@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

ラウンド長財布、内張り交換(一部)

2018-08-08 01:21:26 | 過去のブログ2021年10月まで
2ラウンドファスナー型長財布の一面部分です。
内ポケットの革が破れ、内張りも破れています。
一面分のみ革と内張り布の交換です。
↓修理前






財布はコンパクトな中に多数のポケット機能(札入れ・小銭入れ・カード入れ等)が凝縮されています。
内張りを交換したい場合、
財布をほぼ解体しないとなりません。
解体して傷んだパーツを新しく作り、組み直し、元の縫い穴をひとめひとめ縫います。
工程も多く金額も大きくなります。
普通のサイズのカバンを直すより高くつくと思います。



↓修理後



BIRKENSTOCKサンダル修理

2018-08-07 01:17:41 | 過去のブログ2021年10月まで
靴底がつま先からはがれています。
それとつま先とカカトの減りの部分修理です。
ビルケンシュトック純正の靴底資材がありますのでオールソールもおすすめしましたが、今回は剥がれかけのソールの再接着とすり減ったつま先とカカトの部分補充でということでした。

↓修理前





ソールは一見一部しかはがれてない場合でも、少しの力でベリッと外れてしまうものです。
全部外せるなら全部外してしまって
ゴミや汚れや古い接着剤を可能な限り除去し、素材に合った下地処理を施してから接着する。
ただ貼り付けるだけではなく、案外と工程とかける時間は多いのです。
通常の靴用接着剤と相性の悪いウレタン含む合成素材の見極めは困難なものもあります。これは大丈夫と思ってひとつの工程をおろそかにすると、接着剤がつかなかったりすぐはがれるということになります。ソール再接着修理はよく来る項目でありますが、非常に侮れない作業です。






↓修理後





カカト修理 プルリボール

2018-08-04 01:35:26 | 過去のブログ2021年10月まで
ソール一体型で薄めのソールシートタイプのカカト修理は、すり減った部分だけ別の資材で継ぎ足します。
↓修理前



↓修理後


元のソールの滑り止めドット柄に合わせて使用したのはイタリアVibram社の『プルリボール』です。
強い耐滑性能があるゴムシート…滑りにくいってことですね。


一体型ソールのカカト修理はあらかじめ交換することを考慮してあるリフト付きの靴よりグッと工作感が増します。まさに"取って付ける"わけですから。"違和感なく綺麗な仕上がり"を目指し続けておりますが、靴修理をやり始めたばかりの頃は精一杯やっても"イマイチな仕上がり"でした。
その時のお客さんに言われました。「こんなん子供の工作みたいで、わしでもできそうや」
そしてそれはまったくその通りなのでした。あの頃私はほぼ毎日お店が終わってからも残ってカカトを削り続けていました。どうやったらうまくできるようになるのかと泣きながらずっと削っていました。

今は楽しいと思って削っています。