心理士の子ども発達支援

発達や療育、教材の紹介

まねっこ。「おべんとう遊び」

2017-02-24 13:55:20 | 発達:社会性



↑人気の絵本です。

療育を受けるお子さんには、偏食や少食、食への興味が薄いことがよくあります。

しかし、絵本やおもちゃの食べ物、ままごとだと、とても好きなお子さんが多いです。




絵本を開いてニコニコで楽しんでいます。

「あむっ!」と絵本のページに口をつけに来る子やペロンとなめる子もいます。



子どもたちが大好きなこの絵本を使って何か出来ることはないか?

そうだ!同じお弁当を作ろう!



あつあつごはん、ミートボール、たこさんウインナー、たまご焼き、

ブロッコリー、にんじん、ポテトサラダ、いちご。

フェルトで作ってみました。



絵本1ページずつめくりながら、同じ具材をおべんとう箱に詰めておべんとうの完成!



★初めは、同じものを作るということがピンとこない子もいますが

実演すると、すぐにわかるようになり、子どもたちは、楽しんでくれます。

何度も何度も繰り返す子もいます。美味しそうに食べるまねをします。

食べ物遊びが好きなお子さんにとって、嬉しい、楽しい、出来た!という

満足な気持ちの経験をして欲しいと思って考えついた教材(!?)です。

もちろん、支援者とのやり取りも沢山生まれます。

何人ものお子さんに何回も遊んでもらっています。


★ハンバーガーやサンドイッチも本人は、食べないけど、

模型や写真が好きなお子さんが多いです。

「おべんとう遊び」でいい気になって作りました。

組み合わせ自由で楽しく遊んでいます。↓








 

 


まずは着席。じっと見る。

2017-02-19 22:16:48 | 発達:社会性

動きが多くて速く、

目に付いたものを手当たり次第触り振り落としてしまい、

声掛けは、簡単には届かず、おもちゃで遊ぶことも難しく、

課題までたどり着けないお子さんもいます。

このような場合、まずは着席して見る(じっとしている)ことを

体が経験することが大切で、手遊びは、その一歩として有効です。

 

以下の3つの手遊びは、私がよく使うものでお子さんたちは、じっと見てくれます。



↑お馴染みの「こぶたぬきつねこ」

うちわの片面にこぶたときつね、もう片面にたぬきとねこを貼ってあります。

それぞれに台紙の色を変えることをおすすめです。

着席の手助けをして、座った瞬間に始め、少し早いテンポで一通り歌いながら実演します。

興味を持ったようならもう一度、先よりも高速で実演すると喜びます。

★うちわそのものが好きなお子さんは多く、そこに絵があったり、

クルンクルンと回転を繰り返すので確立高く注視してくれます。

★「トントンひげじいさん」など他にも応用が出来ます。




↑続いて「大きい、小さい」

これもまた、うちわの片面に大きい太鼓、もう片面に小さい太鼓を貼ります。

「大きなたいこ小さなたい」の歌に合わせて、

♪大きな…のときには、うちわでゆっくり大きな円を描き、ゆっくり大き目の声で歌います。

♪小さな…のときには、うちわを動かさずに優しい仕草で小さ目の声で歌います。

★大小が交互に出てくるのでよく注視してくれます。

★太鼓以外に沢山の大小が作れますが「たいこ」は必ずして、

もう一つは日替わりというやり方をおすすめします。




↑続いて通称「もぐもぐ」

「とんでったバナナ」の最後のフレーズ

「♪もぐもぐもぐもぐ食べちゃった、食べちゃった食べちゃった」と歌いながら重ねた2枚の下1枚を回転させます。


★下になっていた方が上になり、絵が変わるのでキョトンとして不思議そうにします。

★写真は、ビスコといろはすに夢中だというお子さん用に作ったものです。

「ビスコは食べちゃったけど、いろはすはまだあるね」という設定です。

★その他、りんごやバナナ、カレーライス…沢山の使用前、使用後のヴァリエーションが作れます。

★食べ物によって、♪もぐもぐの部分を「パクパク」、「むしゃむしゃ」、「ペロペロ」など

に変化させて歌っています。


どの教材も、どんなものならお子さんが注視するかを考え、

お子さんそれぞれに合ったものを作り、工夫して演じるといいと思います。

少しでも注視出来たその都度ほめることもポイントです。


ただし、音に過敏でなくとも歌われることを嫌う子もいます。

耳をふさいだり、飛びついて噛みつきに来たり、髪を引っ張りに来たり、

教材を取り上げに来たりして、「止めて」を訴えます。

もちろんストップします。

お子さんがどう思うかは、やってみないとわかりませんので

どのお子さんにもチャレンジです。


★以上の3つの後も注視が続いているようなら、そのお子さんの興味のありそうな

簡単な絵本をサラサラと速めに読むのもいいと思います。

絵本が出て来た途端に逃げ出すように離席するお子さんが

少しでも絵本を見る(見てみようかな)というきっかけになると思います。



「まずは着席。じっと見る。」は、着席したら、見ていたら、

「何か面白いことがあるな、何か面白いのもが見れるな」と

子どもが思えることを目的としています。

その気持ちが芽生えなければ、いつまでたっても着席、注視はないと思います。

「座ったらいいことがあるな!」という体験をどれだけ積み重ねるかが大切だと思います。

無理矢理押さえつけて着席させたり、座れたら○○とご褒美をあげるよりも

子ども自身が座る目的や意義を感じることを覚えたとき、

多くの場面で着席、注視が増えていくと思います。