30年前頃、近所の方から苗をもらったのが始まりで、毎年「夜顔」を育てています。
妻が続けていたので、絶やせなくて私が引き継いできました。
種を蒔いて苗を作り、鉢植えやグリーンカーテンを作り、「夜顔」は我が家の夏の風物詩でもあります。
今では、近所や知人など10軒以上の方々に苗分けをして、夏に楽しんでもらっています。
蕾が大きくなってきたので、中旬ごろには咲き始めるでしょう。
多い日には1本に大輪の花が30個以上も開き、10月上旬頃まで芳醇な香りと純白の清楚な姿を毎日見せてくれます。
よく「夕顔」と間違える、夕顔の花は源氏物語に登場しますね。
光源氏は愛人である六条御息所のもとへ通う途中、五条に住む乳母が病気で尼になったので、道すがら見舞いに行くと、隣のみすぼらしい家の垣根に白い「夕顔」の花がつるを伸ばして咲いているのに心惹かれる。
そこに登場してくるのが「夕顔」の花。
月百姿 源氏夕顔巻(国会図書館;デジタルコレクション所蔵)
夕顔と光源氏の出会うきっかけになるのはウリ科植物で、私が育てているのは「夕顔」ではない。
正式な科名で言えば、ヒルガオ科ヨルガオ属の「夜顔」なのです。
昨年撮った夜顔の花
似てはいるが「夕顔」は「夜顔」と同じ仲間ではなく別物だ。
下の画像が源氏物語の登場するカンピョウの花で、花は縮れている
図鑑からお借りしました
ホームセンター等で、種や苗に堂々と「夕顔」と品名を書いています。
白花夕顔と書いているのも見かけたが、夜顔と言うより夕顔が分かりやすいからなのだろう。
昨年の夜顔
「夜顔」、「夕顔」と繰り返し登場したので、何が何だか分からなくなりませんでしたか。
かんぴょうの「夕顔」の花は縮れているが、「夜顔」に縮れがない。
いずれも、夕方咲き始め翌朝にしぼむ、たった一夜だけの寿命の花です。
「夜顔」のこれからの成長を、時々ここで紹介します。
ところで、夕顔は光源氏と出会う前、彼の親友かつライバルである頭中将の恋人でしたね。