動きが多くて速く、
目に付いたものを手当たり次第触り振り落としてしまい、
声掛けは、簡単には届かず、おもちゃで遊ぶことも難しく、
課題までたどり着けないお子さんもいます。
このような場合、まずは着席して見る(じっとしている)ことを
体が経験することが大切で、手遊びは、その一歩として有効です。
以下の3つの手遊びは、私がよく使うものでお子さんたちは、じっと見てくれます。
↑お馴染みの「こぶたぬきつねこ」
うちわの片面にこぶたときつね、もう片面にたぬきとねこを貼ってあります。
それぞれに台紙の色を変えることをおすすめです。
着席の手助けをして、座った瞬間に始め、少し早いテンポで一通り歌いながら実演します。
興味を持ったようならもう一度、先よりも高速で実演すると喜びます。
★うちわそのものが好きなお子さんは多く、そこに絵があったり、
クルンクルンと回転を繰り返すので確立高く注視してくれます。
★「トントンひげじいさん」など他にも応用が出来ます。
↑続いて「大きい、小さい」
これもまた、うちわの片面に大きい太鼓、もう片面に小さい太鼓を貼ります。
「大きなたいこ小さなたい」の歌に合わせて、
♪大きな…のときには、うちわでゆっくり大きな円を描き、ゆっくり大き目の声で歌います。
♪小さな…のときには、うちわを動かさずに優しい仕草で小さ目の声で歌います。
★大小が交互に出てくるのでよく注視してくれます。
★太鼓以外に沢山の大小が作れますが「たいこ」は必ずして、
もう一つは日替わりというやり方をおすすめします。
↑続いて通称「もぐもぐ」
「とんでったバナナ」の最後のフレーズ
「♪もぐもぐもぐもぐ食べちゃった、食べちゃった食べちゃった」と歌いながら重ねた2枚の下1枚を回転させます。
★下になっていた方が上になり、絵が変わるのでキョトンとして不思議そうにします。
★写真は、ビスコといろはすに夢中だというお子さん用に作ったものです。
「ビスコは食べちゃったけど、いろはすはまだあるね」という設定です。
★その他、りんごやバナナ、カレーライス…沢山の使用前、使用後のヴァリエーションが作れます。
★食べ物によって、♪もぐもぐの部分を「パクパク」、「むしゃむしゃ」、「ペロペロ」など
に変化させて歌っています。
どの教材も、どんなものならお子さんが注視するかを考え、
お子さんそれぞれに合ったものを作り、工夫して演じるといいと思います。
少しでも注視出来たその都度ほめることもポイントです。
ただし、音に過敏でなくとも歌われることを嫌う子もいます。
耳をふさいだり、飛びついて噛みつきに来たり、髪を引っ張りに来たり、
教材を取り上げに来たりして、「止めて」を訴えます。
もちろんストップします。
お子さんがどう思うかは、やってみないとわかりませんので
どのお子さんにもチャレンジです。
★以上の3つの後も注視が続いているようなら、そのお子さんの興味のありそうな
簡単な絵本をサラサラと速めに読むのもいいと思います。
絵本が出て来た途端に逃げ出すように離席するお子さんが
少しでも絵本を見る(見てみようかな)というきっかけになると思います。
「まずは着席。じっと見る。」は、着席したら、見ていたら、
「何か面白いことがあるな、何か面白いのもが見れるな」と
子どもが思えることを目的としています。
その気持ちが芽生えなければ、いつまでたっても着席、注視はないと思います。
「座ったらいいことがあるな!」という体験をどれだけ積み重ねるかが大切だと思います。
無理矢理押さえつけて着席させたり、座れたら○○とご褒美をあげるよりも
子ども自身が座る目的や意義を感じることを覚えたとき、
多くの場面で着席、注視が増えていくと思います。