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数日前からいろいろ新聞記事やデータを集めていて、今朝満を持して記事を書こうと思っていたら、さすがkojitakenの日記さんに全く同じ趣旨の記事がアップされていて、してやられました!(笑)。
「コロナ第6波で死者数が際立つ大阪」(産経)、3/8も52人の死亡が発表されコロナ死4000人超、第6波だけで1000人超。高齢者の死亡のせいにする吉村・産経・読売だが、産経や読売の記事からでさえ「不都合な真実」が読み取れる
もう、おっしゃる通りです、こちらをお読みくださいとしか言いようがない記事です。
さて、コロナ第6波の感染者数は減り始めていますが、死者数は2022年3月9日も全国で248人、累計2万5320人。
うち、大阪府は2割以上を占める断トツの52人。
累計の死者数でも大阪府は4166人で唯一の4000人台で、人口比で言うと全国の2・35倍です。
ワースト2の東京都でさえ、累計の死者数は3839人ですから、いかに大阪府のコロナ死者数が多いかがわかります。
いつものように、人口882万人の大阪府と同規模の神奈川県(905万人)と愛知県(755万人)、人口が1・6倍の東京都(1396万人)とで、人口比のコロナ死者数を比べてみたいと思います。
神奈川県はコロナ死者が1818人、愛知県は1764人。
大阪府は人口比で東京都の1・71倍、神奈川県の2・35倍、愛知県の2・02倍亡くなっています。
高齢者率は東京都が23・1%(47都道府県中46位)、愛知県が24・9%(45位)、神奈川県が25・1%(44位)、大阪府が27・5%(41位)で、大きな差はありません。
また高齢者と若者の生活圏が近いという話ですが、三世代同居の世帯数割合は全国平均が5・1%、大阪はその半分以下の2・5%にすぎません(全国で下から4番目の43位)。
これでは、そもそも大阪にはご高齢の方が多いだとか、高齢者と若者が近いから全国の2・35倍、他の大都市圏の1・7~2・35倍もコロナで死者が多いのだとはとても言えません。
こちらは『総務省統計局「人口推計」2020』より、都道府県別高齢化率ランキング
【#維新に殺される】吉村府知事がコロナ死者数最悪の状況に珍説「大阪は高齢化率も高いが高齢者と若い人の生活圏が近い」←大阪は高齢化率は日本の都道府県で41番目、3世帯同居率は43番目(笑)
上でご紹介したkojitakenの日記さんの記事で批判されているように、産経新聞は大阪府は生活保護受給世帯が多いから病院に行かないというとんでもない差別分析が載っているのですが、生活保護受給世帯は医療費は無料ですから!
むしろ、コロナの治療は積極的に受ける条件は整っているのであって、大阪府の「経済格差」で大阪府のコロナ死者数を説明するのは言語道断です。
「しかし産経のひどい記事にも見どころはある。それは「経済格差も関係か」との指摘だ。
大阪では維新府政以前から既に始まっていた新自由主義の地域行政を、橋下・松井・吉村の「維新三悪」知事が極限にまで推進した結果、「貧乏人と年寄りは早く死ね」という「姥捨て山自治体」になってしまったといえるのではないか。」
と指摘されているのはその通りで、2008年の橋下府政誕生以来もう14年も大阪府の政治を担ってきたのに、大阪の経済を浮上させるどころか、生活保護受給率が全国最多で、生活保護受給世帯が増え続けている維新政治の無能さこそをここで責めるべきでしょう。
他方、kojitakenさんが読売・産経の記事でも吉村・松井維新の「不都合な真実」が読み取れるとおっしゃっているとおり、読売新聞には
「府によると、複数の感染者が出た高齢者施設など397施設のうち、医療機関が治療したのは74%で、残る26%は医療機関の関与がなかった。」
とあり、産経新聞でも
「第6波で2月26日までに判明した死者799人のうち、重症病床に収容されずに亡くなったのは9割近い706人に上る。」
「高齢者施設で治療を受けずに亡くなるか、入院できても治療が遅れて最期を迎える事態になっている」
という事実があります。
ここに、橋下府政以来続いてきた大阪の医療・保健・福祉の破壊と、今の吉村・松井維新のコロナ失政の結果が現れています。
【#維新に殺される】大阪府の2月3日の新型コロナ感染者が突然1万9000人に。橋下氏の医療保健破壊のせいで大阪市の保健所の機能がパンクし1万2700人分入力できず、いきなり7000人を上積みしたため!
