昨夜に投稿したのでしたが、間違えて非公開設定をしていました。再投稿です。
今日の記事は私のやってきたことの一つの紹介になります。
よろしければ一読いただければありがたいです。
冬の渡り鳥が各地に渡来していますが、その中でも国の天然記念物に指定されている雁の仲間のオオヒシクイが関東地方唯一の飛来地である、霞ヶ浦の稲波干拓にやってきました。
翼を広げると2mに近く、雁の仲間では一番の大形の鳥です。太平洋側の南限の越冬地にあたります
今日現在で20羽が飛来しています。
2004年、野鳥に関心があったわけではなかったが、退職後に知人に誘われたのがきっかけで、国の天然記念物に指定されている雁の仲間のオオヒシクイの保護活動を始めてから今年で20年になります。
活動はボランティアなので全てが手弁当で参加。
市が越冬期間だけの観察小屋を設置してくれるが、活動費は会員からの会費だけで、当然足りずに不足分は自腹を切ることも日常茶飯事でした。
行政からの補助金や交付金を一切貰わず、しがらみのない活動を進めてきました。
最近は、会の活動に賛同した方々から、活動費の足しにと寄付をしていただけるので、財政的には大変助かっています。
発足当初から事務局長を任されて18年間、活動の中心になり会の運営を進めてきました。
年3回の会報発行、会員が記録した観察データーの分析と整理、小中学校の授業、団体観察会の受け入れ、行政・地域・新聞やTVなどのメデア、対外的な窓口などで越冬期間中だけではなく1年を通した事務局の活動でした。
20年の間に秋篠宮殿下がプライベート観察にお越しになったり、元日本野鳥の会会長の柳生博さんが観察に訪れたり、多くの著名人の方々の訪問がありました。
発行してきた会報は44号(毎号12ページ)会員だけでなく公的施設に置いたり行政機関や野鳥関連特殊法人にも配布。
シーズン毎の観察データー
保護する会を立ち上げた当時の越冬数は50羽前後でしたが、保護施策を継続してきた結果、越冬数が年々増加して4倍の200羽を超えるまでになりました。
活動をはじめた頃は、地元民や行政の保護に対する関心が薄く理解もされませんでした。理解や協力を得られるまでには相当の時間とエネルギーを使ってきました。
長年にわたり信頼関係を築いた来た甲斐があり、地域や行政が積極的に協力してくれるまでになりました。
長年の活動が評価され、2021年に(令和3年度)「みどりの日」自然環境功労者表彰「いきもの環境づくり・みどり部門」で、環境大臣賞を受賞しました。
受賞が事務局長を引退する契機にもなり、2年前にその立場を辞することができ、今は会が発足した当初に立ち上げた手作りのホームぺージとブログを更新する役割だけを担っています。
温暖化はオオヒシクイの渡来にも影響しています。
数年前まで渡来の初任日は11月初旬でしたが、最近は一ヶ月遅れの12月初旬です。
雪で覆われたり凍りついたりすると餌が取れなくなる北から、餌を求めて南下してくるのですが、温暖化が益々進み、南下しなくても餌が採れるのであれば、わざわざ霞ヶ浦まで来る必要がないわけで、いずれはオオヒシクイが越冬に来なくなる可能性も十分考えられるわけで、温暖化による気候変動は、世界中の環境に影響を及ぼしているのを見れば、ほんとうにそのようなことになるのは早いのかも知れません。
渡来が遅くなったが、越冬地を忘れずに来てくれたことに安堵しています。
明日の週末から本格的に寒気団が日本を覆うので、オオヒシクイの増加があるでしょう。
雁の飛翔は万葉の時代から人の心を捉える鳥として、他の野鳥には無い独特の感情を抱き惹きつける魅力があります。
オオヒシクイの写真は会員が撮影したものです。