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ほほえみの御仏 二つの半跏思惟像

2016-06-25 23:21:28 | 美術[は]
「日韓国交正常化50周年記念 ほほえみの御仏 二つの半跏思惟像」@東京国立博物館

 日韓国交正常化50周年らしいが、はたして50周年目はどうなんだろう? などと思いながら行ってみると、入り口では金属探知機まで使って持ち物検査、なんだこの仰々しさは? そして入場したらなんと、この展覧会は奈良・中宮寺門跡蔵「国宝 半跏思惟像」と、韓国国立中央博物館蔵「韓国国宝78号 半跏思惟像」の2体のみ展示するという大胆な企画だった。その他の関連仏像とか仏画とか書類とか掛け軸とかかけそばとかつけ麺とか、そんなものはひとつもなく、ホントに2体だけという前代未聞な展示に新鮮な驚き。先日まで韓国でも開催していて、TVのニュースでもやっていたけれど、2体だけだったとはびっくりぽんや。

 中宮寺は一度だけ行ったことがあって、この黒光りする木造の菩薩半跏像はいっぺんに私の好きな仏像のひとつに加わったのだった。その大好きな仏像がノコノコと東京にやってきたからには見ずにはおけない。中宮寺では見ることのできない後ろ側もぐるりと回って見られる。真横から見るとちょっとまるまっちぃおばさん風だが、正面から見るとやさしそうなスマイルに安心感。シュっとした輪郭とスラリとした腰回りはメタボの影さえもない。だんご頭も手も肩もどこもかしこも全体的に○なイメージ。足の裏までぷっくりと丸まっていて歩き辛そうではある。

 像高126cmの中宮寺像と比べて83cmと小ぶりな韓国78号も、温和なスマイルを湛えている。こちらは宝冠をかぶった銅像。足の裏は隆々とした筋肉だか豆だかわからないけれど盛り上がりがある。この人も歩き辛そう。まぁ座っているだけだから夜中に歩く心配はしなくてもいいかな。

 ふたりとも弥勒菩薩だとすれば、釈迦入滅後56億7千万年もの間、修行しているだけの仏様なのだが、56億7千万年も後には救済すべき人類は滅びてしまうのだ。

 展示は2体だけだが、紹介映像を見たり、法隆寺宝物館のちっこい半跏像をいろいろ見たり、ドメニコ・ティントレットの伊東マンショの肖像を見たりしていると、2時間くらいすぐに過ぎてしまう。

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