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昨日の大河ドラマ「どうする家康」、第26回「ぶらり富士遊覧」、
最後の最後に、潤殿から、まさかの一言。
本能寺の変を、どう描くのかと思っていたら、
久々に「家康黒幕説」でいくのか・・・と驚かされた。
考えてみれば、徳川家康が主人公なのだから、
彼が中心人物になるのは、あたりまえか・・・w
それにしても、盛りだくさんの回。
高天神城(たかてんじんじょう)の陥落から、武田の滅亡まで、
前半で終了・・・って、ちょっと、あっさりしすぎだけれど・・・
神君・家康公のお話だから、やむをえまいか・・・
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さて、先週、掛川市のイベント
ドラマの進行にあわせ、高天神城をテーマに開催。
講師は、戦国史研究者・小和田哲男氏、城郭考古学者・加藤理文氏、
歴史学者・平山優氏のお三方。
歴史学者・平山優氏のお三方。
シンポジウムでは「紀行潤礼」で案内役をなさった学芸員の戸塚氏が
司会をなさっている。
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本日は、シンポジウムで話題になったことから、いくつか。
個人的には、2021年秋に高天神城には登城したが、
武田と徳川がの争いが、あんなに凄惨な戦いだとは、
想像していなかった。
そういう意味では、映像・ドラマの力は大きい。
講演会のお話が、補完されたというべきか。
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あれほどまでに、武田勝頼と徳川家康が争った高天神城(↑)
陸路では別段の意味はないが、
海路を考えると、俄然重要なポイントとなる。
というのは、当時は「菊川入り江」と言って
海が大きく迫っており、
高天神城は海路を使っての運搬を考えると、要所だった。
ここを武田方に占領されると、
家康は、やむなく、近くに横須賀城(↓)を築き、
高天神の代りに機能させている。
横須賀城の築城は、結果、高天神城後略に大きく貢献。
その後、高天神城が陥落したからといって、
これを利用することも無かった。
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だが、哀しいかな。
令和の今、海は遠くなり、
現在の地形では、かつての高天神城と地域のもつ重要性は、
わかりにくい。
それだけではない。
先生方によると、高天神城は、日本に二つとない城なのだそうだ。
高天神城のように付城を、あれほど築いた(高天神六砦)城は、
全国にない。
戦国時代の教科書のような城とまで、絶賛だった。
「掛川市の皆さん、もっと高天神城を知って、誇りをもってください」
と、お声がけまであったほど。
その高天神城落城の影響は、大きかった。
まず、なんといっても、武田勝頼は、高天神城を見捨てた、
という噂が広まり、信玄亡き後の武田家の威信を、更に失墜させてしまった。
この落城で、武田家の滅亡は決定づけられたといえる。
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(高天神城 三日月井戸)
シンポジウムをからは離れるが・・・
平山先生の最新刊『徳川家康と武田勝頼』(幻冬舎新書)で、
武田亡き後、織田家中にあって、家康の存在意義を指摘している。
信長にとって、家康は武田対策における東の押さえ。
岡田准一・信長ですら、それなりの礼をとって遇している。
けれども、その必要がなくなったならば?
しかも、武田滅亡後の旧領を、
信長から家康に与えられる形をとっており、
既に、家臣の扱いだ。
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家康は、いろいろ考えたにちがいない・・・
いろいろ・・・いろいろとね。
・・・このいろいろが、ドラマでは、
築山事件で瀬名・信康を失った家康に信長を討つことを決意させる
・・・という流れになるのだろうか・・・
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平山優先生は、「月刊・平山優」と、
黒田基樹先生(小田原北条家研究の第一人者)にからかわれるほどw
次々に御著作を出していらっしゃる。
最新刊『徳川家康と武田勝頼』(幻冬舎新書)の前段にあたる
『徳川家康と武田信玄』(角川選書)も読み終えていないのに・・・と
あわてて、イベント後、『徳川家康と武田勝頼』を読んだ。
平山先生のソフトなお声が聞こえるようで、うっとりしながら読了♥
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歴史の中で、何となく知識と知っていたあれこれが
実体をもって迫ってくるというか・・・
そうだったのか、とあらためて感じ入ることばかり。
こういった事柄も、過去の旅の記憶と共に、
ポツポツとまとめておきたい。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
本記事は、以下の本と、私のメモを元にまとめましたが、
間違いや勘違いもあることと存じます。
素人のことと、どうぞお許し下さいませ。
📖参考:
平山優『徳川家康と武田勝頼』(幻冬舎新書)
📷 城の画像は2021年秋に撮影しました。