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あの社会人時代の、馬鹿なオレ。子守するほう、の。( 摸摸具和の3 )

もう、

企画の面白さと、現実の厳しさの

ギャップが、

馬鹿なオレにも、理解ができた。


カメラは、

予算上、十分な30ミリのフィルムが、買えないので、

16ミリのフィルムカメラを、札幌の撮影機材屋で、

ウィークリーレンタルで、割安に調達。

当然、16ミリフィルムも、本数は、限られていた。

そして、

ビデオカメラを2台、

2台とも、社内のベータカムの機材だ。

その有料フィルムカメラの1台は、

カメラマンが、エゾモモンガの飛翔を、

フォローする様に、

もう2台の会社所有の無料ビデオカメラは、

巣穴を狙う、据え置き用に。

スタッフは、

全員、社内作業員。

照明作業員、兼、プロデューサーに、

予算のことも、内実も、一切、知らされていない、

駆けだし、頼りにならない、なんでまやります、

プロダクションマネージャー(制作、雑用係)のオレ、

さらに、

下っ端、ペーペーの人足肉体作業用、新入社員の後輩、

そして、

アシスタントも、ひとりでこなす熟練カメラマン、

この4人の、へなちょこ精鋭撮影作業部隊だ。

無事に、エゾモモンガを、カメラに捉えるまでは、

いつ終わるか予想をも出来ないプロジェクトに、

外部スタッフは、使うことができなかったんだ。

早速、到着当日の夜から、

撮影作業、開始命令が、くだる。

一旦、旅館に、寄って、

旅館の女将に、帰宅時間、不明を、伝令す。


現場到着、17時(夕方、5時)、

もう、すでに、日の暮れた、

暗がりからのセッティング作業を、始めた。

業界では、深夜作業もあるので、

24時間で、時間を表現する。

24時を超えると、てっぺん越え、といって、

翌日1時を、25時っていう人もいたが、

疲労感が増すので、オレは、1時といっていた。

逆に、25時っていった方が、

早く終わろうとする心理がはたらく説もあるようだが。

そもそも、

その時間でなければ撮影できない状況じゃない限り、

てっぺん超えて、撮影してる方が、

詰め込み過ぎのスケジュールで、間違ってるはず。


今回は、
まったく、右も左も、上も下も、

下見もしていない、

はじめてのロケーションの現場なので、

エゾモモンガ、出没、そして飛翔するであろう

「うろ」巣穴を、捉えるために、

まずは、撮影用に雪道を作るため、

スコップで除雪するところから、作業は始まる。

それから、カメラ位置、照明の位置へと、

たった4人で、セッティングするのに、

随分と時間が掛かった。

20時と、30分に近づいた頃か、

やっと、3台のカメラ位置と、照明の位置も決まり、

腹ペコ作業員たちは、

旅館で、こしらえてもらった冷えきったおにぎりと、

ポットの温かいお茶で、腹ごしらえ、をした。

かくして、

決定的な瞬間を捉えられることが、出来るかどうか、

エゾモモンガと、

オレたち、へなちょこ精鋭撮影作業部隊との闘いが、

始まったのだ。

 

 

 

「フィルムチェンジ!」と、

次のロールに、撮影はつづきます。

 

 

初出 17/10/14 06:01 再掲載 一部改訂

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