2000年の太田府政・磯村自民党市政で大阪市の保健所は24区に1つずつあったのに、今や大阪市全体で1つにまとめられています。
さらに、2008年からの橋下・松井・吉村府政で大阪府の保健所は9つになってしまい、2000年の3分の1になりました。
そして、維新府政は保健師の削減も進めたので、厚生労働省の調査では、大阪府の人口10万人当たりの保健師数は27・7人と、全国平均の6割程度で、全国ワースト2位の少なさなのです。
大阪で保健師削減をより加速させたのが、橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事時代の2012年に制定された「職員基本条例」です。
この条例は職員数の管理目標を5年ごとに職員を減らすもので、コロナ禍の緊急時でも保健師の定数を増やせない仕組みになってしまっています。
このため、大阪市では厚労省へのコロナ陽性者の報告入力が遅れ、2万人以上の陽性者が報告されない事態になりました。
また、大阪府では1月以来高齢者施設で107のクラスターが発生していたのですが、うち大阪市の92のクラスターは1月10日以来、大阪市から大阪府に報告することもできなくなりました。
そして、大阪府の保健所の業務ひっ迫を理由に、大阪府は濃厚接触者の追跡調査をしなくなり、陽性者への健康調査も中止されました。
しかも、感染が確認された人へ大阪府内の保健所から電話し健康観察を行う「ファーストタッチ」の対象は1月に40歳以上に限ってしまい、2月には65歳以上と重症化リスクのある人のみとなり、さらに外来入院は酸素吸入が必要な「中等症Ⅱ」以上に限られるようになったのです。
大阪市では消防局が高齢者施設に通知を出し、医師や看護師がいるなら119番しないように指示してしまっています。
そのため、大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議の資料によれば、2月17日時点で陽性者が複数発生している高齢者施設と障害者施設は426施設なのですが、その入所者の陽性者3125人のうち、入院できているのは349人(11%)にすぎません。
さらに、426施設のうち、病院での治療や往診など「医療介入」があったのは、158施設(37%)しかなく、6割超の施設は医療機関の手が届いていないのです。
【#維新に殺される】大阪府のコロナ死者が累計で再び東京を抜いて日本最悪に。大阪市消防局は高齢者の症状が悪化しても119番しないように高齢者用施設に指示。これが橋下・松井・吉村の維新の会が招いた地獄だ。
これだけ、大阪の人を多数死なせるコロナ失政を続けている吉村府知事と松井市長は、全く結果の責任を取ろうとしません。
そして、彼ら維新の会は大阪ではカジノ、日本では核共有という亡国の政策を推し進めようとしています。
次の記事では、これもkojitakenさんに先に書かれてしまいましたが吉村府知事の嘘と、いかにマスコミが維新を甘やかしているかについて書く予定ですが、維新禍ともいえる大阪のコロナ死者最悪の政治はコロナのことだけではありません。
全国で維新のまん延を防ぐのが急務です。
だから維新の政治家も政治家でいられる。
それにしてもリベラルブログの老舗、kojitakenの日記さんが「維新主要打撃論」を唱えてくれて、連日記事を書いてくれているのは心強いです。
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「第6波 大阪コロナ死最多」繰り返す医療危機(1)保健所からの連絡は感染判明から1週間後
2022/3/2コロナ, 人権, 大阪, 社会コロナ, 大阪
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新型コロナウイルス感染が急拡大する中で、大阪の医療衛生が再び深刻な危機に見舞われている。オミクロン株は重症化しにくいと言われながら、その感染力の強さから病床使用率は限界に達し、死者数と重症者率は全国ワースト1。保健所は陽性者情報を管理するための発生届の入力も追い付かない。昨年春の第4波で医療崩壊に陥り、保健所業務もパンクした。多くの犠牲者を出した大阪で、なぜ、教訓は今回も生かされなかったのか。(新聞うずみ火 矢野宏、栗原佳子)
「保健所に100回以上も毎日電話しましたが、つながりませんでした。保健所から連絡があったのは、感染が判明して1週間後のことでした」
