保護している野鳥の話をお願いしたいと、東海村から講座の講師依頼があり行ってきました。
2005年から17年間、国の天然記念物の雁の仲間オオヒシクイと言う鳥の保護活動をボランティアで行っています。
雁の中では一番の大型で、翼を広げると180cmにもなる鳥です。
活動を始めた頃の越冬数は50羽前後でした。
それが2021年には4倍の215羽が越冬するほどに増加しています。
これまでの活動の成果が認められ、令和3年のみどりの日に「自然環境功労者 環境大臣表彰」を受賞しました。
雁は冬の渡り鳥で、関東地方では唯一霞ヶ浦に渡来するだけになった鳥です。
雁の越冬地は宮城県や新潟県が大部分で、琵琶湖や日本海側に少数越冬しています。
室町時代頃までカリと読んでいましたが今はガンと呼んでいます。
万葉集や古今和歌集などはカリと詠んでいますが、よく知られる雁首、雁擬き、落雁、雁風呂、雁書、雁木などはガンと読みますね。
活動の一つに、保護への普及啓発に力を入れてきました。
毎年越冬地周辺の小中学校の出前授業をしたりエベント等にも参加しています。(現在イベント参加は自粛中)
今回の東海村の講座では、オオヒシクイの話より、1時間半の持ち時間、保護活動の取り組み方を中心に話をさせていただきました。
特に、会を発足した当初から一貫して取り組んできたことは、保護には地域住民と行政の理解と協力が不可欠で、そのための信頼関係を築くことに、最大のエネルギーを注いできたこと等を。
さらにはオオヒシクイ情報を市民と共有するための会報を発行し配布したり、ホームページを開設してPRに勤め、その結果が、今はとても良い関係で、市民や行政がバックアップしてくれていることに繋がっていることを。
東海村 歴史と未来の交流館
稲敷雁の郷友の会ホームページ
http://relaxbach.sakura.ne.jp/hisikui/index.html
今年も、まもなくオオヒシクイが渡来し雁音が聞こえてきます。
それまでに観察小屋の設置などオオヒシクイを迎えるための準備をはじめました。