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元高校教師のブログ[since2007/06/27]

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夫婦(メオト)文字考

2007-07-31 05:08:34 | 異端日本史・民俗学

 夫婦という文字は演歌によく似合う。「何も悔やんでないわ あなたのためなら 言いつけ守るのは私の務めよ」、「ついて来いとは言わぬのに 黙ってあとからついて来た」 これらはそれぞれ、夫婦鏡、夫婦春秋の一節だが、明らかに女性蔑視というか、男尊女卑の精神が脈々と底に流れている。
 夫婦と書いてメオトと読ませるには無理がある。婦夫なら分からぬでもない。私は長年この疑問を抱いていたのだが、湯西川温泉を訪れたときに謎が解けた。そこは平家の落人と言われる秘境だが、さらにその奥から栗山村に抜ける山道の途中に登呂部という山落がある。新聞の天気予報覧を見れば分かるように、どういう訳か、ここは気象庁による降水量観測地になっていて、九州にある同名の秘境とも併せ考えると、どうも臭う。そして川俣湖の先にある女夫淵(メオトブチ)温泉である。日光の奥の山中も、戦いなどに破れて追われた敗者たちの隠れ里と考えられる。彼らは少なくとも男性社会ではない。もしかしたら、女性中心の社会であったかも知れない。
 戦国時代には女武者も活躍したし、ポルトガル・シントラの古城に保存されているイエズス会の資料では上杉謙信は女性と明記されているとのこと。
 どうも徳川幕府の儒教政策により、さらに春日局死後の綱吉あたりから速度を増して、先の大戦に至るまで、徹底して男社会にしてきたのではないか? 日本では、日韓問題、韓国では、韓日問題と言う如く、徳川幕府あたりが、女男、女夫という文字の順序を許さなかったのではないか。つまり、夫婦(メオト)という文字は戦国時代以前には遡れないのではないかと考えている。日本民族を形成する大きな柱の一つに南方系がある。彼ら黒潮渡来民族(アマの民)は天照大神を祭ったごとく、むしろ女性中心社会である。弁天様で有名な江ノ島を訪れたら「女夫(メオト)まんじゅう」を売っている店があって跳び上がって喜んだものだ。江ノ島はアマの民にとっては、(三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台と同様)神の島である。

 ※最近、佐倉にある歴史民族博物館の高名な先生が、夫婦は順序が逆ではないかと新聞に書いておられたが、私の上記の文は今から十数年前ごろに高校のPTA広報に載せたものである。


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