なにぶん、なりゆき なもんで
、・ 改め らくごしゃ の なりゆき(也がついたり、つかなかったり)
裁判官ってナンですか? 検察官ってナンですか?
ニッポンって、滑稽な権力をもつ国。
僕の友人が、軽犯罪で留置された。
もう、何十年前だろう、か。
酔っぱらって自転車に乗って、駅前から自宅へ帰る途中で、
巡査に職務質問された。
自転車を支えにしていたが振らついて、
巡査の肩にふれ、はずみで巡査の肩から懐中電灯が落ちた。
彼は、公務執行妨害で、逮捕された。
彼が悪いのだが、逮捕され、留置された。
ここからが、
このニッポンの縮図だ、苦笑い。
苦くも笑えない話だ。
彼がいうには、
見下ろす小窓から、裁判官は、
「もう十日の留置」を求めた。
(期間は不確かだ、自分の記憶が曖昧だから、たぶん)
自分の意見も聴かずに、一方的に通告された、そうだ。
「なぜですか」と、当時の置かれた立場で彼が精一杯に訊ねると、
若い女性の裁判官は、
検察官が「そう」言っているから、と。
「裁判」の定義が崩れた、そうだ。
これが、彼を裁く判決だった。
その後、無罪放免となる前日、
検察官と面談した際に、
検察官は、留置された彼に言った。
「留置数が足らないんだ」と。
数合わせで、留置されてたと云うわけだ。
「留置」の概念が崩れたそうだ。
「留置」とは、証拠隠滅、逃亡の怖れがあるからのはず。
「権力」はおそろしい。
とくに馬鹿が持つ権力は。
ニッポンって、
なんて無知でノウテンキなおそろしい国なんだろうか。
関東大震災のとき、憲兵や、市民が自警団をつくり、
デマで、韓国人を殺し、主義者を逮捕、殺害した。
憲兵時代の甘粕雅彦に、
大杉栄、伊藤野枝、甥っ子の橘宗一が殺害されたのは、
有名な話だ。
検察官が言っているからと判断する裁判官、
「数合わせ」の留置という検察官。
狂った権力、
自己都合の検察官に、思考停止の裁判官。
被害の彼は、元気だろうか。
まだ、狂ったこの国で、正気で生きているんだろか。
小さな事件で、これだから。
大きな事は、比例して、大きく滑稽なんだろう。
大きくなるほど、笑えなくなるとしたら、
話し手の自分が、下手くそなんでしょう。
疑惑の政治家が不起訴になる。
真っ黒な案件を弁護団が訴訟しても、見事に却下する。
検察官も裁判官も、小さな馬鹿と、大きな馬鹿がいる。
小さな馬鹿から、大きな馬鹿は、比例して馬鹿になるはず。
このニッポンでは、
小さくても、大きくても、
イチはイチなのだが、
馬鹿さ加減は大きく滑稽になるんだろう、か。
「数合わせ」には釣り合わない。
ちなみに、巡査の肩の懐中電灯は、
自分のものでなく、他の巡査のものだった、そうだ。
どうも、それがバレてしまうので、頭に来て逮捕したそうだ。
ここにも、馬鹿がいる。
逮捕しなければ、穏便にやり過ごす術(すべ)もあったろうに。
また、彼は、留置場のなかで、
同室に、殺人罪を通告された被疑者がひとりいたそうだ。
彼は、その通告書を見せてもらったそうだ。
どんな、このニッポンの裁判官が、
判決をくだしたんだろうか。
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