@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

ベルトの修理

2017-07-07 01:26:04 | 過去のブログ2021年10月まで
↓修理前
ベルトの表面の一部がはがれてます。
これは合成皮革?
と思いきや薄い本革。

裏はたぶん床革。
真ん中の芯がぼろぼろ
…これが革ではなくて、
合成のなにかか、または厚紙っぽい。
まさかのサンドイッチ。
ベルト穴があいてる部分だけがまるまる傷んでましたので、真ん中の芯の傷んだ部分を革にはりかえます。
表面の破れた薄い革も似た色の新しい革にはりかえ。




↓修理後






スタック巻革交換

2017-07-04 04:29:37 | 過去のブログ2021年10月まで
ヒールに巻いてある
層になった革をスタックといいます。
片足、穴があいて下のプラスチックが見えています。
スタック巻革交換の修理です。
↓修理前


この状態から艶がでるまで紙ヤスリで
延々と削ります。
既製品のようにピッカピカにしようと
本気で削るなら
丸一日でも削り続けないと。
私は慣れておりますので
控えめにして片足3~40分あたりで。
これでも遅いほうなのかもしれません。




↓修理後





巻革交換は力仕事であると同時に
非常に繊細な作業です。
ヒールの取り外しでは
頑強にくい込んだ片足につき4~5本の
釘やネジを抜くので
手はマメだらけ(そしてつぶれる)。
ニッパーが滑って手に刺さって流血。
砕けた釘の破片が顔に飛んでくる。
血ィでる汗でる涙でる…


新人の頃、
巻革交換
ヒールの取り外し
ヒールの取り付け
全然できなくてほんとうに泣きながらやってました。

今ではマメも作らず昔よりはスムーズに作業しております。ネジ切れてプラスチックの中のほうで折れてしまったネジも抜けます。