大阪市内に住む70代の女性から悲痛な訴えが届いた。
40代の長男のコロナ感染が判明した夜、自身も39度近い高熱が出た。翌日、長男が検査を受けた医療機関で調べてもらうと、陽性だった。この女性は糖尿病の基礎疾患もあり、重症化リスクが懸念された。大阪市保健所は65歳以上の年齢や重症者リスクがある人には電話で健康観察を行う「ファーストタッチ」を2日以内に行うとしている。
受話器の向こうの保健師に対し、小言が口をついて出たという。
「あなたに言っても仕方ないけれど、重症化リスクがあるのに、このタイミングなのですか。先生は発生届を出していたはずですよ」
医療機関が陽性を確認すると発症届を保健所に送る。市保健所では多い日で数千もの発生届を受け取り、厚生労働省の管理システム「ハーシス」に入力する。
さらに、患者の地元保健所に連絡して入院・治療方法などを決めるのだが、第6波を迎えて保健所業務がひっ迫し、大阪市では1万人以上の発生届の入力漏れが起こった。発生届が処理されなかった陽性者は保健所から連絡もなく、放置されてしまう。この女性もその一人だった。たまたま医師が基礎疾患などを心配し、承認特例の薬を届けてくれたから助かったという。
保健師は「コロナの24時間電話がある」と教えてくれた。「私は100回以上かけて諦めたのですが、そこからだとかかりますか」と尋ねると、「私たちは一応、伝えなければいけないから言っているだけで、ほとんどの方から『なかなか通じない』とお叱りを受けます」と答えた。女性は「あなたも辛いね」とねぎらい、受話器を置いたという。
保健所の仕事は日常業務にコロナ対応が加わった。医療機関からの届け出を受けて感染者からの聞き取り、入院、宿泊療養、自宅療養を判断。感染者の病院搬送、自宅療養者の健康観察、生活支援に至るまで幅広い業務に忙殺されている。
◆業務過労死ライン
保健所の厳しい状況をSNSで発信している大阪府職員労働組合執行委員長の小松康則さんは「府下の保健所は、第4波、第5波までは何とか頑張って乗り切っていた。第6波に入ってからは感染者が多すぎて処理が追いつかない。朝から晩まで陽性者に連絡して症状などを詳しく聞き、入院が必要だと思われる方には入院調整を行う。大阪市でハーシスへの入力漏れがありましたが、府下の保健所でも入力に取りかかるのは夜遅くになってからで、帰宅はいつも終電。毎月、過労死ラインの残業時間を超える労働環境が続いています」と語り、こう話す。
「所内の電話が鳴りやまない。1台の電話にランプが10個ぐらいついているのですが、すべて光っている。みんなが陽性者らの問い合わせに応じているから電話を取る人がいないのです。一日中、電話の着信音を聞いているので、家に帰ってもずっと耳の奥に着信音が残っていて、おかしくなりそうだと言う保健師もいます」
業務ひっ迫を理由に、濃厚接触者の追跡調査をしなくなり、陽性者への健康調査も中止された。感染が確認された人へ府内の保健所から電話し健康観察を行う「ファーストタッチ」の対象は1月に40歳以上、2月には65歳以上と重症化リスクのある人のみとなり、外来入院は酸素吸入が必要な「中等症Ⅱ」以上に限られるようになった。それでも現場は楽にならない。
2年前の第1波から保健所の人員不足が指摘され、現場からは過労死ラインを超える勤務を強いられている現状が報告され、態勢強化を求める声が相次いだ。にもかかわらず、教訓は生かされていない。その元凶は「保健師不足」だ。
厚生労働省の調査では、大阪府の人口10万人当たりの保健師数は27・7人と、全国平均の6割程度。全国ワースト2位の少なさだ。
現在、府の保健所は9ヵ所。政令市や中核市の保健所を合わせると18あるが、2000年と比べると3分の1。かつて24区すべてにあった大阪市はわずか1カ所になった。
1994年に「地域保健法」が制定され、全国的に保健所の統廃合と人員削減が進んだ。大阪で保健師削減をより加速させたのが、橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事時代の2012年に制定された「職員基本条例」だった。職員数の管理目標を5年ごとに職員を減らすもので、コロナ禍の緊急時でも定数を増やせない仕組みだという。
府職労では一昨年秋、保健師や職員増を求めるネット署名に取り組んだ。昨年4月、各保健所の保健師の定数が1人ずつ増えたが、定年退職者もいるので減員となった。
