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チューリップス・シスター第3話

2016-07-18 07:33:34 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第3話 姉妹の教会での行動

真理と美咲、双子の姉妹の教会での行動は、まったく正反対の行動であった。
叔父は二人を引き離す事を反対をしたのだが、神父の言葉に従う事になった。
真理と美咲の極端に違う行動によって、今後の姉妹の成長と生活を見守る事になったのである。
見守ると思っていても、見守り方は、人それぞれ違う。
神父の見守り方は、美咲に対して接触は持たず、美咲が求めてくるのを待つ事だった。
叔父夫婦の真理への見守り方は、常に接する事、そして真理の為に環境を作り出す事であった。
3才になる姉妹は、この日を境に別々の人生を送る事になったのだ。
二人が唯一姉妹として会えるのは、年1回の誕生日の日だけである。
神父は、子供の成長は早く、3カ月事に発達と成長の違いを見定める必要があった。
これは、神父の考えではない。
神父は、ある能力を持っていたのである。
その能力によって、ある者からの言葉によって、神父は動かされていた。
イエスの声や精霊の言霊とは違い、神父の心に響く、神父の中で眠っていた神の囁きの言霊である。
2人の誕生日は6月29日である。
もうじき3才の真理と美咲は、2人でいる時は何故か物静かで、笑みは浮かべるが大人しいものであった。
2人でいると物静か、2人を引き離すと、極端に人生の中に有る生活感が変わる。
生活環境だけが、この姉妹を変化させるのではなかった。
神父の心に囁く声は、神父の心に常に姉妹の生き方への導き方を指示するかのようだ。
神父には真理と美咲の心の音が、時計の針が回るように、真理は早く回る秒針の鼓動の音、美咲は時間を刻む静かな音。
そして神父の心の中にある言霊によって、ある光景が浮かび上がる。
真理は水平線の見える海、美咲は森の中にある湖、そして海と湖は見えない地下深くで繋がっている。
真理は自由に海原を飛び回り、美咲は静かな森の中で何かを待っているかのようだった。

その心に描かれた光景は神父の心に抱く思いの引き出しの中に封印して、神父の覚悟として言葉に出す事はなかった。
幾つもの引き出し、いつでも開ける事が出来るよう、真理と美咲の為に神父は自分自身の寿命という覚悟をしていた。
姉妹の未来の人生を覚悟を持って、後に真理と美咲の人生を導く事になる。
教会で見た真理は、笑顔を持ち、素直で真っ直ぐな性格人格を持ち行動していた。
叔父夫婦宅にいる真理は、笑顔を絶やさなく、多大で豊かな好奇心を持っていた。
叔父夫婦にとっては、心を癒してくれる子供となっていく。
一方、美咲は独りになると感性個性なのか、沈黙する何かを抱いていた。
美咲は、施設では部屋に引きこもり、外に出た時でも、他の子供達と関わる事はなかった。
毎日のように小さな声で床に座り、美咲は何かを呟き囁いている。
神父は修道院での話し合いで沈黙した何かを見つける為に、美咲に1冊のスケッチブックを渡してみる事を考えた。
神父の思いは通じたのか分からないが、美咲は初めて顔を上に向け、神父の顔を見つめ神父が持つ物に興味を持った様子だった。

その後、美咲は与えられた自分だけの部屋に閉じこもり、絵を描くようになっていく。
スケッチブックがなくなると、美咲は、部屋を出て歩き、描き終えたスケッチブックを神父に渡す。
そして、神父は、新しいスケッチブックを美咲に渡す。
神父と美咲との関係は、これだけであったが、その絵は美咲の思いが描かれ何かを求めるかの様だった。
美咲は、施設にいる間は何も言葉する事はなく、笑顔を見せる事もない。
姉妹二人でいる事で神父は、心に持つ光景を思い出す、そして真理と美咲の成長が遅れる恐れを感じていた。
見た目では正反対の性格と、愛情の捉え方の違いがあった。
これからの二人の人生がどうなっていくかはわからない、美咲には、真理ではない多くの友を必要としている。
神父はスケッチブックを渡すだけだった。
美咲への対応を修道院や孤児施設の職員と常に話し合いをして成長と共に関わり方を決めていくが、施設での生活の中で他の子供達と接する事は一切なかった。

美咲にとっての「友」とはどういうものなのだろうか、まだ神父には気づく事が出来なかったが、決めていくのは美咲自身だと思うようにしていた。人類の世界では見える「友」とは、人間である。しかし、美咲にとっては、現実にあるものではなかったのかもしれない。神父は聖書その他書物の読み返し、この世界中の出来事の由来にまつわるものを全てを調べはじめる。ある時、神父の心の中で囁く言霊があった。
この囁きは、これまでの囁く言霊ではなく、美咲の成長と共に囁く言霊は変わっていく。

「神父よ、貴方は、きっと気づく時が来る、美咲は、もう何かを見つめはじめている」
常に変わる言霊は精霊や妖精、心の神であったりする囁く言霊達の言葉である。
この頃には、まだイエスが真理と美咲を導く為の言霊は無かった、イエスの伝令の言霊は遠くに離れている場所にあった。
叔父は、真理を養女として引き取り、神父は美咲の身元保証人となり、教会の修道院に預ける事になった。
しかし、いつになっても美咲は、他の子供達と遊ぶ事はない。
神父が一緒にいても最初だけ、あとは自分の部屋に閉じこもり小さな声を呟き机に向かい椅子に座りスケッチブックを見つめるだけである。

美咲に神父は最初にクレヨンとスケッチブックを渡したが、その後クレヨンを渡す事はなかった。何故だろうか、神父も施設職員も不思議に思い、1日7回巡回し確認をしていた。そして、美咲はクレヨンを使用した形跡がない事を知る。
美咲が描くものは、クレヨンを使わずにスケッチブックに見つめるだけで描く事が出来る、心の中と瞳に映し出されたイメージがスケッチブックに描かれていたのだ。


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