Sho's-Blog/PoemStory/illust

MessagePoem/LoveStory/youngStory/SFfantasyStory/illust

チューリップス・シスター第21話

2016-10-19 10:35:14 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第21話 変えられた花

世界の神々ゼラトウスから全ての能力を与えられ、真理を導き始めた勇介だが伝道師、結界師、錬金術師、祈祷師としての役割の能力、離脱解離能力、霊能力、角と翼のあるフェニックスの能力をコントロールする能力は完全開化していた。
しかし、女神の聖母マリアの能力、聖霊の能力、妖精の能力、天使の能力は予兆の能力として不完全なまま開化せず能力を発揮する事は出来なかった。

勇介が世界の神々ゼラトウスから全ての能力を与えられたが、不完全開化の能力があるのは勇介自身の未熟さではなく、双子の真理と美咲の両者に重ね合わせ感情と予兆の能力を与える事、真理はすでに導かれたが、美咲にも同じように導く事が必要だった。
勇介の能力が完全開化する為には真理と美咲の心に抱えている父直継、母高子への思いの全てを受け止め、過去の本当の真実を伝え、新たなる真理と美咲に導きをする事が必要であった。
勇介にとって真理と美咲は重要人物であり、今後にある幻想世界での出来事には、必要な女神の聖母マリアの能力、聖霊の能力、妖精の能力、天使の能力を持ちあわせ、勇介が真理と美咲を導く事によって与えられ眠りから目覚める完全開化する能力でもある。
真理には美咲の両者を会わせ導く事で、勇介が世界の神々ゼラトウスから与えられた全ての能力が完全開化に導かれる事になる。
また、世界の神々ゼラトウスから与えられた勇介の役割を果たす為には、
多くの能力者との出会いと導きと今後の先にある次元の違う仮想空間の幻想世界の出来事に共に向かい合う歩みが必要だった。

真理は勇介によって美咲の感情と予兆の能力を受け入れ、未知で新たな運命を辿り歩き始めていた。
しかし、美咲の能力と感情、怒り、憎悪、復讐、苦しみ、悲しみ、喜びの明暗、自分に正直に生きているが、美咲にとって感情と予兆の能力の苦しみと復讐は正義という思考だった。
真理が持つ事が出来た6つの感情と6つの能力は「平和」を望んでいたが、この時の美咲には、まだ勇介の導きはなく大結界の絶対空間の中で眠り目覚めの繰り返しで、真理と同じ6つの感情と6つの能力はなかった。
美咲の持つ3つの感情と3つの能力は「破滅」を望み拘りがあったのかもしれない。

美咲を守り導く為には正直な感情で同じように拘る事で、勇介は美咲の感情と能力と破滅の望みを受け入れ受け止める事が必須だった。
しかし、美咲の感情と予兆の能力は勇介が創り出した大結界の絶対世界に「ヒビ」を出し、聖域外の場所で自然の天候を操れるような強大な能力で、勇介一人だけで運命を導く事は出来ないようになっていた。
大結界の絶対世界で美咲を守る8人の結界師は限界に近づいていた。

病院での美咲は特別な部屋にいる10畳程の広い部屋で大結界の絶対世界にいるが、美咲が目覚めたり眠ったりする事で「ひび」が入るようになる。
この「ヒビ」は悪魔ゼブロス・地獄バルザ・死神デッドが関わっている可能性は否定は出来ず、この大結界の絶対空間での出来事も明らかにする必要があった。
悪魔ゼブロス・地獄バルザ・死神デッドによる魔性世界の魔物の呪いと邪悪邪念な邪気を受け止めてしまう可能性も視野に置き、神父の勇介からの連絡で病院ではフリーランスの精神科医コナン・グレードと看護師資格を持ち特殊な心理学に関わってきたセラピストは示唆していた。