小松さんは「今は他の局から九つの保健所に約130人が応援に行っています。それでも足りません。応援を出す方も人がいないのです。保健所で8時から5時まで仕事して、終わってから自分の職場に戻って夜中まで仕事する状態。保健所にも府庁全体も人がいないのです。昨年度1年間の府職員の時間外勤務実績は、142万9037時間となっています。府職員の年間所定労働時間で考えると762人分の労働時間に相当します」と、職員減らしが根本にあると指摘する。
◆現場の声聞いて
さらに現場を混乱させているのがトップダウンだ。例えば1月下旬、吉村洋文知事が「保健所の負担軽減」だとして導入を発表した「みなし陽性」。現場の保健師らは何も知らされていなかった。「現場に周知する前になぜ、軽々しく発表して、しかも『負担軽減』だと。それで問い合わせが保健所に殺到して、さらにひっ迫するというのに。『あれだけテレビに出るのだったら、お願いだから府民に謝ってほしい。失政とか言わなくてもいいけれど、保健所は回っていません』と。そう言う保健師さんもいます」
小松さんらは第4波が小康を得た昨年7月、保健師や保健所の事務職員、看護師らとオンライン会見、薄氷を踏むような最前線の実態をまとめ、知事や健康医療部長宛てに「5波に備えてほしい」と申し入れをした。
しかし、結局、そのまま第5波に突入した。「第5波が終わった時に、保健師さんは『今の落ち着いているときに何とかしてほしい』と言っていましたが、何ら対策をやってこなかった。感染症対策の保健師を集めて声を聞くことかできたはず」と小松さん。
大阪では高齢者施設や障害者施設で感染者が出てもすぐに把握できない状態が続いている。入院や宿泊療養させこともできず、それぞれの施設が対応するしかない状態だ。第4波でも宿泊施設には介助が必要な高齢者や障害者、日本語が不得手な外国人は入所できず、保健師らは当時から強く改善を求めていた。
大阪はコロナの死者数が全国ワースト。吉村知事は2月21日の会見で「大阪は死者数が多いと言われるが、致死率で言うと都道府県で真ん中あたり。死者数がなぜ多いのか。専門家に聞いてもわからないのが現状」などと語った。
小松さんはSNSにこう書き込んだ。「お願いだから現場の声を聞いてください。きっとそこからわかることがたくさんあるし、こうなる前にできる対策があったと思う」
大阪府は8日、新たに6509人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
前の週の同じ曜日と比べると、2000人余り少なくなっています。
これで大阪府内の感染者の累計は70万897人になりました。
また、52人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて4166人になりました。
神奈川県では8日、新たに4658人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表されました。
一日の感染者が5000人を下回るのは、ことし1月26日以来です。
また、前の週の火曜日と比べると、1400人余り少なくなっています。
さらに、県内では8日、合わせて20人の死亡が発表されました。
NHKのまとめでは、神奈川県内で発表された感染者は、これで49万9386人となり、このうち1818人が死亡しています。
県などは、依然として感染者数が多い状況が続いているとして、感染対策を徹底するよう呼びかけています。
なお、感染者の数には感染症法上の感染者に該当しない自主療養をしている人は含めていません。
愛知県は8日、県内で新たに4342人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
愛知県内での感染確認は延べ35万3432人になりました。
また、愛知県と名古屋市、それに一宮市は感染者合わせて13人が死亡したと発表しました。
愛知県内で死亡した感染者は1764人になりました。
東京都内、8日の新型コロナウイルスへの感染確認は「10歳未満」から「100歳以上」の8925人で、3日連続で1万人を下回りました。また感染が確認された22人が死亡したと発表しました。
1週間前の火曜日よりおよそ2900人減、7日間平均も1万人を下回り、8日時点で9979.3人となりました。1万人を下回るのは、ことし1月25日以来です。前週の88.2%で、前週を下回るのは25日連続です。
