【写真】 事故を起こした フィルム・エイド の車両
フィルム・エイド・インターナショナル が保有する NGO の車両が、キャンプ居住区付近で難民の少女を死亡させる事故を起こした。
事故は2016年10月7日11:30 頃、ゾーン1ブロック4の、居住区を貫通しカクマキャンプの主な地区をつなぐ主要通路上で起きた。犠牲者は、カクマの南スーダンコミュニティに住むエマニュエル・アダハさん の娘 ベアトリス・アダハちゃんで、事故の後にすぐ亡くなった。
ベアトリスちゃんは道路を渡って端まで来たときに、スピードを出した車両に突然撥ねられた。ベアトリスちゃん はキャンプ内の モガディシュ 小学校のクラス1 の生徒で、昼休みに昼食をとるために学校から帰ろうとしているときに事故に遭った。
母親のドラさんは、大きな悲鳴と群衆の叫び声を聞き、瞬時に娘の死を悟ったという。「騒ぎを聞いて家から飛び出した時にはもう、娘が道の脇に倒れ、頭部から血があふれ出ていました」と、ドラさんはKANEREの取材に答えている。
【写真】 娘を失った家族
「娘の体は埃にまみれ、血で濡れていました」 ドラさんは不信感も露わにKANEREに語った。家族は、キャンプの墓地に子どもを埋葬し、その死を悼んだ。
通行人が悲惨な事故の様子を報告している。スーダン出身の難民、サンティノ は、「子どもの頭が粉々になっていのを見て、ぞっとし、これは助けられないと思いました」と語った。
事故の現場を目撃した数人は、運転手が飲酒していたと証言し、アハメドによると、「運転手は乱暴で、酔っ払っていた」という。
遺体は、現場検証をした交通担当警察により回収された。
キャンプ内の居住区は、建物が道路のどちらかに面するように、直線的に配置されている。通学する子ども達や、キャンプにある大規模マーケットセンターを行き来する一般の人々により、道路はよく混雑する。
死亡した子どもの家族は、裁判を起こそうと、警察で供述記録をとった。カクマ警察で記録されたこの事例番号 30/07/10/2016 は、12月現在、裁判所に届いておらず、難民対人道支援団体の事例で定められている法律に違反している。
KANEREの取材に答えた家族の一員によると、重大性を薄めて裁判所に持ち込まれたため、裁判は行われず、法的な保護も受けられないとのことだった。
ベアトリスちゃんのの父親 エマヌエル・アダハさんは、法的支援のアドバイスでフィルム・エイドのオフィス歩いていた時に、職員にひどいことを言われたと言う。「私が南スーダン人であるため何も権利が無く、この事件について当団体と議論する法的権利が一切無いと言われました」
「私は嫌悪感を覚え、フィルム・エイドのカクマ事務所のこの職員に恐れをなしました」 KANEREの取材に対し、エマニュエルさんは自分が経験した厳しい試練について、こう語っている。
2カ月後の12月8日に、この事例はカクマの区域治安裁判所にて、第一回公判までたどり着いた。2017年2月17日に第二回公判が開かれることになっている。
フィルム・エイドのカクマ事務所は、KANEREの問い合わせに対し一切のコメントを拒否した。
故人の家族は、今でも裁判と組織からの補償を待っている。
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