過去の真理と美咲の周囲で起きた全ての未解決事件の現実の世界の真実と次元の違う仮想空間の幻想世界での真実を明らかにしなければならなかった。

5人の精神科医の失踪か自殺か事件か、先入観を持つ警察官の運命は世界の神々ゼラトウスによって導かれた事で真理と美咲とは関わりは薄い。
しかし、父母と銀行員の山口四郎の未解決事件は真理と美咲に関わりは強い感情として持っていた。
それは何故か、美咲が描いていた絵画を見れば理解できると、心の神ゼウスは勇介の心へ伝えた為、これから出会う人達と過去の未解決事件の真相を探る事になる。

勇介と真理は、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来しながら夢の中で、世界の神々ゼラトウスの伝令によって導かれていた。
夢の中での記憶は勇介にはあるが真理には脳裏には薄っすらとあるが気づいてはいない、真理は美咲と会う事で夢の中の記憶に気付いていく。
そして、真理と美咲の感情と予兆の能力が全て持ち合わせる事で予兆から前兆の能力となる。

「時の煌子よ、真理に美咲を合わせる前に、すべき事をせよ」
世界の神々ゼラトウスの伝令が、勇介の脳裏を透り過ぎ、次元の違う仮想空間の幻想世界から現実の世界へ戻る。

勇介と真理は、教会で誓いと祈りをした後で、以前に真理と美咲が暮らしていた場所へ向かい辿り着くと農園跡地は腰くらいまでの高い雑草が生えていた。その中には真理と美咲が両親と生活をしていた建物、大型小型の重機や車を入れる大きな建物、花畑を作る為の様々工具を置く建物があり、工具を置く建物だけが斜めに傾き崩れかけていた。
傾いた建物を観た真理は、何かを考えながら見つめ、勇介は真理に何かが見え始めていたのかもしれないと思った。

「真理さん、どうしました、何か見えるのですか?」
「いいえ、でも何かを感じてくるのです、あの建物は父母には大切なものが」
「大切なものとは、何ですか?」
ただの建物だが勇介は、真理に声をかけながら導きを始めていた。

「仕事が終わると父母は工具はいつも綺麗にして大切に置いていたんです」
「工具が大切なものなのですか」
「いいえ、良く解かりません、ぼんやりとした記憶にあるんです」
「その記憶は、感情ですか、それとも現実なものですか」
勇介は現実の出来事か次元の仮想空間の幻想世界の出来事か試していた。
「幼い時でしたから、ただ私も美咲も建物の中にいて笑い声がしていたような気がします」
現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来していた真理だと、勇介は思い確信に至る。
勇介と真理は、まず建物に入る事無く、この時はただ見てまわっただけだった。

「神父さん、気になる事があるのですが」
「気になる事とは?」
「工具を置いていた建物を見ていると何かに呼ばれている感じなんです」
「呼ばれている感じとは何ですか?」
「ガラスで作られたハウスの中で遊んでいるという感覚です」
勇介は真理の表情をみると真理の笑みが合り何かに導かれていると感じ取った。
「その場所は何処にあるのですか?」
「樹木が大きくなり過ぎて今は見えないです、地下植えの農園の先にあります」
「では、僕も一緒に行ってもいいですか?」
「もちろんです、神父さん」
「あの、お願いがあるのですが、神父さんではなく、互いに名前の方が良いのかも」
勇介の言葉で、真理は少し照れながら地面を見つめて無言になった。
「真理の現実の世界は変化している」
この時、勇介は真理の現実の世界で真理の幻想世界の真実を見ているようだった。
「では、勇介さん一緒にどうぞ」
真理の父親が作った木造の椅子に座って、真理と勇介は会話を交わす。

会話が終わり硬化ガラスハウスの方に向かうと左右にはハーブと菜の花があり、まるで勇介と真理を導くかのように歩道の様なものが出来ていた。
歩道を歩いて行くとサラサラとした海の砂浜の砂のように「キュキュ、キュキュ」という足音が鳴り後ろを振り向くと足跡が残る。
まるで過去を残していくようだと勇介と真理は感じながら歩いていく。
大きな硬化ガラスハウスは2軒あり、1軒目の扉を開けるとハーブの菜園でハーブガーデンのように作られハーブの香りが溢れるほどに管理されていた。
真理は幼き頃に見ていた光景と変わりはなかったが、2軒目の扉をかけると綺麗に輝く「白いチューリップ」が一面に咲いていた。

