@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

持ち手元(根付け)交換

2018-05-18 03:07:41 | 過去のブログ2021年10月まで
ビジネスバッグの持ち手元がちぎれてしまっています。
持ち手もそうですが持ち手元も非常に傷みやすく、他は大丈夫でもこれだけでもう持てません。




持ち手元作成と縫い付け(2ヶ所)。
外れているのは片方だけですが、
革の色が変わるので両方とも交換します。

持ち手がついているカバン本体の内側に、金属の芯が入っています。芯はカバンと持ち手元にネジでしっかり固定してあります。つまりこの芯を外さなければ、持ち手元とカバンを縫い付けることは不可能です。金属の芯が針を通さないからです。
そしてこの芯を取り外すためにカバンのかぶせの部分は全部縫い目をほどきました。
↓芯が入っている開いたカバンの内部です。


ネジはドライバーで外れるようになっているはずでしたが、
固着してしまっており2ヶ所とも壊さないと無理でした。


破損したネジに似た組ネジを用意しました。長さが合うようにネジは加工しました。


そして似た色の革で持ち手元を作成し、カバンに縫い付けてから芯をネジで固定し、縫いほどいたかぶせの部分を縫い直します。
今回のカバンは構造上、
通常より難しい工程が加わりました。


↓修理後


Church's新品サンダルの半張り

2018-05-18 01:49:30 | 過去のブログ2021年10月まで
英国のブランド"Church's"(チャーチーズ、日本ではチャーチ)の新品サンダルです。
昨年末あたりから茫然と過ごしていたので修理する靴の変化を見て季節を感じます。お洒落なピカピカの靴で目も覚めました。


アッパーもソールもすべて革です。
前のソールにゴムを貼ります。
何度か書いていますが、
新品のうちから前を貼っておけば
靴底本体のすり減りや傷みの予防と歩いた時の滑り止めにもなります。
特に新品の革底靴は本当によくすべります。
カカト交換と平行して前のソールに貼ったゴムも傷んだら新しくはりかえれば靴底本体は傷みにくく長持ちするという考え方です。


↓ゴムを貼る手前の作業



↓修理後


革底靴にゴムを貼るのを好まない方もいます。革底は革底本来のままで履くというのも良いものです。
革底の良い点は履き心地と通気性の良さなど。悪い点はは水(雨)に弱いこと。滑りやすいこと。雨の日に革底靴を履いて長時間歩くと、どうしてもじんわりと雨水が染み込んでくるので。雨の日は履かないと決めていても、途中で降られることもあります。
ゴムを貼れば滑りにくくなり、防水にもなりますが通気性は落ちるでしょう。どのように履くかは人それぞれで、どれがいいというものでもありません。手入れしながらガンガン履いて、傷んだらオールソールでも。
新品のうちは革底で履いて、ある程度傷んだら半張りしても良いですね。
好みに応じて修理の方法もタイミングもいろいろです。

私は革底靴で派手に転んだことがあるので、わりと早めに貼ってしまいます。