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チューリップス・シスター第19話

2016-10-07 18:08:46 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第19話 勇介の推測と祈り

「時の煌子よ、人類を導く者達を見極め探し出すのだ、時の煌子の能力は心の神と聖霊と共にあるのだ、思う存分、時の煌子の全ての能力を発揮させよ」
勇介が警察に電話連絡をしたのは何故か、それは世界の神々ゼラトウスからの指令と導きであった。
警察署に電話をかける前、受話器を手に持った時、世界の神々ゼラトウスからが創り出した次元の違う仮想空間の幻想世界に勇介は導かれる。

未解決事件担当の刑事と出会い話し合うと勇介は2人の間では大結界の絶対空間を創っていた。
勇介と未解決事件担当の刑事の間での未解決事件の出来事は誰にも知られてはならないからだった。
未解決事件を再捜査で謎を解き割り出していた、謎めいた奇妙な未解決事件ばかりを捜査する特異的能力の持ち主だった。
現在7人で未解決事件の再捜査はしていると未解決事件担当の班長である刑事は勇介に話す。
その7人とは、いわゆる窓際で常に目の前にある事件捜査に相応しくはない変わり者の刑事達だったが左遷され未解決事件の捜査員7人のチーム達であった。

「加害者とは現実逃避で想像の世界観や価値観を抱く事によって自分だけの世界を創ってしまう、先入観では自分が見た事の全てが真実として脳に記憶され、本当の真実を信じる事が出来なくなってしまう、自己暗示では自分が正しいと思い込みが激しくなり否定されたくはない否定する相手に固定観念で接してしまうと価値観によってトラブルが起きる、薬物に依存では現実逃避や先入観、自己暗示など、薬草系の植物は人体に毒にもなりハーブ系の植物も人体に毒になる事、科学で創り出された薬物によって誘導されてしまう、これらの視点から様々な犯罪という事件が起きるのでしょう、まるで自分自身を見失い何かに導かれ幻想の世界の中にいるように、また病院や施設、一般家庭、様々な場所である不審な死を遂げた全ての死亡者は、遺体の司法解剖に回される事はなく、失踪者はある程度の段階で捜査を断ち切り、先入観で見ていたら物事や捜査が長引き、過去当時の事情聴取した不審な調書を信じるしかないですよ」
未解決事件の捜査に長く関わった未解決事件担当の刑事は、勇介に話した。

「凄い分析力ですね、僕には良く解かりませんが貴方とは話があいそうです、もしもですが次元の違った世界があるとしたらどうでしょう」
勇介は未解決事件担当の刑事を試すかのように言葉を返していた。

「犯罪を犯した人達は、いつしか罪の意識が増幅し夢の中で見たり、幻覚のように過去を振り返る事でしょう、そして体の寿命を縮める事もあり、心の中で罪悪感に囚われる事もあるでしょう、そして時効を迎えて警察署へ出頭したりする事もあります、それは憶測ですが自分自身が創った、次元の違った世界の中で生きていたのかもしれませんね」
山本刑事は考える事無く会話に間を空ける事もなく笑みを浮かべ、すぐに勇介に答えた。

刑事でも一般人では気づく事のない世界感や価値観を持つ未解決事件担当の刑事は、世界の神々ゼラトウスから導かれているのではないかと勇介は思った。

「他の6人の刑事の方々も同じような価値観なのですか?」
勇介は未解決事件担当の刑事に聞いた。
「まずは先入観を捨てる事が出来る警察官と言うべきでしょう、それに組織には合わないのかもしれません」
未解決事件担当の刑事は何かに導かれているように話す。
「他の6人の方は、他の事件を追っているのですか?」
勇介は未解決事件担当の刑事に何かを確認するかのように聞いた。
「いいえ、必ず7人で1つの未解決事件を担当します、ですから現在捜査しているのは1つだけです、真理さんと美咲さんとも会いたいのですが」
勇介は、会話の途中だが世界の神々ゼラトウスの伝令で「導く者達を見極め探し出すのだ」との言葉を思い出していた。
未解決事件担当の刑事の見た目は普通だったが、真理と美咲の関わる未解決事件に関わる7人の警察官は現実的には組織の中では優秀すぎて厄介者という事か?
もしかしたら特異的能力を持つ人物なのか?勇介は班長の刑事と合うと違和感というよりも奇妙で不思議な感覚を抱き思いながら会話を続けていく。

「それは今現在は、無理なんです、真理さんと美咲さんは療養中なので、しかし修道院の施設には美咲さんの絵画があります」
「それは有りがたいです、絵画から心理を分析できる刑事もいますから、真理さんとは合えますか」
「真理さんなら大学に通学していますので、真理さんの2つの部屋を見れば壁画があります、部屋にいない時なら大丈夫でしょう、しかし僕が同席する事が条件付きですが」
肯定も否定もしない先入観の感覚を捨ててしまっているのか?と勇介は思いながら笑みで話す。
「その条件で構いません、壁画ですか?それは有りがたいです、分析官が過去を割り出す事が出来るかもしれません」
勇介と未解決事件担当の刑事の会話は途切れる事なく、まるでリズミカルに会話は続いた。