「誰が、この花畑を管理してるのか、真理さんは知ってますか?」
勇介は硬化ガラスからの日差しの眩しさ、ここは天国ヘブンの幻想世界かと思い自分の眼を疑いながら真理に声をかける。

硬化ガラスハウスの中で、その花畑を目の前にする真理は感情的な表情を変えず自分の意志でなく心の神ゼウスによって誘導され涙を流し始める。
涙を流す真理に勇介は叔父夫婦が管理してるのかと尋ねるが、真理は首を横にふり違うという事を表現した。
「真理さん何か知っているのですか、何かを感じているのですか?」
勇介は表情を変えず涙する姿の真理に声をかける。

白いチューリップの花畑とハーブの花と畑があり、眩しさを感じる様に綺麗に咲いていた。
「なぜ、何故なの?ここには赤いチューリップの花のはずだったのに」
真理の感情と予兆の能力は何かを感じ何かを示唆していた。
「ハウスの中では殆ど赤いチューリップが一面に咲き乱れ、所々でハーブの畑だけだったのに」
真理は勇介に以前に咲いていたのは赤いチューリップの花畑とハーブの花と畑であった事を話をしていた。
そんな時だった。
「赤いチューリップですか?始めまして山本といいます」
勇介は涙を流す真理に確認していると、硬化ガラスハウスの中に足音はなく静かに入ってきた山本刑事と他6人の刑事を連れて警察手帳を見せる。
「良く管理されていますな、事件当日は荒れ果てていたのに、どなたかが管理をしているんでしょうな」
山本刑事は白いチューリップが良く管理され日差しの眩しさの中、綺麗に咲いている事を気にかけていた。

過去には硬化ガラスハウスの中、ここで殺人事件があった時は真っ赤なチューリップであった事を勇介と真理は山本刑事の話しを聞く。
真理は、母高子の面影を頭で思い描き、真っ赤なチューリップとは「血液」まさか失踪している母の犯行の可能性は?と思った。
勇介は、チューリップは球根を変えなければ、赤から白には変わらないはずだ、次元の違う仮想空間の幻想世界の中での現象だったのかと思った。
いったい誰が管理してるのだろうか。
真理でもない、叔父夫婦か、それとも真理と美咲の母高子なのか、母親は生きているのか。

叔父夫婦に携帯で連絡をとり、硬化ガラスの中のチューリップの管理してるかどうかと確認したが、管理はしていないとの事であり驚いていた。
叔父は、今では誰も農園跡地へは近づく事もないはずであると、勇介に話した。
「いったい誰だ、誰がこの花畑を管理してるのだろうか」
心の中で勇介は思い始めると、身体が徐々に体の重圧感を感じながら脳内に想像した映像が流れた。
映像だけで音声はなく、ただ真理と同じ様に自分の意志ではなく涙が自然と流れてしまう。
この時、勇介は真理の予兆の能力に接触し真理との共感、勇介と真理の心の神ゼウスから導きかれていた。

それだけではない、聖霊の能力・妖精の能力・天使の能力・女神の聖母マリアの能力が与えられた後、真理の心の神ゼウスによって植え付けられ「聖霊ヘルプの能力」「妖精ハルフの能力」「天使ピクロスの能力」「女神の聖母マリアの能力」が真理の心に与えられた真実を知ると同時に世界の神々ゼラトウスからの勇介への導きでもあった。