年代別では
▽10歳未満が1791人
▽10代が1247人
▽20代が1250人
▽30代が1416人
▽40代が1521人
▽50代が817人
▽60代が354人
▽70代が229人
▽80代が193人
▽90代が103人
▽100歳以上が3人
▽そして年代が分からない人が1人となっています。
「10歳未満」が全体の20.1%で最も多くなりました。65歳以上の高齢者は658人で全体の7.4%でした。
感染経路がわかっているのは3322人で、最も多い「家庭内」は2295人となり、全体の69.1%を占めました。次に多い「施設内」は20.8%に当たる691人で、このうち保育園と幼稚園で合わせて247人、小学校で184人、高齢者施設で151人の感染が確認されました。
これまでの都の基準で集計した人工呼吸器かECMO=人工心肺装置を使っている重症患者は、8日時点で前日より2人減って67人でした。
22人が死亡 70代から90代
22人のうち、感染経路が分かっている人では高齢者施設内で感染した人が7人と最も多く、病院内で感染した人は6人でした。
22人のうち少なくとも17人は基礎疾患がありました。
都内の病床使用率は46.1%
新型コロナウイルス感染の「第6波」で、大阪府の死者数が東京都などを上回り、全国最多になっている。高齢者施設のクラスター(感染集団)が多発するなど、高齢者の感染が広がっていることが背景にあるとみられる。
全国の16%
読売新聞の集計では、大阪府が第6波の起点とする昨年12月17日から今年3月6日までの感染者数は、大阪府が47万3985人と、東京都より約20万人少ないが、死者は大阪が1041人で、全国2位の東京の637人を大きく上回り、全国の死者の16%を占める。人口10万人当たりの死者も大阪が最も多く、東京の2・6倍の11・78人に上る。
一方、死亡率(感染者に占める死者の割合)でみると、大阪は0・22%で、全国平均(0・18%)並みだ。吉村洋文知事は「医療レベルが低いわけではない」と強調する。ただし、東京は0・09%と、大阪の半分以下だ。人口も感染者も多い東京の死亡率が低くなっていることで、大阪の死者の多さが際立っている。
若者と同居多く
府が死者増加の要因とみているのが、高齢者への感染拡大だ。
厚生労働省によると、人口10万人あたりの80歳以上の感染者数を1週間ごとにみると、1月16日から6週連続で大阪が東京を上回っており、最大1・4倍になっている。
感染した場合のリスクは、高齢者の方が圧倒的に高い。府の集計では、40~50代の死亡率は0・02%にとどまるが、60代以上では1・26%に跳ね上がる。コロナ自体は軽症でも、持病が悪化して亡くなるケースも相次ぐ。死者のうち70歳以上が93%を占める。
「第6波」死者、大阪がなぜ全国で突出するのか…カギ握る高齢者
府内の高齢者施設3439か所のうち9・1%(313か所)でクラスターが発生しており、計5662人の感染が確認されている。府内の感染者が集中する大阪市保健所では、業務 逼迫 で感染者の情報を国のシステムに登録する作業が遅れた。このため、施設でのクラスターの実態把握も遅れ、対策が不十分になった可能性もある
なぜ高齢者への感染が広がるのか。吉村知事は「専門家の意見」として、高齢者と若者との生活圏が近いことが影響している、との見方を示している。
人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率(2020年10月時点)は東京の22・7%に対し、大阪は27・6%。3世代同居の世帯比率(19年国民生活基礎調査)も東京の1・8%に対し、大阪は2・5%で、いずれも大阪の方が高い。
医療にバラツキ
高齢者施設で適切な医療が受けられていない可能性も浮上している。
病床逼迫を受け、府は高齢者施設に対し、感染者が出ても、症状が重くなければ施設内で療養させるよう要請している。重症化を防ぐには早期の治療が重要になるが、府によると、複数の感染者が出た高齢者施設など397施設のうち、医療機関が治療したのは74%で、残る26%は医療機関の関与がなかった。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は介護保険法などに基づいて連携医療機関を指定する義務があるが、住宅型の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)には義務はなく、医療態勢は施設ごとにバラツキがあるという。
