今日は藤原歌劇団「カルメン」でテアトロ・ジーリオ・ショウワ。
2月二期会「椿姫」以来の生オペラ。
タイトルの二瓶純子さんは夏祭クラシック2018「モーツァルトのレクイエム」のソリストで共演(ぼくは合唱)。
そのあと町田イタリア歌劇団にも歌いに来てくれたけど、オペラを観る機会はなく。
開演して先ず感動したのは40人の合唱。やっぱオペラに合唱は重要な要素だ。
それから二瓶さんの最初のアリアが始まって。
共演したソリストは身内みたいな気分だから応援モードで入っていくものですが。
そんなことは直ぐに忘れて、二瓶さんのカルメンに魅入られていきました。
カルメンって悪女、男を手玉にとる淫売みたいなイメージもあるけど、それよか何より自由で純粋に愛に生きるひと、なのかもしれず。
二瓶さんのカルメンは後者の方で、だから4幕に白いドレスを着ていたのはしっくりきた。殺されるのも恐れず自分を、自由と恋愛を、貫くのだから。
殺した澤崎一了さんは、2年まえの藤原椿姫が忘れられないけど、今日の切々と苦しい思いを歌い上げるホセは、さらにその上をいってた。
ミカエラの石岡幸恵さんは、瑞々しく、よく通る声で、真の強い女性に思えてとっても魅力があり。
ランスへの道で強い印象が残った楠野麻衣さんには今日も引きつけられ。
何度も観てる市川宥一郎さんは存在感でてきたなぁ。このエスカミーリョが闘牛服じゃなく、ギャングみたいな出で立ちで登場したのは新鮮だった。
そういうことをした、二瓶さんに白いドレスを着せた、岩田達宗さんの演出ってすごい。
感染症対策でオケをステージに上げ、合唱を上段に隔離して。舞台美術が使えないハンディをパネルや椅子などの小道具を巧みに使って、流れるようなドラマに。
それは、途切れることなく展開するバレエを観るような感覚もあり。
定番の演目を代わり映えしない演出で見てると、どうしても飽きがくるものだけど、今日のカルメンは新鮮だった。感染症対策も併せての素晴らしい演出の成果。
藤原歌劇のビッグオファーを見事にこなした二瓶純子さん、ホントに素晴らしかった。
今後のご活躍、楽しみにしてます。