真鍮屋というのは江戸時代に実際にあった金魚屋の名称らしい。透明樹脂にアクリル絵の具で立体的に金魚を描くアーティスト深堀隆介の展覧会。深堀さんの作品を初めて見たのはボートレース江戸川アートミュージアムだった。小さな酒の升の中を泳ぐ綺麗な金魚は、その意外性も含めてすこぶる新鮮だった。本物の金魚のはく製を固めてあると言っても信じてもらえそうな出来栄えに感動したものだ。欲しい!!って思うくらいなんだけれど、それはもちろんけっこう高価だから貧乏人には手が出ない。
小さな作品だけでなく樽やら番傘やら机の引き出しやらタンスやらと、巨大な作品もあり、そのほとんどが金魚まみれ。一度はアーティストを廃業しようと思っていた深堀さんに制作のヒントをくれた金魚ちゃんは命の恩魚と言っても過言ではない。
作品の中には3.11東日本大震災で亡くなった被災者の子供の遺品を作品にしたものや、故さくらももこさんがが所蔵していた深堀さんの作品なども展示してある。金魚屋の雰囲気をイメージした展示室だけは写真撮影OKだった。
この展覧会は巡回展になっていて、昨年は平塚市美術館、刈谷市美術館、今年は、みやざきアートセンター、まなびあテラス東根市美術館を巡回している。佐野美術館は9月1日まで。
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