それは、本棚に並べられている他の雑誌とは明らかに違っていた。新品には違いないのだが、多くの人の手に取られ閲覧された形跡がその容姿から簡単に想像できた。私も魔力に吸い寄せられるように、他の雑誌には目もくれず手にとって閲覧する。パラパラとページをめくり、元の場所に戻す。廻りをよく観察すると、どうやら最後の1冊らしい・・・・。私は、その場に立ち竦み考えを巡らす。「待ちくたびれたよ」とでも言いたげな雑誌を見つめ私は、他の書店に行けば新品が手に入るのかもしれない、いや売り切れているかも知れないと悩みながら数分後には、その雑誌の支払をレジで済ます。
友人が買ったとメールを送ってきてから、心のどこかに気になっていたGT-Rについての雑誌だった。私は過去一度だけGT-Rに乗ったことがある。ほんの数分のいわゆるチョイ乗りなのだが、ガングレーのR-32GT-Rのシートに身を沈めステアリングを握る。その気にさせてくれる気持ちが一瞬で伝わってくる。はやる気持ちを抑えながら静かにアクセルを踏み込む「化け物だ!」と直感で感じる凄さがこの車の性能を物語っていた。専門家の方々は色々なご意見があったようなのだが、私はこの車を初心者マークの人でも買えると言うことが正直凄いと感じていた。車を降りてキーを渡した時の叔父の誇らしげな笑顔が忘れられない。
今度の新型は、かなり凄いらしいと言うことがこの雑誌からヒシヒシと伝わってくる。私はGT-Rのレンタカーがあれば、すぐにでも予約して乗りたいと切望する。「せめて買えないから、レンタカーで気分を味わいたい」と素直に感じるのは私だけであろうか・・・・・・。友人に「早く乗せてくれ!」と催促のメールをするしかないなぁ~。