未解決事件担当の刑事は、10年から20年以上前の未解決事件を解決に導いていた、導けば導く事に山本刑事にある直感で調書を読み返すと、全ての未解決事件は先入観が未解決事件を作っているのかと、思うようになったようだ。
未解決事件担当の刑事達は、完全に先入観を捨て事情聴取調書の全てに常に疑問を持って未解決事件の捜査をしていた。

「時の煌子よ、人類を導く者達を見極め探し出すのだ、時の煌子の能力は心の神と聖霊と共にあるのだ、思う存分、時の煌子の全ての能力を発揮させよ」
勇介は再び世界の神々ゼラトウスからの伝令を思い出しながら、世界の神々ゼラトウスが創り出した次元の違う仮想空間の幻想世界から、現実の世界に勇介は受話器を持ったまま戻り警察署へ電話をかける。

7人の捜査員が佐々木直継と高子、双子の真理と美咲の周囲での未解決事件を捜査を始めようとした頃に、勇介からの電話連絡を未解決事件担当の刑事は受ける。
「未解決事件担当の方がいましたら相談をしたいので、お願いします」
「しばらく、お待ちください、担当部署に繋ぎます」
「はい、未解決事件捜査課です、代わってください」
「神父の勇介といいます、電話で失礼します」
「担当の山本といいます、構いません、神父さんですね、どうしましたか?」
「僕を知っているのですか?」
「ええ、これからそちらに訪ねようと思っていたんです」
電話に代わった担当の刑事は「山本」といった。
勇介は、事件の詳細を教えてもらいたいと聞いたが、事件の詳細は電話では話せないと断られた。
しかし、なぜ2枚の絵だけを警察の証拠物件になっているのかと聞くと、山本刑事の言葉使いが変わった。
山本刑事は、勇介が絵の存在を知っている事、そして勇介の話し方で先入観がない事で、事件について何かを知っているのかもしれないと思ったようだ。
2枚の絵画については今現在は分析中と言われたが山本刑事は勇介が推測した話をすると、その話に興味を抱いた。

勇介は、母親の佐々木高子の失踪と銀行支店長の殺人事件の関連性について話し、真理と美咲の事は話さなかった。
未解決事件の捜査は何処まで進み知られているのか、勇介は5人の精神科医と数人の警察官の辞職、真理と美咲の事は何も言わず電話で話し試していた。そして、警察にある2枚の絵を見せてもらえないかと、勇介は山本刑事に言った。
勇介は、出来る事なら2枚の絵を返してもらいたかった。

美咲の描いた2枚の絵を分析をしている時、心理学者が何度か美咲の絵を見つめると奇妙な感じを受け体調を崩し、他の分析官も同じような症状に見舞われ、たらいまわしにされて中断していた。
その末、分析は出来ずに美咲の絵は警察で保管されているという、山本刑事の言葉だった。

「やはり、科学的には無理だったか、病院内の美咲の病室で感じていた通りだ」
勇介は大学病院へ行った時、美咲の病室で病院勤務の精神科医や看護婦が体調不良の同じ症状であると思った。
先入観を持つ人間の体に頭痛や嘔気嘔吐、口渇、立ちくらみ、耳鳴り、幻聴、体の痺れ、体の痛み、無気力、脳圧迫感などの症状である。

「トランシルバニア」「バチカン」「イスタンブール」等での歴史上にある奇妙で不思議な出来事を、勇介は思い出していた。
「捜査線上に、真理さんはどう関わっているのですか?」と、勇介は聞いた。
「真理さんとは誰ですか?」と、知らないふりをする捜査官だった。
「もう、ご存知なのではないですか?」と、会話のやり取りで勇介は何かを感じながら聞く。
「全てを知っているわけではありません、未解決事件の捜査に協力して頂けますか?」と、捜査官は勇介に協力を求める。
真理も捜査線上にあがっていたが、1度だけ事情聴取はしていたが、参考人や容疑者からはずされていた。
この会話で勇介と山本刑事は何かを試しあっていた事に、互いに気付いていく。

