(世界遺産候補)早朝の毛越寺浄土庭園----我独占せり!
更に本堂で、(座主の長男)僧侶の朝の「おつとめ」にも参列を許され、寺の歴史・民俗舞踊(延年の舞)などのお話もしていただいた(我々メンバーのためだけに)。-----贅沢うー。しかも、我々は拝観料などというものは、いっさい払っていません。 これは毛越寺宿院に宿泊しなければ実現しないこと。
[平泉 散策ガイドマップの裏--平泉町農林商工観光課]より
[HIRAIZUMI TOURIST GUIDE--Issued by Hiraizumi Chamber of Commerce]より
この中の木造薬師如来像を前にして、我々だけが朝の「おつとめ」に参加を許された。なお、朱の色は悪魔の進入を防ぎ、悪霊を追い払う力があるという。現在の本堂は1989年の再建である。
毛越寺は9世紀の半ばに自覚大師により開かれ、12世紀に基衛が建物群を拡大した。「天台宗の別格本山で、山号は医王山。藤原氏二代基衛が造営。当初は堂塔40、僧坊500。度重なる災禍で焼失。だが、大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構は、ほぼ完全な状態で保存されている。」
[HIRAIZUMI TOURIST GUIDE--Issued by Hiraizumi Chamber of Commerce]より
この池の向こうに(死後の世界の)極楽浄土があるという。この浄土庭園は藤原時代の姿を変えてない。貴重な文化遺跡だ。
私は6時に庭園に出た。人一人いない。芭蕉の句碑の裏に回った頃、宿泊の外人夫婦が三脚を持って出てきて、すぐ池のほうに向かう。
[平泉 散策ガイドマップの裏--平泉町農林商工観光課]より
大泉が池に龍頭首の舟が2艘浮かんでいる。僧侶の話では、大学の専門家に依頼して復元したとのこと。相当な費用だったらしい。
池の周囲を散策できる道がついている。「あの道を白馬が颯爽と駆け抜けて行ったのを、ご覧になったことがありますか?」 本堂廊下から身を乗り出して説明した僧侶のことば。私は何のころやらさっぱり。NHK大河ドラマ「義経」のタイトル画像に使われたそうだ。
ところで、私が池畔に立ったのは「おつとめ」の1時間前。私はひとり、池の周りを歩き出した。朝の陽は未だだ。常行堂の裏手に来た。
もやっていて、実に幽玄な世界。そばには「曲水の宴」に利用される遣水が流れている。平安時代の姿そのままに残っているのはここだけだそうだ。5月の第4日曜日には、まさに平安絵巻がこの遣水のところで行われる。そのとき、池に浮かんでいるあの二艘の舟も主役になるのだろう。
「曲水の宴」の図。平泉駅のホームの案内(M.Nさん撮影)
ここに金堂円隆寺があった。
私は池の周りをゆっくりと一周して芭蕉碑の裏手に戻った。
30分くらい経っただろうか、他のメンバーも出て来て池の周囲を廻りだした。ようやく朝陽があたり始めた。
池の向こうの常行堂に朝陽があたる(M.Nさん撮影)
その後しばらくして、「おつとめが始まりますよぉ」の声に、私は本堂に向かう。
我々はすっかり感動し、朝食をいただいてから、お世話になった宿院の前で集合写真をとり、平泉の駅に向かった。