
村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)を読み終える。
松本清張賞を受賞したデビュー作『マルガリータ』(文藝春秋)以来、
村木氏の新刊は、けっこう読んできたつもり。
でも、図書館で、こんなに待たされたのは、失礼ながら初めてだ。
直木賞候補でもあったからかな?
お話は、第8代将軍・徳川吉宗の時代・・・
嫡男は、言語も不明瞭でかんしゃくを起こすこともしばしば。
足を引きずり、尿を垂れ流す姿から
「まいまいつぶろ」と家臣から侮られる。
しかし、彼の言葉を聞き取る者が現われた!
それは本当に聞こえた言葉なのか?
後に第9代将軍・家重と「通詞」大岡忠光・・・
陰謀渦巻く幕府で、暗愚と蔑まれた将軍の真実の姿が描かれる。
・・・という小説。
面白く読む。
読みながら、思い描く・・・
吉宗は西田敏之さん、家重は中村梅雀さん。
なんのことはない、大河ドラマ「八代将軍吉宗」のキャストだ。
私の場合、
いまだに北条政子は「草燃える」の岩下志麻さんだし
源頼朝は石坂浩二さん。
平清盛は「新・平家物語」の仲代達矢さんだ。
どうも私はイメージが貧困で、映像に、すぐ影響されてしまう。
しかも、1度定着すると、そのイメージは変わらない。
ひよこのごとく、最初にインプットされたものが
「その人」になってしまうw
キャストを好むと好まざるとにかかわらずで、厄介だ。
だから自分が好きな原作モノは、映像化されても観ない。
昨年「裏大河」とまで言われた、
評判の時代ドラマも絶対に観なかった。
夫は録画をして観ていたが、
「絶対に私の目に触れないように観よ!」と厳命したw
だって、これからずっとあのキャストがチラチラしながら
原作漫画を読んでいくのはイヤだもん。
新刊が出るのを待ちかねて買いに走ったのだ。
わたしが大事に大事に読んできたイメージがあるのっ!
同じ作者の原作である、ゲイカップルのドラマは、
役者さんが好きなのも大きかったが、
あまりのはまりっぷりに、夢中で観たけれど・・・
あれはレアレアケース!
一方、自分が読み損ねた原作ならば、
映像化オッケ~だから勝手なものだ。
今、野田サトル原作の実写映画、
「ゴールデンカムイ」を楽しみにしている。
わたしが気づいたときは、既に何巻も出ており、
後追いして読むのをあきらめた。
それだけに映画で一気に堪能できるのはありがたい。
いつなら行けるか予定と思案中だ。
📷 冒頭画像は海津城を模したと思われる、海津市歴史民俗資料館 。
昨年のちょうど今頃「輪中の城」をめぐっている。
(→「先人のチカラ」)
「輪中」の人々が泣かされた木曽三川。
その「宝暦治水工事」は、家重の時代であり
『まいまいつぶろ』にも登場。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
寒くて、ただいま、旅に出る気になれずにおります・・・