真理には大学にいたというアリバイもあり、ナイフの刺し傷の深さから考えると、当時の幼い真理には無理だと判断されていた。
大学へ入ってから、しばらくの間は離れの新しい部屋に閉じこもり、真理が叔父夫婦の家にある以前の部屋に入ったのは成人式の時だけであった。
叔父夫婦には、今の苦しむ自分を見せる事はできないと考えていた、真理だった。
もし、叔父夫婦に会ったとしたら余計な気持ちや心配をかけてしまうと思い、離れの部屋の電話の声だけで済ませていた。
大学に通うこの頃の真理には以前の笑顔になる事が出来ず、顔を合わせる事が出来なかった。
叔父夫婦は真理の成長していく姿と笑顔を見る事で「幸せ」を感じていて、その気持ちを裏切る事は出来ないと思っていた。

真理は孤独感の苦しみと魔性世界の魔物や呪いから解放されたいという気持ちで、教会にいる勇介に全てを打ち明ける。
真理は勇介との出会いで、現実の世界で唯一信頼関係が保てる相手だった。
「私は産まれる前の事から全ての出来事が記憶にあります、美咲と同じように母のお腹にいる時は、美咲との会話で楽しんでいました」
「そうですか良かった、本当の自分を見つめられ正直になれましたね」
「産まれてからも美咲と同じ事を考え思い、母が失踪してから何をしているのかを感じる事が出来ていたのです」
「そして、罪の意識を感じるようになった、そうですね」
「はい、これまでの過去を持つ私が罪の許しを求めてもいいのですか?」
「心の神は、もうすでに真理さんや美咲さんを許していますよ、聞こえませんか?貴女は貴女のすべき事をするだけでいいんです」
勇介は、静かに話しを聞き優しい声で真理を導き始める。
そして、全てを知っているかのようだった。

勇介は、真理と美咲の関係や繋がりを美咲の描いた「炎の夢」「太陽の夢」「水が流れる夢」の3つ絵を見る事で感じとっていた。
真理が、これからの進むべき道は、どうすべきかを考え真理のすべき方向へとを導いていく。
「美咲さんの絵画を全て、言葉にするのは貴女の役目です」
勇介は真理に、美咲の描いた絵を年代順に2枚をのぞいた全ての絵を見せる事にした。
もし、絵の詳細がわかれば間違いなく美咲と同じ風景、人物、出来事等を見ていた事になる。
そうだとすれば、真理は美咲に一刻も早く会わなければならない。
なぜなら、教会にある全ての絵と、病院に置かれている全ての絵をみなければならない。

美咲が描いた絵のメッセージを言葉に出来るのは、真理にしか出来ない。
勇介は、まずは教会にある絵を3才から15才までの美咲の描いた絵を見せる事にした。
真理は1枚1枚、ゆっくり見はじめる、数枚を見ては、また最初から見る事を繰り返し、真理は何かを囁きながら美咲の絵を観ていく。
そして、真理は離れの部屋の中で囁きながら絵を描く、美咲のようになっていく。
美咲のようになっていく事で、これまでの孤独感や苦しみや苦痛、死神デッドからの魔性世界の魔物や魔術の呪いの邪悪な邪気が、徐々に弱くなり無くなっていくのを真理は感じていた。
真理の固くなった表情は、徐々に和らいでいく。
「美咲、ごめんね」
真理は、美咲の姿を瞳に映し出しながら涙と共に囁いた。
「心の神の言葉において、私達姉妹の呪いと邪気の苦しみを消し去れ」
勇介は聖水を一滴つけた手で、真理の頭に左手の平をあて右手では十字架を握り、心の神のゼウスとイエス、女神の聖母マリアに願いと誓いと祈りを捧げる。
世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスによって、真理の新たな人生の運命の時計の針は動き始める。

真理と美咲は感情は苦しみ悲しみ喜びの明暗と哀れみ楽しさ喜びの陰陽、能力は「怒り、憎悪、復讐」と「憂い、歓喜、慈悲」感情と予兆の能力が重なり合い同じ能力を持つ事が出来た。
しかし、魔性世界の邪気は消えたが悪魔ゼブロス・地獄ヘル・死神デッドによって未解決事件の真相は、また真理を容疑者にさせ黒魔術の呪いによって真理の運命の導きを邪魔をしようとしていた。
黒魔術の呪いと戦いは、世界の神々ゼラトウスによって勇介が気づいた本当の特異的な能力の全てが働き真理を導き守り抜く守護神となる。

勇介の強大で様々な特異的な能力を持つ守護神が真理の運命を導こうとすると病院に入院し大結界の絶対世界にいる美咲を悪魔ゼブロス・地獄ヘル・死神デッドは標的にし、美咲の感情と能力の開化の運命の導きを消し去ろうとする、
徐々に勇介が美咲の為に創り出した大結界の絶対空間を壊そうとしていた。
しかし、世界の神々ゼラトウスからの伝令による勇介の役割への導きによって勇介は美咲を標的にする事を知っていた。
精神科の病棟では勇介からの連絡があり、フリーランスの精神科医によって美咲を狭い部屋の隔離室への移動を示唆していた。

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