2010-11年冬号 詩 “流血の惨事はもうたくさんだ”

 

50年におよぶ戦争で 

おびただしい命が失われた 

死体に群がる鳥、野獣 

老人も、若者も、もがき苦しむ 

罪なき者の血が川に流れる

ほんの一握りの仲間を解放せんがために

流血の惨事はもうたくさんだ

叫びを聞いてくれ！

未亡人と孤児の叫びを！

暗いジャカランダの林に残っているのは誰？

青々と茂る草原が

苦悶の戦場になり

意味のある人生が無意味になった

国家の主権を求めて、一致団結しよう

流血の惨事はもうたくさんだ

 

遠くに古い家が見える

住み心地のよさそうな家、だが恐ろしい地雷だらけの家

死体に囲まれた家

苦悩はもはや散り果てたが

道に流れ出した血が

青々と茂る草原を染める

戦いをやめ、責任を担うべきだ

流血の惨事はもうたくさんだ

 

家から遠く離れたジャングルで

不安と恐怖にさいなまれる

眠れぬ夜、それでも一日が始まり、そして終わる

敵はいつでもやりたい放題

連行、虐殺、虐待、不正、もううんざりだ

屈辱も、不名誉も

腰を下ろすと、尻の下は青々とした故郷の大地

流血の惨事はもうたくさんだ