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馬鑑 山口晃展

2016-05-22 23:14:02 | 美術[あ]
「馬鑑(うまかがみ) 山口晃展」@馬の博物館

 根岸競馬場のあった場所ということで、山口晃の馬絡みな作品を展示している。広くはないけれど、博物館所蔵の江戸時代の屏風やら室町時代の兜やら馬頭観音やらと一緒に展示されている山口作品は古さを感じさせない、じゃなくて新しさを感じさせない、じゃなくてなんだろ? 「あの屏風は何年の作品かな?」と思って近づいたら江戸時代のヤツだったりして。

 《當世おばか合戦》でエロビデオを見ている兵士を見つけたり、マンガみたいにバッテンな目を回して倒れている兵士を見つけたり、《厩圖2004》で男色に染まろうとしている少年を見つけたり、《大山崎交通乃圖》で高速道路を走る馬イクを見つけたりしながら、行列に並ぶこともなく見て回るひと時。展覧会はこうであるべきだ。

 新作《厩圖(うまやず)》の披露もあるということで期待している人もいるだろうが、いつものことで未完成、というか、いつもに輪をかけて未未未未完成である。下書きに27本毛が生えた程度である。展覧会は5月29日で終了なのだが、あと1週間で劇的な進展が見られる可能性は、針の穴に馬糞をむにゅって通すくらい考え辛いものである。但し乾燥させた場合はこの限りでない。ということなら、会期ぎりぎりまで待って新作の出来上がり具合を見に行こうなんていう姑息な計算は必要ないので、今すぐにでも行けるうちに行ったとしても大して変わらないことになる。でもあと1週間なので、今更そんなことを言っても遅いのだ。


 馬の博物館の裏手には広大な根岸森林公園があり、初夏を思わせる好天の中、たくさんの人々が遊び戯れている。その先には廃墟となった横浜競馬場(根岸競馬場)一等馬見所跡がSFチックに妖しげに聳え建っている。夜中に見るとコワそうな雰囲気、現在はフェンスに囲まれて立ち入り禁止になっている。


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