2013年8月号 詩：「国連難民高等弁務官事務所さまへ」 アイェロー作

俺たちは微生物みたいなものだ
乾いた川床にいる微生物
地球や風や生まれた国に、よってたかって苦しめられる
母国に捨てられ　地球に焼かれ
風に吹き飛ばされ　貶められ　もう傷だらけだ
仲間もいない　我々にあるのは、
大事な国連難民高等弁務官事務所さま、あなただけ
命は風によって蝕まれ
砂のように飛び散る
この世の恵まれた方々は
一息つく時間もあれば　砂浜に寝転がることもできる
頼むから　こっちのほうにも目を向けてくれ
俺たちはいつだって　ここにいるんだから
風に吹き飛ばされ　舟ごと沈んでいるかもしれないが
輝く砂浜の向こうから、こっちを見てほしい