Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年7月号 トゥルカナで石油発見

2012年12月21日 | カクマタウンとケニア
【写真】 トゥルカナの牧羊者


世界から取り残されているトゥルカナの住人達は、この地方で石油が発見されたことで新たな希望を見出した。

石油が発見されたのはロキチャーに近いトゥルカナ南部。この小さな町は北西ケニアのカイヌクとロドワーの間に位置し、キタレへ向かう高速道路でロドワーから25キロのところにある。黒い金と呼ばれる石油は、ロキチャーからおよそ20キロのカラパト村とコデコデ村のヌガミア1という場所で発見された。

この地域は長い間、政府から軽視されてきた。半砂漠地帯のため、農作物を産出できないからだ。そのため地域開発や公共設備などは、他の行政地区から遅れをとった。住民は遊牧民や牧羊者で、乾季のときは生活が不安定になる。貧困、文盲、失業なども彼らの間では大きな問題だ。カクマで難民キャンプが設立されると、トゥルカナ地方の何百という世帯がカクマタウンと難民キャンプ周辺に移動した。

石油発見はトゥルカナ地域全体を確実に変化させるだろう。問題は地元の村、難民そして国全体がどの位の利益をこうむるかということだ。地元では非常に大きな期待がもたれている。公共設備の開発により住環境が改善されると住民たちは楽観的だ。「これは我が国と人々への恵みの雨だ」と、地域の羊飼いエクタンは言う。

無職の若者たちも仕事にありつけると楽観している。現在、当局によると、すでに求人が始まっていて、建設会社と石油発掘会社など数社が事業を取ろうと競い合っている。トゥルカナ地区情報担当官はKANEREに「もうすでに2か所の井戸が掘られている。石油資源は国を挙げての開発になるだろう。投資家たちと互恵の取り決めがすでに始まっている」と語った。

一番乗りは英国の石油会社だったが、中国も以前ケニアに投資したことがあり、同じく関わりたがっている。また政府の担当者も個人投資家を投入しようと考えている。情報担当官も「多くの競合した関心が寄せられている。だれもが投資家を望んでいる」と言っている。

アルデンという企業は、石油がまもなく抽出されるヌガミア1井戸で、最初の準備から関わっている。ロキチャーでは事業が景気づいており、その他の部門もこれに続きそうだ。

キタレからロドワーへの道路の修復にも期待がかかる。北西の回廊と呼ばれているこの道路はキタレとロドワーをロキチョッジオまでつなぎ南スーダンまでの高速道路になる。この道路は季節によって現れる川の蛇行に悩まされてきたし、悪路が原因で長年にわたり多くの事故を引き起こしている。このことでカクマ難民キャンプへの救援物資の輸送も大幅に制限されてきた。整備された道路ができれば学校や病院、その他の公的、社会的環境が整うだろう。その中でも一番大事な問題は、この地域での雇用が生まれることだ。多くの若者に笑顔をもたらすことだろう。地元議員もKANEREに、「熟練を要する仕事が生まれ、大半の住民が何らかの仕事に就けるはずだ」と語った。

国内的には、政府が正式な石油開発の政策を打ち出すだろうと言われている。近い将来、石油が市場に出回れば、国内の高い燃料価格が下がり国民に恩恵をもたらすことだろう。

KANEREはこれからも飢えている人々の味方であり続けたいと思う。


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