府は高齢者施設に対し、入所者が早期治療を受けられる医療機関を確保しているかの調査を今月中旬までに実施する方針だ。
府の専門家会議で座長を務める 朝野 和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は「高齢者施設でクラスターが多発し、高齢世代の感染者が多いのが死者増加の主な原因だ。施設で感染者を出さないよう、職員への研修を強化し、対策費として介護報酬を加算することも検討すべきだ」と話している。
全国ワースト
府が第6波の始まりとする昨年12月17日以降、2月26日までに発表した死者数は計799人。厚生労働省の集計によると、全国最多で、2位の東京都(421人)を引き離している。
人口10万人当たりでも大阪が9・04人と都道府県別で1位となり、全国平均3・07人の約3倍。東京(3・00人)との差が際立つ。
一方、感染者の死亡率(2月26日時点)をみると、大阪は0・19%と全国平均(0・18%)並みで、吉村洋文知事は「医療レベルが低いわけではない」と弁明する。ただ昨年3~6月の第4波や同6~12月の第5波と比べて、母数の感染者数が急増して死亡率を押し下げている面もあり、東京はさらに低い0・07%だ。
第6波で府内の死者の9割を占めるのが高齢者。府は高齢者施設などへの支援策を強化しているが、それでも死者が続出している。吉村氏は高齢者と若者が同居するなど生活圏の近さが影響しているとの見方を示すが、「これが原因というのは、専門家も含めて分からない」とお手上げ状態だ。
施設の対応を調査
医療関係者はどうみているか。大阪府医師会の茂松茂人会長は「高齢者施設のクラスター(感染者集団)が一番の問題だ」と指摘する。
府によると、1月に42件758人だった高齢者施設関連のクラスターは、2月の17日間で107件1601人に急増した。オミクロン株による感染者急増に伴い病床が逼迫(ひっぱく)し、陽性が確認されても速やかに入院できない事情が背景にある。
ここには自宅・宿泊療養のほか、高齢者施設などで亡くなった人も含まれ、茂松氏は「高齢者施設で治療を受けずに亡くなるか、入院できても治療が遅れて最期を迎える事態になっている」と問題視する。
茂松氏によると、一口に高齢者施設といっても、施設ごとにコロナ対応には差がみられるという。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は介護保険法などに基づき、協力医療機関を指定する義務があるのに対し、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型の有料老人ホームについては、国が指針で指定を促すにとどまる。住居の提供が主目的であるためだが、有料老人ホームでも、介護付き施設は医療機関と連携している。
サ高住や有料老人ホームの数は大阪が全国最多で、大阪市内の有料老人ホームの7割以上が住宅型だ。
茂松氏は「感染判明後、早期に対応する施設もあれば、対策などが行き届かず処置が遅れる場合もある。高齢者施設で感染者が出た際の対応を行政がチェックする必要があるのではないか」と問題提起した。府は高齢者施設の対応を調査し、今月中旬をめどに調査結果を取りまとめる方針。
大阪市立大大学院の城戸(きど)康年准教授(感染症学)は経済格差の観点から分析。城戸氏によると、英国の研究で貧困地域のコロナ死亡率は富裕地域に比べて約2倍高いという。
コロナ感染は人口が密集する都市部で拡大する傾向にあるが、厚労省の令和2年度統計で全国20の政令市のうち、千人当たりの生活保護受給者数が最多だったのは、大阪市で49人。堺市は30・2人で3位だった。貧困で身寄りも少なく、医療にかからない傾向があるとみられる。
城戸氏は「収入や教育など個人の社会経済因子が、健康状態や寿命の長さに決定的に関わる」との見解を示す。その上で一般論として「西日本の人は活発に動く県民性があり、コロナ感染に一定の影響を与える可能性はある」と指摘した。(尾崎豪一)
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