花朝月夕(かちょうげっせき」と言う言葉がありますが、これは春の曙と秋の夕暮れの美しさを称えた言葉です。
「斜陽」は西に傾く夕日ですが、私は美しく輝きながら変化していく秋のこの時間が好き。
それに、秋が深まると一層空気が澄み、今まで見えなかった遠方のものまで良く見えてきます。
いわし雲をやさしく包むように茜色に染める秋の夕暮れは美しい。
車の中から夕暮れを待ち、夕日の光を受けて輝く風景と、沈んだ後の残照の空を見るを楽しんでいます。
そのような美しい夕暮れどきの風景を言う「斜陽」とは裏腹に、生産高や売上高が過去にピークを記録して以来、年々低迷状態にあって、将来も不振が続くとみられるのを「斜陽産業」などと言いますね。
太宰治が書いた小説に「斜陽」があります。
この本がきっかけで「没落しつつあること」という意味も持つようになり「斜陽産業」と言う言葉が使われるようになったようです。
確かに、秋の「斜陽」は急速に没落していく印象もあります。
捉え方により、「斜陽」はその美しさとは真逆な現実もあり、その意味にも大きな乖離がありますね。
似たようなのに「落日」もありますが、これもあまり使いたくない言葉です。
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