Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年12月号 難民になるための要件

2013年04月28日 | アート
ルワンダ・ガサボ

ある日、金持ち父さんが息子を旅に連れ出した。難民の生活を息子に見せたいと思ったのだ。父子は貧しい難民の家族が暮らすキャンプに滞在した。帰宅途中、父さんは息子に「難民がどんな暮らしをしているか見ただろう?何を学んだかい?」と尋ねた。息子はこう答えた。「僕らの家にはプールがあるけど、難民キャンプには『LAGGA』というかっこいい名前の川がある。一年のうち決まった時にだけ現れる川だよ。僕らの家にはランプがあって夜になると点くけれど、キャンプには大体星があるね。パパ、ひとつ変なことがあったよ。僕らは食べ物を買うけれど、難民は食べ物をただでもらうために2週間ごとに列に並んで、そこで殴られている人もいたね。僕らは家の壁に囲まれていて安心だけど、難民は藁ぶき屋根の家の周りに友達がいるんだよ。ねえ! 僕らには百科事典があるけれど、難民には聖書があるね」。そして息子は言った。「パパ、僕らがつまらない生活をしているかもしれないことを教えてくれてありがとう……」

「難民になるのは大変なことではない。ただ、信念や教育、政治的意見のため、あるいは鉱物資源の豊かな土地に住んでいるというだけで難民になりうるのだ」

大事なのは、何を持っているかいないかではなく、自分が何者なのかということだ。難民の面倒をみてくれるのは――神だ。難民のアイデンティティはそこにある。


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