2008年8月8日(金)---今日も晴天だが、こちらは日中でも最高気温は28度前後で、比較的過ごしやすい。
東龍館玄関前に合歓(あせび)の花が咲いていた
野辺地駅で「とり弁」を購入しようとしたら、8時にならないと届かないという。野辺地発の大湊線は7:58分だ。それにしても、弁当屋は商売が下手だ。やむを得ずキオスクでサンドイッチやコーヒー牛乳を仕入れて、電車の中で朝食。大湊線は線路が真っ直ぐ延びていて、むつ湾は波静か。
定刻通り、電車が下北駅に8:53分に着くと、約束のジャンボタクシーが我々9名を迎えてくれた。
「むつ市観光情報・エリアマップ」より転載
ジャンボタクシー走行コース
下北駅→恐山冷水→恐山→薬研温泉→奥薬研・かっぱの湯→大畑港→下風呂温泉→(はまなすライン)→大間崎(マグロ丼の昼食)→佐井港→(仏ケ浦遊覧)→湯野川温泉→川内川渓谷→黒崎→水源地公園→大湊駅
「かぎもとハイヤー」の運転手は古木さんといって、運転だけではなく、各スポットで先頭に立って観光案内をしてくれた。時間配分も手馴れたものだ。
こちらは、関東より気温が3度くらい低く、過ごしやすい。大湊線も道路も空いていて快適だ。道路は木立が揃う涼しい森の中を走るし、ほんとに、何処へ行っても人は少なく、恐山も大間崎も、我々を除いて、観光客は5~6人しかいなかった。
【恐山】ここは有名なので、恐山のいわれや歴史などは、ネットで調べてください。
宇曾利山湖へ行く途中にある冷水。不老水と云われている。
三途の川に架かる橋の上で帽子を風に飛ばされ、この川に流されてしまった。
橋の中央部に到達したとたんに、何処からとも無く突風が吹いてきたのだ。三途の川を流れていく私の帽子を、しばらく目で追ったが、川は水辺に近寄れず、危険で取り戻すことはできなかった。ところで、この事件をどう解釈したらいいのか?死期が迫っているとすべきか、帽子を身代わりと見て、延命のきっかけを作ったとすべきか?
宇曾利湖
この温泉には自由に入れる。卒塔婆群を背景にした女湯の小屋。
【薬研渓流】薬研渓流は良い所だ。生憎と、電池が切れたのでほとんど撮影しなかった。下の写真は奥薬研にあるカッパの像。
【大間崎】下北半島の北端で、ここから函館までフェリーが就航している。向こうに見える大間崎灯台は弁天島にあり、海流が激しく泳いで渡ることは出来ないと聞いた。
大間崎といえばマグロが有名だ。我々は運転手の紹介で、上の「海楽」という店に入った。
ここは、NHK朝の連続TV『私の青空』の舞台になったというので、撮るところは沢山あったが、時間の都合で歩いて廻ることはできなかった。それと、枚数制限のため、啄木の歌碑なども写したが、ここでは掲載しない。
これが「海楽」での昼ごはん。上が「マグロ定食」2,000円大間産マグロの三色盛り、下が「マグロづくし丼」2,500円大間産マグロの大盛り。さすが一流のマグロだけあって、旨かったなぁ。口の中でとろけるようだと、一同大満足。大間崎まで来た甲斐があったわい。
帰り際にスルメなどの海産物を購入して、荷物を増やした。今月の23日には、ここ大間で全国花火大会があるようで 、そのときは、ここも大賑わいとなるのであろう。
【仏ケ浦】佐井港のアルサスに着いたら、海が荒れているので、仏ケ浦では接岸上陸はできないと云われた。「船は出すには出しますが---」--「仏ケ浦の岸壁は見えるのですか?」--「ええ、見えますよ」--「船酔いはどうですかね?」--「さぁ--」
それにしても、大湊線車中で眺めた湖のような波静かな「むつ湾」、はまなすライン沿いの津軽海峡の海からは信じられない。大間崎を廻ると、そんなにも海の顔が変わるのか--
こんなやりとりで、女性3名を残して写真左下の遊覧船に乗ることにした。仏ケ浦への片道だけで30分かかるという。小さな船だ。乗り込んですぐ、「トイレはありますか?洗面器は?ビニール袋は?」と、一行相当な覚悟。走り出したら、小型高速船のせいか、それとも日本海の荒波か、船は猛烈な揺れ方。前後左右はもちろん、波から離れて空中に跳ぶこともしばしば。---この調子で30分ももつかなと心配しだした。船室外のデッキ?は幅30センチくらいだが、勿論危険で外には出られない。
ようやく、右下の写真のように、船は仏ケ浦に近づいた。
さあ、シャッターチャンスとばかり、座席から立ち、デッキに出るドアの大きなガラス窓から望遠カメラを向ける。そのとき、乗務員がさっとドアを開け、「出ていいですよ、気をつけて」と大声。そうは云われても、デッキの手すりに両手でしがみついていては写真は撮れない。だが、両手を離しては文字通り危険だ。船は猛烈に揺れているのだ。少しでも油断したら、海に放り出される状況。
二人ばかり咄嗟に外に出たが、私はバランス感覚が麻痺しているので、ドアの横木で足を踏ん張り、船の中から撮影した。それでも、船内で、あっちへ振られ、こちらの角にカメラごとぶつけ、階段を踏み外したり、いやー、大変な思いで撮影したもんだ。
そんな格闘をした割には、新品のカメラも壊さずに、下のように何とか撮れたかな、という次第です。
大揺れの船上で、フィアンダーを覗いたせいか、途中で吐き気をもようしてきた。あとで聞いたのだが、殆どのものが、「もう一歩で」危なかったようだ。一人が出し始めたら、連鎖反応間違いなしの状態だったようだ。
桟橋?に人が見えるのは、車で上まで来て断崖を降りたようだ。そのようなルートがあるらしい。だが、戻るときの登りが大変という情報だ。
いずれにしても、我々は接岸・上陸ができず、30分くらい荒波に揉まれていたことになる。もっとひどい日もあるという。船を出してもらっただけでもヨシとすべきか。
【川内川渓谷】当初の予定外だったので、とても良かった。近くには「杉さま」の別荘もあるという。
お蔭で、すずしい渓谷を堪能した。
最後に、大湊駅に着けてもらった。こちらは始発駅であるし、本州「てっぺん」の駅でもあるので。それに、「風雪流れ旅」でもおなじみで、(駅舎の向こう側にある線路は)そこで行き止まりになっていて、なかなか風情がある。
ここから16:54分発の電車に乗り、今朝出発してきた乙供駅へ向った。