真理は初めての感覚で、頭痛や嘔気嘔吐、口渇、立ちくらみ、耳鳴り、幻聴、体の痺れ、体の痛み、無気力、脳圧迫感などの症状があり苦しむ姿であった。
しかし、この症状は過去には先入観を持つ人間にあったのだが、真理にとっては先入観ではなく次元の違う仮想空間の幻想世界の中での出来事だった。
美咲と再会をする前に与えられたもの、人間の苦しみを知る事で次元の違う仮想空間の幻想世界がある事を「信仰心」で信じるよう導かれたのだ。
この導きがなければ、美咲に会って真理が美咲の予兆の能力「破滅」という心を癒し慰める事は出来ない、真理の心の神ゼウスが美咲の心の神ゼウスと交信する事や強く繋がる事は出来ない、大結界の絶対世界の中にいる美咲に悪魔ゼブロスの指令によって死神デッドは、美咲の予兆能力「怒り」「憎悪」「復讐」「破滅」を利用し、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界全てを悪魔ゼブロス・地獄ヘル・死神デッドの暗黒と炎と闇の世界に誘導し暗黒世界を求めていた為だった。
しかし悪魔ゼブロスの指令は、勇介は悟られないようにしながら自分が持つ全ての能力によって知られていた。

真理は勇介の両腕で抱えられ、山本刑事達と7人にも同じような感覚があり片腕を肩にかけながら、山本刑事達と7人共に教会へ戻った。
山本刑事達にも真理と同じように、刑事7人も世界の神々ゼラトウスに次元の違う仮想空間の幻想世界を一時的に感じるように導かれ、この先の未来の現実の世界と未来の次元の違う仮想空間の幻想世界には、勇介の祈祷師(エクソシスト)能力に従者ビショップ(シャーマン)として、真理と美咲と共に現実の世界とを行き来する事になる。

教会の中へ入ると徐々に体全体に力が戻り、真理や刑事達の身体も軽くなった。

真理は気を失ったのは人間の苦痛をあびる事によりショック状態を起こし予兆能力が人体から離れそうになっていた。
世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスによって予兆能力を人体から離脱しない様に、女神の聖母マリアの能力を使い真理の心の中でも離れない様に元の状態に戻していた。

真理は目覚めると何事もなかったように、山本刑事達7人に1杯の水をさしだした。
「ありがとう、真理さん、真理さんは大丈夫ですか」
山本刑事達7人は、その水を一気に飲み真理に声をかける。
「どういうことですか?私は大丈夫ですよ」
「え、覚えてないのですか?」
山本刑事は体調を崩した真理に声をかける。
「刑事さん、真理さんは大丈夫ですよ、ただ失神しただけですから」
勇介は山本刑事に真理の代わりに声をかけるが、7人の刑事達は不思議な表情を見せた。
「ところで、今度は何か、過去の事件の進展があったのですか?」
勇介は、山本刑事に聞いた。

山本刑事は捜査がまったく進展しないので、もう一度、現場100回見てまわる。
事件に関係深い場所や人物にあって話を聞いてまわっているとの事であった。

勇介が電話連絡で、捜査のきっかけを作ってくれたと山本刑事は言っていた。
この時は農園跡地にもあるチューリップを見ながらも、農園や畑の事等には触れる事はなかった。
山本刑事達は捜査をして何かを知っているかのようだった、そして、電話で話していた事をもう一度、話して欲しいというのだ。
勇介は、真理と美咲の能力以外の事を、電話で話した事を繰り返し話をする。
「どうしても、私が気になるのは、真理さんや美咲さんのお母さんの事なんです、探し出す事は出来ませんか?」
勇介が話していた事を真理は気にしていた。
真理は、静かに教会の椅子に座り、決して刑事達の顔を見る事はなかった。
幼き頃の美咲と同じだと思い勇介が、真理の盾となっていた。
山本刑事は話が終わると、もう一つだけ聞きたい事があるのですが、いいですかと勇介に聞いた。
「チューリップは球根を変えなければ、あれほど白く輝くようには咲かないのでは?」
「事件があったから、誰かが、白いチューリップにしたのかもしれませんね」
勇介は山本刑事の質問を気になってはいたが、笑みを見せながら軽く答えた。
勇介と山本刑事は、同じ感情や思いを共有し持ったのは、世界の神々ゼラトウスからの導きだったのかもしれない。

編集ライターブログランキング
応援宜しくお願い致します
にほんブログ村
こちらも^out_point^ポチと


最新の画像もっと見る

コメントを投稿