいのだが、

朦朧としたオレの頭では、

前が、見えない藪の中で、音は聴こえるのだが、

はぐれて、迷子になることの方に、

身の危険を感じる、を選択していた。

馬鹿だ。まさに、頭は、藪の中だ。

 


オレは、機会があれば、何らかのかたちで、

先を歩く同期の部員に、復讐を誓うのだが、

復讐をする機会がないまま、合宿は、終わってしまう。

オレの顔には傷が、残っているのだが、

終わってしまえば、ケ・セラ・セラ。

忘れてしまって、馬鹿げたことと、馬鹿は思う。

なにが、ケ・セラ・セラ、なのか、

馬鹿を、どんどん、こじらせて行く。

 

 

そして、

この道のりは、つづく、

 

 

初出 17/09/03 00:25 再掲載 一部改訂



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