Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてやっと自由を手にしてから、海外を旅行し、合唱を歌い、オペラやコンサートに通っています。

岡田暁生センセイや村上春樹のジャズの楽しみ方がいい

2020-08-12 06:14:00 | ジャズ
山中千尋さんからアルゲリッチへいったらグッときて、しばらくマイブームがクラシックの方へ振れてたんだけど。ちょっとあきてきて。
といっても昨日の蜜蜂と遠雷で、またすぐ戻っちゃうかもしれないけど。

まあ昨日蜜蜂と遠雷を観るまえは、ちょっとスタン・ゲッツが聴いてみたくなってCDを借りていた。
村上春樹さんの「意味がなければスイングはない」をパラパラめくってたら 『スタン・ゲッツの闇の時代』のとこが面白くて。
”ジャズサンバ“しか持ってなかったからなんとなくクール系みたいな思い込みがあったんだけど。
実はパーカー以上のすごいヘロイン中毒で、結局それで死んじゃうんだけど、村上さんによれば、ヘロインに心身蝕まれてもそれがゲッツの音楽にはほとんど現れなかったという。

それで1967年のスウィート・レインと1986年のヴォエージを聴いたら、これがなかなかイカしてる。パーカーらビバップの名盤に感じる古臭さがない。まあヴォエージの方はチック・コリア が入ってるのだから当然といえばそうだ。

ぼくはある時期から、マイルス(ビッチェスブリュー以前の)やらロリンズやらのモダンジャズの名盤なんか聴いても古臭く感じるようになり、そのあとコールマンのフリージャズが出てきたら、これは歯がたたなくて、だんだんジャズからは足が遠のいてた。

しばらくしてハンコック、パット・メセニー、マイケル・ブレッカーあたりからまた聴くようになったんだけど。ジャズに戻ったっていうより、こういうのはもうヒュージョンだろうって感じで。

で、今回あんまり聴いてなかったゲッツがイカしてたから、古いものなんてって思い込むのも良くないなぁって気が。
実はぼく、ジャズでもクラシックでも昔の演奏家より、新しい人の方が断然良いはずみたいな、そういうのがあって。

そんななか、あの岡田暁生大家、だい先生が書いてる「すごいジャズには理由がある」って本
を見つけた。ジャズピアニストのフィリップ・ストレンジ氏との共著なんだけど。これはすごい、面白い。
日本きっての西洋音楽史大家が、こんな自虐ネタいうような気さくというか謙虚というか、そんな方だったのか。ジャズが大好きだったのか、ってのが先ずは大サプライズだったんだけど。
また内容が(まだ途中だけど)濃いんだわ。

センセイ云く。
巷に溢れてる「感動物語としてのジャズ史」じゃなく、音楽そのもの、こういう音がすごい、っていう分析から巨匠たちの凄さについての考察が眼目

村上さんと岡田だいセンセーの著作のおかげで、これまでの思い込み、聴きかた、楽しみかた、がちょっとかわるかも。











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